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【DEEP102】フェザー級王者・牛久絢太郎に挑戦。中村大介のプロレスリング道─02─「MMAって生涯武道」

【写真】牛久戦後の中村、本当に良い笑顔で、見ているこちらが幸せにさせてもらえる (C)MMAPLANET

7月4日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP 101のメインイベントで、DEEPフェザー級王者・牛久絢太郎に挑戦する中村大介インタビュー後編。

4年のブランクを経てMMAに復帰した中村大介は、長倉立尚にKO勝ちし、次の試合で現役王者の牛久も倒し、今回ベルトを賭けた再戦に挑むこととなった。

これまで「回転体」と呼ばれる、極め合いを信条としてきた中村。そのファイトスタイルは今でも変わらない。しかし、中村のいうプロレスリングとは、いったい何なのだろうか。

そして牛久との対戦を経て、中村が辿り着いたMMAとは――。

<中村大介インタビューPart.01はコチラから>


――中村選手はプロレス、UWFに憧れて格闘技を始めたということですが、ブランクの間、プロレスに転向しようという考えはなかったのですか。

「それはあまり……今やっているMMAが、僕にとってのプロレスリングなんです」

――そう口にする選手は、過去にも多く存在しました。中村選手の言うプロレスリング、そしてMMAとは具体的にどんなものなのでしょうか。

「僕にとってのプロレスリングは、一本やKOで勝つことです。……どうなんだろうなぁ。MMAとしては、ポイントを抑えて勝つことも必要なのかもしれないし、こんなことを言っていたら『そんなのMMAじゃない』と言われるかもしれないですけど」

――MMA観は人によって違うものだと思います。中村選手はそのスタイルで復帰後2連続KO勝利中。中村選手にとって、MMAで勝つ方法がKOか一本なのであれば、重要なのは、その結果ではないでしょうか。

「はい。それが僕にとっては、『プロレスリング道』なんです。道、ですね」

――なるほど。長倉選手にKO勝ちして次の相手が、現役王者の牛久選手となりました。復帰2戦目で現役王者との試合に挑むのは、どのような思いがありましたか。

「あの時は、何人か対戦相手の候補がいたんですけど、その中に牛久選手の名前があって。僕のキャリアで、現役王者と試合できる機会なんて、もうそんなにないと思うんです。それで自分から、牛久選手と対戦したいとお願いしました」

――現役王者と戦いたい、自ら望んだ試合だったのですね。

「あと、MMAから4年も離れていたじゃないですか。DEEPのトップ選手も入れ替わっていて、他の選手のことをよく知らなかった、というのもあるんですけど(苦笑)」

――ハハハ。プロデビューから20年が経ち、その頃と比べても顔ぶれが随分と変わったのではないですか。

「DEEPのナンバーが一桁の頃(中村のDEEP初参戦は2002年12月のDEEP 07=メインは須田匡昇✖長南亮)から試合し続けている選手って、もう少ないですよね」

――中村選手と牛久選手も、年齢では14歳の差がありますからね。その牛久選手との対戦はバッティングに悩まされたのではないですか。

「頭は何度も当たりました(苦笑)。

あれは牛久選手の癖だから、次の試合までに直るとも思えないし、そこも考えて練習しています」

――癖とはいえ、あれだけ常に頭から突っ込んでくることが分かっていると、レフェリーと同様に対戦相手も予備知識として頭に入っているでしょうね。

「そうですね。2Rに思いっきり当たって、試合が止まりましたけど、その直後にヒザでKOできました。相手が頭から入ってくるので、そこに右ヒザを合わせたんです」

――しかも、体の中心を打ち抜くようなヒザ蹴りで。

「はい。武術で学んだとおりで、長倉選手をKOした右ストレートと同じですね。あの牛久選手との試合は、自分の中でも『良い作品』になったと思っています」

――作品……それが、中村選手にとってのプロレスリング道なのでしょうか。

「そうですね。あれだけ頭が当たっていたら反則決着とか、2Rにバッティングで倒れた時、試合がストップされる可能性もあったと思います。でも僕は、それで試合をやめたいなんて気持ちは、全くなかったんですよ。

長倉戦の時も、相手のパンチを何度もらっても、『これはヤバい』と思うことがなかったのと同じで」

――その状態から、相手が頭を下げてくるのを利用してのKO勝ち。中村選手のいうプロレスリング道というのが見えたような気がします。

「そう言っていただけると嬉しいです」

――結果、今回はベルトを賭けて牛久選手と対戦することとなりました。

「これまでDEEPで長くやらせてもらって、またベルトに挑戦できるのは本当に嬉しいです。牛久選手も、ノンタイトル戦とは違うでしょうし。正しい言い方じゃないかもしれないけど、タイトルマッチということで、本気の牛久選手と戦える。前の試合が本気ではなかった、という意味ではなくて」

――はい、言われていることは分かります。

「KO負けしてからのタイトルマッチだから、牛久選手も僕のことを研究し尽くしてくるでしょうから、前回とは全く違いますよね。その牛久選手と対戦できるのが嬉しいです。僕は、僕のプロレスリング道を貫いて、KOか一本で勝ちます」

――お話を聞いていると、本当に嬉しそうですね。

「MMAって生涯武道なんじゃないかな、って思うんですよ。他の格闘技と比べてMMAは、やることが多いじゃないですか。だから、プロデビューから20年経った今でも、学ぶことがたくさんある。新しいことを学んで、それを試合で生かすことができる。……MMAって、楽しいですよね」

■視聴方法(予定)
7月4日(日・日本時間)
午後5時30分~PPV SPWN

■DEEP102対戦カード

<DEEPフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]牛久絢太郎(日本)
[挑戦者]中村大介(日本)

<DEEPミドル級選手権試合/5分3R>
[王者]水野達也(日本)
[挑戦者]ジョアォン・バティスタ・ヨシムラ(ブラジル)

<DEEP暫定ライト級王座決定戦/5分3R>
大原樹里(日本)
大木良太(日本)

<フライ級/5分2R>
藤田大和(日本)
山本聖悟(日本)

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
RYUKI(日本)

<ライト級/5分2R>
大山釼呑助(日本)
泰斗(日本)

<バンタム級/5分2R>
原虎徹(日本)
吉野光(日本)

<67キロ契約/5分2R>
海飛(日本)
佐藤勇駿(日本)

<フライ級/5分2R>
鶴屋怜(日本)
荒木凌(日本)

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