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【Shooto2021#06】「ライト級に拘る理由は、海外のプロモーターの目に止まるため」西川大和─01─

【写真】適正体重論に関して、全くブレない自論を説明してくれた西川(C)MMAPLANET

20日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#06で、世界ライト級1位の西川大和が同級世界王者・川名TENCHO雄生に挑戦する。
Text by Shojiro Kameike

現在18歳の西川大和は2020年からプロ修斗に出場し、5連勝を経て王座挑戦のチャンスを得た。その先に見据えるのはUFCやONEなど、海外イベントへの出場だ。

しかし――いや、だからこそと言うべきか、西川がライト級で戦うことに疑問を呈する声が、ないわけではない。そこで西川にライト級で戦う理由を尋ねたところ、彼らしい格闘技観が聞かれた。


――試合を1週間後に控えて、現在のコンディションはいかがですか。

「今は特に、体のコンディションで困ったことはないですね」

――西川選手は、試合前といっても特別に追い込みの練習などを行ったりはしないのですよね。

「はい、いわゆる追い込み練習というのはしていないです。普段からMMAの試合時間、5分3Rのタイムに合わせて練習しています。試合直前は練習の配分を変えたり、練習のペースを変えたりといった感じです」

――今回は修斗の世界ライト級チャンピオンシップを控える西川選手にお聞きしたいことがあります。そもそも西川選手がライト級で戦うことを選んだ理由は何だったのでしょうか。

「それですね……今ツイッターにも載せているんですけど、バンタムやフェザーに落としたほうがいいんじゃないか、という意見についてですよね」

――そういった声は、以前から挙がっています。それに対して西川選手がどう思っているのか、聞かせてください。

「僕は、普段から体脂肪率が1ケタなんです。通常体重が77~78キロぐらいで、体脂肪率は7.5パーセントほど。その状態で、どうやってフェザーやバンタムに落とすのか。そういう意見があるほうが不思議ですね」

――普段から体脂肪率が1ケタ台なのですか!?

「そうなんです。階級を落としたほうが、スタミナ的にもいいんじゃないかという意見もあるのですが、逆ですね。5分3Rあるいは5分5Rのために、そこまで削るほうが良くないと思います」

――それは、普段から体重や体脂肪率をコントロールしているということなのですね。

「いろんな競技のトップアスリートに聞くと、皆さん普段から体脂肪率が1ケタ台なんですよね。そういったトップの方と同じように、普段から食生活を考えて体重や体脂肪率を管理しています」

――そういった食事の管理は、いつ頃から行っているのですか。

「いつでしょう……もう子供の頃から、ずっとやっていますね」

――西川選手の場合は体格面を比較して、ライト級よりもバンタム級やフェザー級のほうがいいんじゃないか、という声があるのかと思います。

「そうだと思います。でも僕は、リーチが184センチあるんですよ。それを考えても、ライト級で特に体格差を苦にすることもありません。反対に、自分より小柄な選手と練習することもあるんですが、そういった相手が見えない角度から打ってくるパンチは、とても怖いです。ライト級で体格的に劣るなら、僕がそれを利用すればいいと思っています」

――なるほど。

「体格差があったとしても、テクニックを磨けば、体格差を超えることができると思います。そのために1試合1試合こなして、自分に穴があれば、それを埋めて上達していく。そういうスタンスですね」

――では、前日計量をリミットいっぱい(70.3キロ)でクリアした場合、当日はどれだけ体重が戻っているのでしょうか。

「試合当日の体重は、73キロぐらいですね。72キロの時もあります。よく計量から試合までの間にすごく体重を戻すという話を聞きますが、それも水分を戻しているだけですよね。逆に、内臓に負担がかかって動けなくなるんじゃないですか」

――過去には体重を戻すことに失敗し、当日のコンディションが崩れてしまった例は、確かにあります。

「僕は当日の体重が72キロでも問題ないので、それならコンディションを大切にしたいです」

――これまで大きく体格差のある選手と対戦したことはありますか。

「あります。北海道で試合をしていた時に、185センチぐらいの身長の選手と対戦したことがあって、パンチでKOしていました。もちろん相手のパンチも受けます。でも、そういった経験があるからこそ、今は相手のパンチに対して敏感になり、ダメージが残らないように戦うことができると思っています」

――西川選手の中では、自分の身長に合わせて階級を決めるのではなく、階級に合わせて自身の技術を上げていくといった意識なのでしょうか。

「はい、それに近いですね。もともとMMAが盛んではない北海道で練習していることも関係していると思います。MMAが盛んではないぶん、レスリングやボクシングなど一つひとつの要素で強い選手がいます。そうした選手と練習しながら、自分で頭を使い必要な技術を当てはめていくことが多いです」

――では、ライト級に合わせる要因は何なのでしょうか。

「ライト級が世界共通の階級といいますか、米国、ヨーロッパ、アジア……世界中の選手が多く集まる階級ですよね。そこで勝つと、日本人選手でも海外のプロモーターの目に止まるんじゃないでしょうか」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
9月20日(月・祝)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル

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