【UFN21】五味隆典、オクタゴン初陣はケン・フロが相手
五味隆典がオクタゴン初出場となるUFC FIGHT NIGHT「Florian vs Gomi」が、31日(水・現地時間)にノースカロライナ州シャーロットのボージャングルズコロシアムで行なわれる。五味はイベントの冠にその名が記されたように、メインイベントでケニー・フロリアンといきなりの大一番に挑む。
【写真】五味隆典、PRIDE武士道時代の輝きをケニー・フロリアン相手にオクタゴンで見せることができるか (C) ZUFFA
ついに待望の時を迎える。2001年12月に修斗世界ウェルター級(70kg)のベルトをその腰に巻いたときから、さらなら飛躍の場所としてUFCを意識し始めた五味。三島☆ド根性ノ助という当時のライバルを下した02年の年末より、その想いはさらに強くなり、盟友・須藤元気が出場したフロリダ大会を視察に訪れたりもした。
当時はUFC自体がライト級そのものに力を入れることができなかった時期でもあり、五味の夢はかなわなかったが、図らずもその後、進路として選択したPRIDEのリングで、彼はライト級世界最強という異名を取るほどの活躍を見せたことは周知の事実だろう。
そのPRIDE活動停止後、周囲に最強といわしめたギラギラとした眼を失った五味は、戦極~修斗~バーリトゥードジャパンを経て、ついにUFC初出場の時を迎える。
テレビ東京が中継を行なうなど、MMAワールドのスマッシュヒットとなる五味のUFC登場だが、そこは世界一の激戦区だけあって、チューンナップ相手の調整試合などは存在せず、いきなりケン・フロという強豪との対戦となった。
ランキングを制定していないUFCだが、王者BJ・ペンに次ぐ実力者として認められているケン・フロは、実質ナンバーツーの猛者といえるだろう。
【写真】柔よく剛を制するケニー・フロリアンも、五味の剛腕には要注意が必要だ (C) ZUFFA
五味が殴り合い上等の火の玉小僧なら、ケン・フロは殴り合うことなく殴り勝つタイプのファイター。相手の打撃が当たる距離に立つことがないとされている。
ミドルで距離を計り、対戦相手が前に出られなくなったところで、パンチやヒジで追い込み、やみくもに突進してきたところにヒザ蹴りやテイクダウンを決める。真正面からでなく、相手の虚をつくことに長けたケン・フロは決して戦いやすい相手ではない。
また五味とは同世代だが、ライト級が脚光を浴びていなかった頃の不遇の時代を知るケン・フロにとって、太平洋の向こうで世界最強の座に君臨していた五味との対戦は、非常に意義深く、彼のモチベーションもまた最高に高まっていることは間違いない。
勝負の鍵は、広いオクタゴンで五味が得意とする打撃をこれまで通り放つことができるか。そして、テイクダウンを切って上を取ることが得意な五味のレスリングがどこまで発揮されるのか。最後に五味がガードワークを強いられたときに、どれだけケン・フロの寝技を凌ぐことができるか。
最初の二つで強味を見せることがなければ、五味のUFC初勝利は難しいと言わざるを得ないが、ここで世界に2度挑戦経験のあるケン・フロを破れば、一気に世界戦も見えてくる。日本の総合格闘技全盛期の重みを背負って、UFCに挑む五味、世界が注目する一戦だ。
■UFN「Florian vs Gomi」全対戦カードは下記の通り
<ライト級/5分3R>
五味隆典(日本)
ケニー・フロリアン(米国)
<ヘビー級/5分3R>
ロイ・ネルソン(米国)
ステファン・シュトゥルーフ(オランダ)
<ミドル級/5分3R>
ネイト・クォーリー(米国)
ホルヘ・リベラ(米国)
<ライト級/5分3R>
ロス・ピアソン(英国)
デニス・シバー(ドイツ)
<ライト級/5分3R>
アンドレ・ウィナー(英国)
ハファエル・オリベイラ(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
ジェイコブ・ヴォルクマン(米国)
ホニー・トーレス(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
ロブ・エマーソン(米国)
ニック・レンツ(米国)
<ライト級/5分3R>
宇野 薫(日本)
グレイソン・チバウ(米国)
<ミドル級/5分3R>
岡見勇信(日本)
ルシオ・リナレス(ブラジル)
<ミドル級/5分3R>
ジェラルド・ハリス(米国)
マリオ・ミランダ(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
チャーリー・ブレネマン(米国)
ジェイソン・ハイ(米国)