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【ONE Empower】平田樹と対戦、アンダーソン─02─「彼女はチェーンレスリングができないでしょ?」

【写真】どのような穴を見つけたのか。その答は3日後にハッキリする(C)ONE

9月3日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムONE「Empower」が開催される。同大会で開幕する女子アトム級ワールドGPで、平田樹と対戦アリス・アンダーソン・インタビュー後編。

MMA戦績は5勝1敗だが、アンダーソンは平田との違いを経験の差だと明言する。そして平田の投げ技について、3月の時点でバックを取れると話していたアンダーソンは、延期された3カ月の間にさらに研究が進み、勝利への道筋が見えているようにも感じられた。

<アリス・アンダーソン・インタビューPart.01はコチラから>

──より成熟しているということですが、平田選手はプロMMAで4勝0敗。アリスは5勝1敗。この2試合の差が大きいということですか。

「私が21歳のとき、もっと厳しい試合をして危ない場面を切り抜けている。彼女のように楽しんで試合はしてこなかった。この経験の差が、私たちがケージに向き合った時に違いとなって表れるわ。

立ち技、グラウンドで違うレベルの技術を持つファイターと戦う時に、それまでの自分が何をやってきたのか。どういうことに費やしてきたのかが問われることになるから。経験の差というのは、この試合で鍵になってくるはずよ」

──前回に話を聞かせて頂いた時、平田選手が柔道の投げ技を使ってきたらバックを取る絶好の機会になると言われていました。

「彼女の投げを狙った時にはワキを差した方とは逆の手を使って、頭を抱えてくる。バックに回らせないようにね。でも、そこにも穴はあるの。そして、その体勢に入るために前腕を伸ばしてくるのよ。でも彼女は、チェーンレスリング(連動したレスリング)ができない。そうでしょ?」

──……。

「グラウンドと連動性がないのよね、彼女の投げやテイクダウンには。それでも狙いは柔道スローだから、まずはそこを防いでフレストレーションを感じてもらうわ。でも、最終的にはラウンドが進むと、彼女は投げに成功しているのよね」

──随分と研究し、対策も練っていることが伝わってきます。ところでフロリダはもうパンデミック前のように、変わらぬ日常生活を送ることができているようですが、シンガポールでは再び隔離措置が待っています。

「フロリダはもうマスクもしないし、隔離もないわ。今回はシンガポールで試合をするということで、シンガポール政府が軍隊生活のようなことをまだ求めていることに関しては……少しナーバスになっているわ(笑)。ホテルの部屋に籠りっきりで、セキュリティが見張っていて……電話でしか外部と連絡が取れない。でも、なんのためにシンガポールへ行くのか。試合をするためだし、自分の仕事を全うするにはどんな状況も乗り越えるだけよ」

──米国以外での試合は初めてで、時差や移動距離を考えるとその辺りは平田選手の方がアジアの地の利が生きてきます。

「これまで海外って飛行機に乗って2時間で着く、メキシコにしか行ったことがなくて。30時間の飛行機の旅って想像もつかないわ。ただ時差に関して言うと、私はONEと契約するまで5年間、病院でナースとして働いていて。それも夜勤で夜の7時から朝の7時っていう時間帯だったの。ちょうどシンガポールとは昼夜がさかさまだけど、私はその時間帯でずっと生活してきたから。この体はその時のこと覚えていて、自然とアジャストできるんじゃないかと思っていて。

ただ飛行機のなかで水分を絶やさないようにして、ハイドレーションのことを常に頭においていることは必要ね。それも新しい経験だし、神経質になるよりも楽しみの方が大きいわ」

──ところで今大会はONEにとって初めての女子だけのイベントになります。歴史的なショーの一員になることに、どのような想いでいますか。

「嬉しいわ。ただ女子だけの大会はInvicta FCで経験してきたから。でもONEにとって初めてというのは、ワクワクしてくるわよね。しかもONEの女子選手もなかでも最高の面子が揃うわけだし、そこはファンも楽しめるはず」

──では日本でこの試合を視聴するファンにメッセージをお願いします。

「イツキと戦えることを光栄に思っているわ。良い試合が2人でできると思っているから、できれば、グランプリのウィナーになれるよう2人を応援してね」

■視聴方法(予定)
9月3日(金・日本時間)
午後8時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時30分~ONE Super App

■ONE Empower 対戦カード

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者] ミッシェル・ニコリニ(ブラジル)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
モン・ボー(中国)
リトゥ・フォーガット(インド)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
平田樹(日本)
アリス・アンダーソン(米国)

<キックボクシング女子アトム級/3分3R>
アニッサ・メクセン(フランス)
クリスティーナ・モラレス(スペイン)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
ダニエラ・ロペス(アルゼンチン)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP補欠戦/5分3R>
VV.Mei(日本)
ジュリー・メザバルバ(ブラジル)

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