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【Grachan50】GrachanでプロMMAデビュー、原口伸─02─「レスリングと融合させる打撃を」

【写真】内輪ネタのようなものでうが、クレジットがMMAPLANETの試合写真は過去数年はシャッタースピードが320/秒か400/秒で撮影しています。この時は320/1ですが、見様見真似のパウンドで拳がこれだけブレる。それが原口伸の資質、ポテンシャルと捉えています (C)MMAPLANET

5日(日)、千葉県千葉市の幕張ベイパークアリーナで開催されるGRACHAN50で、大搗汰晟とのプロデビュー戦に挑む原口伸のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

中村倫也、河名マスト、修斗とNEXUSでMMAデビューした国内トップレスラー勢、第3の男、原口はMMAを始めてわずか2カ月、右も左も分からない状態で挑んだアマチュアマッチを経て何を掴んだのか。

レスリングとMMAの違い、そこから学ぶ打撃の重要性――プロデビュー戦で、原口はMMAファイターとして成長した姿と可能性を見せつける。

<原口伸インタビューPart.01はコチラから>


――今年2月に初めてMMAに触れてから、4月にEXIFIGHTのアマチュアマッチに出場するまでは、どのような練習を行っていたのでしょうか。

「基礎的な練習をしていましたが、まだ寝技も打撃も見様見真似でやっているような状態でしたね。とにかく先輩方の練習に、必死に食らいついていました」

――その状態で試合に出るのは、不安はなかったのですか。

「宮田先生から『出る?』と聞かれて、『出ます』と答えてしまった、みたいな感じです(苦笑)。試合も特に作戦はなく、僕にとっては出たとこ勝負でした。当時はパスガードもよく分かっていなかった状態で……」

――えっ……。

「テイクダウンしたあと、セコンドから『ニーオン!』という声が聞こえるんですけど、まだニーオン(ニーオンザベリー)の意味も分からないほど、無知でした」

――そこで、テイクダウンからスラムに行くのですね。

「スラムは3回ぐらいやりました。普段の練習でスラムをやることもないんですけど、無意識にやっていたんです。ポイントを取るためにはスラムで叩きつけておいたほうがいいかな、と考えたのかもしれないですね。自分にはできることが少なかったので」

――打撃については?

「その時点では自分が攻めるより、相手の打撃を見て守る、という練習が多かったんですね。試合でも相手のハイキックをガードしたら、そのまま相手がマットに背中を着けたので、寝技の展開に持ち込むことができました」

――とにかく何も分からない状態でのアマチュアMMAデビューだったのですね。

「この試合のおかげで、MMAについて考える時間が一気に増えました。今考えると、宮田先生も『まず試合をしてMMAを覚えろ』と考えていたのかもしれないです」

――では、アマチュアの試合を経て、どのようなことが分かりましたか。

「練習でも試合でも、ずっとレスリングのテイクダウンばかりでしたけど、MMAのテイクダウンって何か分かってきました。テイクダウンしたあと、ニーオンからパウンドを打って、相手が嫌がったらサブミッションというように、繋げていく。繋げることを考えてテイクダウンしないといけないんですよね」

――なるほどぉ。

「それまでは相手が立ち上がってきたところを、ひたすらもう一回抑え込もうと無理をしていたんですね。でも、相手が立ち上がったら無理をして抑え込もうとせず、打撃に移行する。それがMMAなんだと思って練習しています」

――すると、MMAとしての打撃の習得が必須になりますね。

「はい。……ずっとレスリングをやってきたから、試合でも倒して殴れば良いと思っていました。でも、武田(光司)さんとかトップの選手は、シンプルなレスリングでは通用しないんです」

――倒して殴ろうにもそもそも倒すことができない、と。

「そうなんです。打撃と繋ぎ合わせないと、テイクダウンできない。今はテイクダウンに繋げるための打撃も練習しています。自分の持ち味はレスリングですけど、そのレスリングと融合させることができる打撃を身につけたいです」

――なるほど。MMAの練習で、面食らうことも多いでしょうね。

「競技が違うので、『レスリングが強いからMMAも強い』とは思っていなかったです。でも勝手が違いすぎて、レスリングの練習よりキツイですね(苦笑)。打撃に関しては完全に初心者でしたから、技術を覚えるのが大変で、その分すぐに疲れてしまいますし」

――アマチュアデビューから5カ月、MMAファイターとして、どのような点が成長したと思いますか。

「自分の中では、全体的に底上げしている感じです。『ここが成長した!』ということではなく、MMAファイターとして必要な部分、全てですね」

――宮田和幸代表をはじめ、練習仲間からは「ここが伸びた」という声をもらうことはありますか。

「打撃を褒めてくださることは増えました。あとは、スクランブルですね。スクランブルはレスリングと動きが似ているところもあるので、伸びているんじゃないかと思います」

――9月5日、GRACHANでプロデビュー戦を迎えます。相手は総合格闘技宇留野道場の大搗汰晟選手です。

「ずっと柔道をやっていて、プロデビュー戦(今年7月、WARDOGでワタナベ関羽マサノリに判定勝ち)はしっかり漬け込んで勝利したと聞いています。レスリング力は僕のほうがあると思うので、レスリングでも勝負しますし、打撃でも勝負します」

――今、緊張していますか。

「あっ、すみません。インタビューって慣れなくて……」

――こちらの聞き方が悪かったですね(笑)。プロデビュー戦に向けて、緊張していますか。

「アハハ、そういうことですね(笑)。試合に向けて緊張しています。でも僕は、緊張感がないと自分の力を出せないタイプなんです。ずっとレスリングの試合をやってきたおかげか、そういう自分の付き合い方は分かっています」

――では最後に、プロデビュー戦への意気込みをお願いします。

「今回の試合は――いろいろと作戦もありますが、まず全力を出し切ることがテーマです。よろしくお願いします!」

■ GRACHAN 50対戦カード

<ライト級/5分2R>
藤村健悟(日本)
小川道的(日本)

<ライト級/5分3R>
原口伸(日本)
大搗汰晟(日本)

<バンタム級/5分2R>
松本尚大(日本)
上荷大夢(日本)

<ライトヘビー級/5分2R>
小沢祐介(日本)
高桑格(日本)

<バンタム級/5分2R>
GEN(日本)
松井斗輝(日本)

<ライト級/5分2R>
野村駿太(日本)
前田啓伍(日本)

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