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【UFC ESPN27】TJとの注目メイン直前、コリー・サンドハーゲン─01─「僕のMMAはサークル」

【写真】サークル、輪になったMMAは全てを調和する (C)MMAPLANET

24日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC on ESPN27「Sandhagen vs Dillashaw」が開催される。大会名にある通り、メインはコリー・サンドハーゲン✖TJ・ディラショーのバンタム級の一戦だ。

2月にフランキー・エドガーを28秒でKOしたサンドハーゲンは、今や押しも押されもせぬバンタム級のトップコンテンダーだ。そして2年5カ月のブランクがある元世界王者とのビックマッチは、師が長年の練習仲間だったという興味深い一戦でもある。

コーチを通して、対戦相手を知ることができる──うえに、3年に渡り一緒に練習してきた間柄であるサンドハーゲンとディラショー。勝者が世界王者アルジャメイン・ステーリングに挑戦する権利を得ることはまず間違いない一戦を前にして、サンドハーゲンにZOOMインタビューを行った。


──今週末、2月のフランキー・エドガー戦に続きTJ・ディラショーというビッグネームと戦います。今の気持ちを教えてください。

「この試合を戦うことができてハッピーだよ。元世界チャンピオンで、ビッグネームのTJ・ディラショーのようなファイターとケージで向き合えることが、本当に楽しみなんだ」

──5月に予定されていた試合ですが、フランキーに勝利した後、TJと戦う試合が最初のオファーだったのですか。

「そうだよ。フランキー・エドガーに勝った次の週にオファーがあった」

──そんなにすぐだったのですね。

「最初のスケジュールは5月だったけどね。そこから交渉が始まって試合の日時は変更されたけど、オファーはTJとの試合だけだったよ」

──TJは2年5カ月間、試合をしていません。これはコリーにとって優位に働くでしょうか。

「そうとは思わない。TJは今も凄く競争力があるよ。欠場する以前はずっとハイレベルな試合をしてきて、高度な戦いを続けてきた。だから彼はどんな風に戦えば良いかのかが、体にしみ込んでいるはずだ」

──勝利を手にするには、TJの勝負勘が鈍り、身体能力が落ちている方が都合は良いですよね(笑)。

「ハハハ。そうだね……でも僕はベストなTJを望んでいる。2年以上実戦から離れていようが、彼の人生にあってベストバージョンのTJ・ディラショーとしてケージに足を踏み入れてほしい」

──おお!! ところでTJといえはドゥエイン・ラドウィック。そしてコリーの師匠であるクリスチャン・アレンとラドウィックは長年のトレーニングパートナーでした。この事実だけで、TJはこれまでの対戦相手よりもコリー・サンドハーゲンを理解していることになるでしょうか。

「なるね。確かにTJは他のファイターと比べると、僕の戦いを理解できる部分はあるだろう。TJは僕とクリスチャン・アレンの練習方法を知っている。ただし、僕も他のファイターよりも彼のことを知っている。TJとドゥエイン・ラドウィックの練習方法を分かっている。

こういう関係が、この試合独特の興味深い要素だよ。僕自身、凄く楽しみだ。両者がここまで相手のことをよく理解しているファイトするって、あまりないはずだ」

──エベレーション・ファイトチームという共通のトレーニング環境もありますが、一緒に練習をしていたこともあるのではないですか。

「たった2、3年だよ。それも5年も前の話だ」

──両者がMMAでも卓越した打撃のスキルを誇っていて、2年から3年一緒に練習していた。いやぁ、本当に興味深いですね。ただし、5年の歳月はファイターを成長させるのに十分の時間だと思います。

「良い指摘だ(笑)。僕とクリスチャン・アレンは、穴を洗い出して、しっかりとそこを埋めてきた。そしてダイナミックかつ重厚感のあるファイティング・スタイルを確立してきたんだ。そうだね、今や僕のゲームはサークルになっている」

──サークル?

「必要なピースを組み合わせ、それを別々につなぎ合わせているのはなくて、円を描くように全てが繋がっているんだよ。今僕が持つスキル、テクニック、そしてメンタルと全ての状態に満足しているよ」

──それぞれの局面の技術が接合しているだけでなく、一つになっているということですね。

「そういう風に戦えるようになってきたことは、本当にハッピーだよ。トレーニング環境もそうだ。タフなメンバーと練習できている。彼らとのタフな練習が、今の僕を創った。厳しいトレーニングで問題点があぶり出され、欠点を無くすことができた。結果、MMAに必要な技術、動きが一つに繋がるようになったんだよ。

MMAは色々な技術が必要だ。本当に多くのの動きがあり、色々な要素を詰め込んで戦わないといけない。そのために他の競技にはない、他局面の練習が必要で、身につける要素がとてつもなく多い。

結果、多くのMMAファイターはそうやって培ってきたものを、ぶつけて戦うんだ。整理をできなくて試合を戦っている。ただ自分の持っているモノをぶつけて、どうにかしようとするんだ。結果、相手をぶっ潰して成果を手にしている。

対して、僕のMMAには常に答があるんだ。必要なことが一つに繋がり、ループになっているから。そして、全ての答がループになり、MMAがサークルになるんだよ」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
7月18日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS

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