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【ONE Empower】平田樹と対戦、アリス・アンダーソン─01─「ケージの中では勝つことに集中しないと」

【写真】キャリア5勝1敗、アマでは6勝0敗だったアンダーソン。年齢も25歳で、十分に若くてこれからの選手なのだが……。Zoom取材の場合、PCを使う選手はピンが顔より後ろに来る──あるある(C)MMAPLANET

9月3日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムでONE「Empower」が開催される。同大会で開幕する女子アトム級ワールドGPで、アリス・アンダーソンが平田樹と対戦する。

Invicta FCで2勝1敗、北米MMAで育ったアンダーソンがONEで戦うことを決めた理由とは。そして平田樹との対戦について、どのように考えているのか。当初の予定では5月末に戦う予定だったが、コロナの影響で3カ月試合が延びた──ことが、アンダーソンにより自信を与えていた。


──本来5月28日に開幕する予定だったONE女子アトム級ワールドGPの平田樹選手との試合が発表された直後、3月に1度インタビューしていたのですが、大会が延期されお蔵入りとなってしまっていました。同じことは再び聞くこともあるかと思いますが、宜しくお願いします。

「こちらこそ」

──では、改めて9月3日に平田選手と戦うことになりました。

「練習時間が取れて良かったと思っているわ。2月の終わりに試合が決まった時、準備期間は8週間しかなかったから。この夏の間、ずっと彼女の研究ができたし、5月に戦うよりずっと準備できたから。

大会の延期が決まる前後は、情報が錯そうしていて……。延期なる──と連絡が来たと思ったら、次の日はやっぱりやるって話になったり。あの期間はナーバスにはなっていたけど、最終的に延期が決まってからは、ただ練習するだけだって頭もクリアになったし、すぐにキャンプに戻ったわ」

──米国で生まれ育ち、米国のMMAでキャリアを積んできたアリスが、アジアベースのONEで戦おうと決めた理由は何だったのでしょうか。

「ONEというプロモーションが選手の尊厳と名誉を大切にしているということが、まずあったわ。私が育った米国のMMAとは文化が違うと感じたの。それにアトム級の試合が盛んに行われているのも大きかった。

米国では私にはゴールがなかったの。だから以前から、アトム級の試合が行われているアジアで戦うことは視野に入れていたし。なかでもONEはアトム級が一番盛んだったから、ONEでベストになることが、アトム級では世界でベストになることになる。そう思ってONEで戦っていくことを決めたの」

──とはいえ、いきなりGP出場というのは躊躇することはなかったですか。

「こんな素晴らしい機会を逃す手はないわよ。これほどのまでの大きなトーナメントで、米国代表として戦うことができるんだし。こんな光栄なことはないわ。それにタイトルに直結しているトーナメントでしょ? 1試合戦って、次はいつ誰と戦うのか分からないなんてヤキモキすることもないわけだから。これ以上のチャンスはないと思っているわ」

──そのONEのアトム級は115ポンドでハイドレーションテストがあり、ルールもグラウンドでのヒザ蹴りが認められています。この相違点についてはどう考えていますか。

「まだ経験していないから計量に関しては、何ともいえないけど長身の私にとって105ポンドまで落とすことは本当に大変だった。ハイドレーションに関しては、チームの皆も含めてほとんど経験がないことだから、きちんと勉強して準備しないといけないと思ってやってきたわ。

ルールの違いは、大きいわね。普段から練習仲間もグラウンドでヒザを使うことはないから、そこは大きな違いだと認識できているわ。ジムの皆にとっては反則攻撃だから、頭にも入っていない攻撃だしね。だからこそ、大会が延期されて助かったと言えるわね。このルールの違いに、私自身が慣れる時間ができた。夏の間、新しいルールで戦うことを前提に、練習に取り組むことができたから」

──つまり3月に話を聞いた時よりも、平田樹選手と戦うことに自信を持っているということですね。

「その通りね。彼女は短いキャリアで、瞬く間に成功を収めた。パンチも強いし、絶対的に柔道が強いわね。柔道があるから、彼女はトップゲームが可能になっている。とは言っても3月の時点で、彼女の試合をチェックしていたら、既に穴は見つけていた。でも、この3カ月でより彼女のことが理解できたと言って良いでしょうね。

もともと強いグラップラーとも、強いストライカーとも戦っていないし。若くて、経験の少ない選手が、無敗であれだけのゲームをすることは理解いているけど、私もチームも彼女のことは十分に研究してきたから……大丈夫よ」

──そういえば前回のインタビューの時、アリスは平田選手がインターバルの間に対戦相手の前で踊ることに良い感情を持っていなかったですね。

「そういうことじゃないのよ。彼女がダンスをしようが、何をしようが構わない。個人の問題だし。でも、私はああいうことはしたくないってこと。楽しんでいるのよね、試合を。それはそれで良いじゃない。

私はプロとして、自分のやるべきことを落ち着いてやりきる。あんな風に興奮していると、自分のすべきことを全うできないと思っているの。それが私なりのプロフェッショナルとしての在り方ね。

それに私は自分の家族、チームを代表して戦っている。だから戦いの間にダンスなんてせずに、もっと目の前の相手に勝つことをシリアスに考えている。彼女はああいう風に振る舞える方が戦いやすいんだってことは理解しているわ。私は個人的に、ああいうことはできないというだけで。仕事だから、戦うことは。だから、ケージのなかでは戦うことにフォーカスするだけなの」

──平田選手がああやって踊るということは、自分をコントロールできていないというネガティブうなことなのか。それともゾーンに入っているポジティブなことなのか、私には分からないです。ただし、只者じゃないなとは素直に思いました。

「だから、人それぞれなのよね。私があれをやると、ダメだし。でも彼女にとっては良いことなのでしょうね。あの子は若いから。私は彼女より、少し成熟しているということよね。ONEは彼女のことをライジングスターとしてプッシュしているから、彼女はいつでも人に注目されている。

そういうなかでやっていけるのだから、彼女はダンスをしたり、目立つことが平気で心地良いのでしょうね。でもケージの中では、正しいとは言えないわよね。対戦相手に勝つことに集中しないと」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
9月3日(金・日本時間)
午後8時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時00分~ONE Super App

■ONE Empower 対戦カード

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者] ミッシェル・ニコリニ(ブラジル)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
モン・ボー(中国)
リトゥ・フォーガット(インド)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
平田樹(日本)
アリス・アンダーソン(米国)

<キックボクシング女子アトム級/3分3R>
アニッサ・メクセン(フランス)
クリスティーナ・モラレス(スペイン)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
ダニエラ・ロペス(アルゼンチン)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP補欠戦/5分3R>
VV.Mei(日本)
ジュリー・メザバルバ(ブラジル)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP補欠戦/5分3R>
ビー・ニューイェン(米国)✖ジェネリン・オルシム(フィリピン)の勝者
グレース・クリーブランド(ブラジル)

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