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【UFC263】契約最後の一戦、デミアン・マイア─01─「今後のことは、土曜日の試合が終わって決まる」

【写真】パンデミックがなくとも引退を考えていると、公言したデミアン・マイア(C)MMAPLANET

12日(土・現地時間)、アリゾナ州グレンデールのヒラ・リバー・アリーナで開催されるUFC263「Adesanya vs Vettori 2」。

UFC世界ミドル級選手権試合=王者イスラエル・アデサニャ✖挑戦者マーヴィン・ヴェットーリ、UFC世界フライ級選手権試合=王者デイヴィソン・フィゲイレド✖挑戦者ブランドン・モレノ、さらにはUFC史上初となるタイトル戦でもメインでもなく5分✖5R制で行われるレオン・エドワーズ✖ネイト・ディアスのウェルター級マッチなど、注目カードが目白押しの今大会で、デミアン・マイアがベラル・モハメッドと対戦する。

昨年3月にジルベウト・バーンズに敗れて以来、実に15カ月振りのファイトとなるデミアンは、この間に43歳を迎えていた。土曜日のファイトが、UFCとの契約最終試合になるデミアン・マイアは、モハメッド戦後に今後の動向がハッキリすると断言した。


──デミアン、ベラル・モハメッド戦が迫ってきました。今の調子はいかがですか。

「凄く良い感じだよ。凄く良い。しっかりと調整もできている。フェニックス入りしてからも、好調さをキープしているよ」

──今回はパンデミック以降、3度目の客入りを行う大会です。

「素晴らしいね。ファンが会場にいるのは最高だよ。ファンがいない会場、TVカメラの前で試合のするのは悲しいことだと思う。僕はこれまでたくさんのファンの前でしか、戦ったことがないしね。

特にUFCで戦うようになって、今年の10月で14年になるんだけど、常にファンで膨れ上がったアリーナで試合をしてきた。1人1人のファンの声が、僕の力になる。ファンの存在があって、僕のファイトは成立するんだ。だからアリゾナのファンの前で、パンデミック以前と変わらない状況で試合ができることは嬉しい限りだよ」

──昨年2月にドゥリーニョに敗れ、直後にパンデミックが起こりUFCは活動停止期間に入りました。それでも2カ月後にはショーを再開しましたが、デミアンは15カ月ケージに戻ってきませんでした。この間、引退を決意したのではないかと思ったこともありました。もちろんデミアンの決断に何も言えることはないのですが、誠に勝手ながらもう1試合はデミアンの試合が見たいという気持ちでした。

「そう言ってもらえると、嬉しいよ。正直、パンデミック以前から引退については考えてきた。これが契約では最後のファイトだ。恐らく最後になるだろう。試合でどれだけのパフォーマンスを見せることができるのか。試合を終えた時、自分が何を想うのか。どう感じるのか。

自分では皆に満足してもらえる動きができると信じている。でも、実際に試合でどうなるかは誰にも分からない。まだ、もう1試合戦いたいと思うのか。もう2試合戦いたいと思えるのか。全ては土曜日の試合次第だよ」

──そのような試合に向けて、コロナの影響はなかったでしょうか。悲しいことにブラジルからバッドニュースがずっと届いていました。

「ブラジルは米国と同じで、大きな国土があるのに都市に人口が集中している。僕の住むサンパウロのようにね。多くの死者が出たけど、知り合いのファイターで亡くなる人がいないのは不幸中の幸いだよ。

命を落とす人は基礎疾患があったり、年老いた人が多い。僕らのようなアスリートは、もともと健康体だから練習仲間や知り合いが陽性になっても、重症化はしなかった。とはいえ経済的な問題を抱えている人だらけになったけどね。

練習に関しては、今のサンパウロではプロはグループ練習もできている。パブリックに対してはジムは閉まったままだけど、僕らは変わらず練習をしてきた。

だからスパーリングやミット打ちなどは問題なかったよ。ただウェイトとかフィジカルトレーニングは、普段使っているジムが閉められていたから、違う場所を探すなど少しだけ問題はあった。コロナの影響がないわけではないけど、さほど大きな問題ではなかったよ」

──43歳、もう同じ質問ばかりを受けていると思いますが、加齢によるメンタルとフィジカルの変化について、デミアンに尋ねないわけにはいかないです。

「誰もが年齢とともに精神的に弱くなり、肉体的にも体力が落ちるだろう。でも、僕は練習中にそういうことを感じることは一切ない。だから、また戦おうと思ったんだ。練習中に気持ちが落ちたり、体力の衰えを感じるようだともう戦えない。トレーニングの質が落ちていないから、まだファイトできるという感覚でいる。

正直、今の僕は試合を戦うこと以外にやるべき仕事はいくらでもある。それでも戦いたいのは、練習をしていて衰えを感じていないからなんだ。

自分より若いチームメイトとの練習で、力が落ちたと感じたら指導、セミナー、ジム経営、ジムの拡大、そっちに専念するよ。そんな日は必ず訪れるけど、今はまだ来ていない。

それにメンタルに関しては、年を取るほどに強くなっているんだ。反面、疲れを感じることもある。これだけ長く、一つのことをやってきたからね。他のことをしたいという気持ちも芽生えてくる。そういう点では、パンデミックが起こり1年以上試合ができなかったことが、逆に良かった。要に

この間も練習し、新しいことを学び続け、身につけてきた。そして、どれだけ戦いたいのかも理解できたんだ。柔術をやりこむことで、MMAでさらに使える動きがあることも発見できた。まぁ……それでも、ボディが限界だというサインを出せば、この楽しい日々も終わりを迎えるけどね」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
6月13日(日・日本時間)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前11時~WOWOWプライム

■UFC263対戦カード

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] イスラエル・アデサニャ(ニュージーランド)
[挑戦者] マーヴィン・ヴェットーリ(イタリア)

<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者] デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)
[挑戦者] ブランドン・モレノ(メキシコ)

<ウェルター級/5分5R>
レオン・エドワーズ(英国)
ネイト・ディアス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
デミアン・マイア(ブラジル)
ベラル・モハメッド(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ポール・クレイグ(米国)
ジャマハル・ヒル(米国)

<ライト級/5分3R>
ドリュー・ドバー(米国)
ブラッド・リデル(ニュージーランド)

<ライトヘビー級/5分3R>
エリク・アンダース(米国)
ダレン・スチュアート(英国)

<女子フライ級/5分3R>
ローレン・マーフィー(米国)
ジョアン・カルダーウッド(英国)

<フェザー級/5分3R>
ハキーム・ダラドゥ(カナダ)
モフサル・エフロエフ(ロシア)

<女子バンタム級/5分3R>
パニー・キアンザド(スウェーデン)
アレクシス・デイヴィス(カナダ)

<ライト級/5分3R>
マット・フレヴォラ(米国)
テレンス・マッキニー(米国)

<フェザー級/5分3R>
スティーブン・パターソン(米国)
チェイス・フーパー(米国)

<ライト級/5分3R>
フェレス・ジアム(フランス)
ルイジ・ヴェンドラミニ(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
カルロス・フィリッピ(ブラジル)
ジェイク・コリアー(米国)

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