【LFA117】ディアス戦直後に田中路教が話していたこと「今回が最低、これ以下の試合は絶対にやらない」
5日(金・現地時間)、カリフォルニア州ヴァイセイリアのヴァイセイリア・コンベンションセンターで開催されたLFA117で田中路教がヒカルド・ディアスから判定勝ちを収めた。
2年8カ月ぶりの実戦、やはり固い部分も見られたが、らしさ……田中の良さも十分に見られた。米国に戻って初戦を乗り越えた田中の声を、大会終了後に訊いた。
──LFA初勝利、おめでとうございます。
「ありがとうございます。ちょっと……反省点の多い試合でしたけど(苦笑)」
──初回にダウンを喫してヒヤッとし、ポイントも打撃偏重が顕著になりつつあるなかで万が一もあるかとドキドキものでした。
「あのパンチは全然効いてはなかったですけど、何か……倒れちゃいましたね」
──LFAのアナウンサーが『タナカがUFCを目指すならリスクのある攻撃を仕掛けないと。ダメージを与えないといけない』、『ヒールでケージを掴んだのは、レフェリーによっては減点になる』となかなか厳しい発言を繰り返していたので、そういう風に見られるなら判定で持っていかれることもあるのかと。
「そうだったんですか(笑)。判定に不安はなかったです。1Rも倒れたけど、そのあとの攻防で支配できたし取れたかなぁと思っていたら、ユライアも『お前のラウンドだ』と言っていたので」
──ONE判定や打撃のインパクト重視ということが言われるようになってから、裁定はどうなるか本当に分からなくなっているので、ユライアがそこに揺らぎないなら北米ではテイクダウンとコントロールが軽視されていないということですね。なんだかホッとします。
「ユライアが言ってくれるので、僕も不安はなかったです」
──1R、反撃のきっかけとなった首を取ってから払い腰。すぐにディアスの右側から左側に移動し、左足を入れてのハーフのトップとし、右腕の枕で抑えました。袈裟にいかず、バックに回わらせない、そして攻撃を持続できる対処で素晴らしかったです。
「ちょっと……覚えていないです(苦笑)。きっと自然と体が動いたんだと思います」
──体に入っている動きなのですね。
「いやぁ、でも動きは全て硬かったです。パウンドももっと打ちたかったのですが、力が入ってしまって余り打ちにも行けなくて。逃げられる怖さもあって思い切りいけなかったですね。殴りにいってスペースができると立たれそうで、スイープが凄く上手かったですからね。
打撃に戻りたくないというのはありました。相手の打撃に関してはダウンをした一発だけで、他の攻撃は見えていたけど、スタンドには戻りたくなかったです」
──それでも削られたのか、3Rには蹴りも力がなくなってテイクダウンが取れました。
「あの瞬間、これは大丈夫だと僕も思いました。そんな風に思うのは良くなくて、だから足関節の対処が緩くなって、バッを取られて下にされてしまったんでしょうね。いや、本当に反省するところだらけです。
技術面もそうですが、メンタルと集中力を上げていかないと。前回の試合と比べると良かったけど、まだ……まだですね。もうちょいメンタルと集中力も上がるかと思います。それとやっぱりパウンドですかね……。近い距離にいてもヒジもでなくて、空回りしてしまいました」
──とはいっても3-0の勝利です。そして驚かされたのが、試合前と試合後のインタビューであれだけ英語を使いこなしていた点です。
「いやぁ頑張ったんですよ(笑)。米国でやっていくなら、やっぱりそこからだろうと思って……やってはきていました」
──そこですねぇ、ストイックな田中選手らしいです。
「試合前のインタビューに関してはあらかじめ、尋ねられる内容も聞かされていたのにギルバート(メレンデス)が違うことを聞いていて、グダグダになってしまいましたけど(笑)」
──LFAで初勝利、ここからはコンスタントに試合にという気持ちでしょうか。
「試合はガンガンやりたいんですけど、僕が間借りしている夫婦の旦那さんがオーストラリア人で、その家族が11月の中旬から来年の1月の中旬までやってきて部屋が使えなくなってしまうんです。だから、この間に1度帰国しようか思っています」
──新婚さんなのに、日米で離れたままですしね。
「そうですね、最初は1カ月と聞いていたのですが、2カ月になってしまっていて(笑)。妻も米国のビザを取るのに時間が掛かっているので、一度戻ろうかと。1月以降なら、いつでも誰が相手とも戦えるとLFAには伝えています。
今回の試合が最低、これ以下の試合は今後はもう絶対にやらないように上げていきます。それと試合前に色々な人が僕の試合について触れてくれて、ABEMAで放送してくれたからだと思います。皆の声に力づけられて、集中力も増したので応援してくれた人に凄く感謝しています」