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【ONE126】ブルックスと大勝負前の箕輪ひろば―01―「VTJで達郎君と戦おうと思ったのは…」

【写真】箕輪ひろばにとって修斗のケージは里帰りの場所ではないのだろう (C)TSP

28日(金・現地時間)に、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE126「Only the Brave」で、箕輪ひろばがジャレッド・ブルックスと対戦する。

修斗世界ストロー級王者として、ONEに参戦する箕輪はキッズ修斗の普及を掲げるなど、ただ試合をするのではなく――生き方として常に修斗とある。その箕輪が、ブルックス戦を前にSTFでの冬合宿と、本気で修斗を想う気持ちを語った。


――新しい道場、ずいぶんと広く立派な新しい城が完成したようですね。

「柔術マットが2つとキックスペースがあって……もともと合気道教室とバレエ教室の2つが入っていた建物をぶち抜いて、一つにしたんです。これからリングとケージを入れます」

――いやぁ、楽しみです。日本もそういう時代になりつつあるのでしょうか。埼玉県は大きなジムが増えてきました。

「ワクワクしますね。今ではSTFでの練習は、ここがメインになっています。現状STF川越と呼んでいますが、グラウンドオープンの時は名称が変わっているかもしれないです」

――押忍。そのSTFの阿部代表のSNSで年末年始の追い込み練習の様子が挙がっていたのですが。

「あぁ、アレは僕のということではなくジムの年末年始の合宿なんです。僕は普段から2部練、3部練とできますが、学校がある子たちは無理じゃないですか。だから冬休みのタイミングで強化週間を毎年やってきたんです。2週間ぐらいの期間で、山上(幹臣※元修斗ストロー級世界王者)さんも初日と2日目は誰よりも早く来て、そこから1日置きに(笑)。でも最終日に合わせて、しっかりと動くのは凄いです」

――阿部代表の目が光っていると考えると、なんとも恐ろしい強化週間ですね。

「前は強制だったのですが、今年から選手が増えたので自由参加になったんです。そうなると家の用事とか言って、休むヤツがいます」

――休むヤツ……もう阿部イズム継承ですね。自由参加なのに……。

「そんなことはないです。でも、僕は1日足りとも休まなかったです(笑)」

――ハハハ、つまりそういうことじゃないですか。

「アハハハ。僕は小学生、中学の時からやっていて、長い休みになると朝から晩までジムにいました。冬休みもこの時期になったら強化週間が始まるという習慣になっています」

――強化週間はどのようなスケジュールなのでしょうか。

「6時半に起きて、7時に家を出ます。7時45分ぐらいにジムに着いてアップし、8時から10キロ走をし、終わったら打撃のジムワークを1時間、それからグラップリングのスパーリングを2時間、午前中の仕上げは30分の息上げです。12時半過ぎに午前の練習が終わります。

掃除をして家に戻り、午後は3時から5時までスパーリング。最後は6時半、7時から確認の練習を9時ぐらいまで――ですね」

――……。それをSTFではずっとやってきたのですね……。

「僕が入門したころには、もうやっていました」

――そりゃあ、選手志望の入会者も長続きしないですね。

「アッ、書くのやめてください(笑)。格闘家といっても1人のアスリートとして、MMAでやっていくなら、普通の人が働いているのと同じように練習に費やさないといけない。それが代表の考えです。『楽しく仕事をできるとでも、思っているのか』と」

――ごくごく正しいと思います。これを読んで入門する気合の入った若者が出てくることを祈ります。

「それこそ去年は20人近く選手志望で入ってきたけど、残ったのは3人だけです。1回だけで、来なくなるヤツも結構多いですよ(笑)。しかも選手志望の入門者って、ウチではまず代表の面接があるんです。そこで『他でやった方が良い。ここは世界を目指し、そのためにやっている。箕輪ひろばっていうのがいて、ああいう人間を育成していきたいから。中途半端な気持ちでできないよ』と突き放すんです。それでもやりたいっていう人間が、たった1回の練習で来なくなります。

強くなりたいか。楽しくやりたいか。楽しくできる練習で、MMAの底辺を広げたいです。でも強くなりたいヤツは、それなりの覚悟でやらないと」

――そしてなかなか、残らないと。

「でもウチは僕もそうでしたけど、ジュニアから育成しているんで。今、中三の子たちも複数いて。高校になるとアマ修斗に出ていきます。下から上がってくる子たちがいるので、僕の練習も充実していますよ」

――なるほど。いやぁ、STFの今後も楽しみですね。そんな箕輪選手ですが、修斗とONEのパートナーシップが解消された模様です。同時参戦を目指していた修斗王者としてはどのような気持ちですか。

「そこは……僕もはっきりと聞かされていなくて分からないんですけど……僕がONEで戦うのは、修斗のチャンピオンが強いと証明するためでもあります。それに修斗で戦いたい気持ちを変わらないです。

これ……ホントは言いたくなかったけど、僕がこれだけ試合間隔が空いたのは……2月(※中継は3月)のアレックス・シウバ戦の3Rに拳が折れたからなんです……。なんか、それをいうのって恰好悪いから言わなかったけど、試合ができなかったのはそういうことなんです。修斗の防衛戦ができなかったことも。

サステインとONEには骨折したから試合ができないとういうのは伝えていました」

――修斗で防衛戦も行えない……ONEでも試合ができない。忸怩たる思いでいたわけですね。試合ができるようになっても、ONEからはオファーもありましたが、イベント日程の変更もありました。

「……あのう……どこまで話して良いのか分からないのですが、試合ができるようになった時、僕自信はVTJに出たかったです。やっぱりVTJが復活するなら、山上さんがやったように56キロの強い人と戦いたくて……(※2013年、ストロー級王者だった山上はVTJで、フライ級戦でマモルと戦い判定勝ちした)」

――ハイ。

「だから、平達郎君を戦いたくて」

――おおっ!!

「お客さんの前、修斗ファンの前で僕と達郎君が戦えば――修斗が盛り上がるんじゃないかと思って」

――ホントに箕輪選手は修斗想いですね。

「最初はVTJに防衛戦がしたいとも言っていて……。でも、修斗公式戦とVTJは一線を引くということだったので、達郎君とやりたいと思って伝えさせてもらいました」

――結果、平良選手は国際戦が決まり、平良×箕輪の王者対決は実現しなかったと。

「僕はONEだけで戦っていく、全てをONE前に賭けているということではなくて、ホントに修斗で試合をしたいと思っているんです……。そこはこのインタビューを通して、ファンの人に分かってほしくて。

修斗のチャンピオンは強い。それを証明するためにONEストロー級で一番になりたいんです」

<この項、続く

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