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【PFL2021#09】フェザー級SF出場、クリス・ウェード─02─「ダナ・ホワイトはレスラーが嫌い」

【写真】試合当日でも、相当にしぼれている感があるクリス・ウェードだ(C)MMAPLANET

27日(金・現地時間)、フロリダ州ハリウッドのセミノール・ハードロックホテル&カジノで開催されるPFL2021#09で、バッバ・ジェンキンスと対戦するクリス・ウェード・インタビュー後編。

PFL2021年シーズン・プレーオフ、フェザー級準決勝を前に初めてウェードのインタビューをお紺った。フェザー級戦線で台風の目となったウェードは、独特なレスリング技術の持ち主ながら打撃を多用するスタイルで勝ち星を重ねている。

なぜ打撃を主武器に戦うことになったのか。そこには5勝2敗と大きく勝ち越しながら、契約を更新しなかったUFCとの決別が大きく関係していた。

<クリス・ウェード・インタビューPart.01はコチラから>


──フォークスタイル・レスリングを身につけたうえで、グレコや柔道と腕を差した状態での投げを身につけたということですね

「カレッジスタイルは子供の頃からやってきたけど、ずっと投げが好きだったんだよ。それにフリーやグレコの練習もしていたしね」

──その投げを多用し、またしっかりと上を取るリバーサルなどねちっこい展開の組技より、打撃を多用するスタイルに変化してきました。特にPFLで戦うようになってから、その傾向が強く見られます。

「UFCで5勝2敗という戦績だったにも拘わらず、契約更新の交渉は凄く難航した。まぁダナ・ホワイトはレスラーが嫌いで、グラップリングを多く使う選手は要らないんだと思ったよ。僕は勝つために全力で戦っていたけど、ああいう類の人たちを納得させることはできなかった。

対価として正しい評価を得られるのであれば、別にスタンドで殴り合ったって構わない。全く問題ないよ。でも、結局のところ僕はレスラーなんだ。相手を倒して、コントロールできる。相手がそれを許すわけさ。でも、多くの人はそんな戦い方はお気に召さないんだ。

大抵の人はレスリングではエキサイトしない。でも、レスリングほど支配力のあるマーシャルアーツはこの世にないんだよ。そしてレスラーは『退屈だ』という烙印を押される。でも、僕の運動神経をもってすれば別にキックボクシングで戦うことだってできる。なら、相手をボコボコにすれば良いんだろうって契約問題がこじれた時に考えるようになったんだ」

──フリーランスになった時に、日本、もしくはアジアのプロモーションと契約して日本人選手との試合が組まれないかと期待していました。打撃戦が好まれる傾向は、日本にもありますが、ケージレスリングを楽しめるファンの割合は米国より多いと思います。

「ONEに関しては、マネージャーとは話したよ。アジアで戦うことを視野に入れてね。米国のファンは血生臭い、決闘が見たいんだ。でも日本のファンはもっとMMAを見る目が肥えていて、ファイトIQが高いことも知っていた」

──少なくとも一生懸命戦っている選手にブーイングをすることはないと思います。個人的には青木真也選手や安藤晃司選手と戦えばどうなるのかと楽しみでした。

「シンヤ・アオキと戦えるようなことになっていたら、最高だっただろうね」

──ただクリスはPFLを選択しました。そして今、PFLのフェザー級の頂点に立つ可能性を持っています。

「その準備はできているよ。バッバに勝つ自信もある。痛めつけてフィニッシュしている自分の姿を想い描くことができるんだ。そうしたら、多くの人間がこう言うようになるだろう……『コイツは金になる』ってね(笑)。

ホントにここからだと思っている。バッバはNCAAでも優勝しているし、多くの栄光を手にしてきた。でも、今の彼に僕を止める力はない」

──アルマン・オスパノフにあの勝ち方をした時、クリス・ウェードは一皮むけたと感じました。アルマンが勝つと断言はしなかったですが、正直クリスにとって厳しい試合になるとは思っていました。それがレスリングでなく、ハイキックから追い打ちのパンチでKOです。

「あの試合は自信になったよ。

アルマンはコンバットサンボの世界チャンピオンで、KOアーチストでもある。スピードが速く、決定力もある相手だった。そのアルマンをKOできた。ならバッバだってKOできる。できない根拠がないだろう?」

──では決勝に進んだという仮定の話ですが、ブレンダン・ラウネーンとモヴィッド・ハイブラエフ、どちらと戦いたいですか。

「そうだね、イギリス人と戦いたいな。彼の方がMMA界全般で名前が知れ渡っているから。彼のファンも多い。そういう相手と戦いたい。ロシア人とはもう何度も戦ってきたからね。個人的な嗜好でいえば、スペシャリスト的な選手と戦いたいんだ。ブレンダンは打撃のスペシャリスト、特にローキックが素晴らしい。対してモヴィッドはオールラウンダーだ。スペシャリストのブレンダンに勝ちたい」

──こういうことを聞くべきじゃないかもしれないですが、100万ドルの使い道など考えることはありますか。

「少し、ワイフと話しているよ。家族と一緒に、ちょっと贅沢な欧州旅行をしたいね、と(笑)。家族の心にずっと残る時を刻みたいんだよね」

──クリス、良い感じですね。

「もちろん、少し贅沢をすると残りの優勝賞金は、投資をしたり有効活用するつもりだけどね(笑)。とにかく、そういう実用的なことの前に、家族と一緒に良い時間を過ごしたいと思っている」

──では、さらにその先のことを聞いてしまいますね。今のクリスはUFC時代より、試合内容でも評価をされるでしょうし、強さも再評価される。PFLでファイナルを制したあとのキャリアアップはどのように考えていますか。

「どうなるかな。楽しみにしてくれよ。アジアに行くこともあるから、その時はサポートをお願いするよ(笑)」

──クリス、今日はありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いできますか。

「日本のMMAファンの皆が、僕のインスタグラムをフォローしてくれると嬉しいよ。僕はアジアのMMA社会を凄く尊敬している。アジアで色々な経験をしたいと思っているんだ。その日がやって来ることを願っている。そして日本やアジアのMMAファンと交流できることを楽しみしているよ」

■視聴方法(予定)
8月28日(土・日本時間)
午前7時30分~Official Facebook

■ PFL2021#09対戦カード

<フェザー級準決勝/5分3R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
モヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)

<フェザー級準決勝/5分3R>
クリス・ウェード(米国)
バッバ・ジェンキンス(米国)

<ライトヘビー級準決勝/5分3R>
エミリアーノ・ソルディ(アルゼンチン)
アントニオ・カルロス・ジュニオール(ブラジル)

<ライトヘビー級準決勝/5分3R>
セザー・フェレイラ(ブラジル)
マールシン・ハムレット(ノルウェー)

<フェザー級/5分3R>
シェイモン・モラエス(ブラジル)
ラジャー・ストヤディノビッチ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
クリス・カモージ(米国)
コリー・ヘンドリックス(米国)

<フェザー級/5分3R>
アントニー・ディジー(フランス)
ジェシー・スターン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジェイソン・ナイト(米国)
ボビー・モフェット(米国)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フロレス(メキシコ)
カール・ディートン3世(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイコブ・キルボーム(米国)
ブランドン・ジェンキンス(米国)

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