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【ONE TNT04】エディ・アルバレスと対戦、オク・レユン「今なら7割から8割、倒せるチャンスがある」

【写真】これほどまで状況判断ができており、言葉にもできる。オク・レユン、大きなことをやりそうだ(C)ONE

29日(木・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE119:ONE TNT04。同大会でオク・レユンがエディ・アルバレスと対戦する。

今月8日にマラット・ガフロフを破り(※中継は22日)、ONE初陣のタフファイトが終わった直後に決まったアルバレス戦。いきなり舞い込んだビッグファイトに向け、オクにガフロフ戦を振り返ってもらい、アルバレス戦への意気込みを訊いた。


──まずガフロフ戦の勝利、おめでとうございます。

「ありがとうございます」

──タフファイトでした。初回、バックを取られて我慢の展開が続きました。

「深く入ってきたこともありましたが、気持ち的は『大丈夫だ。これは逃れることができる』という感覚でした。あれは自分でなく、マラット・ガフロフが疲れる展開だったので。だから初回は我慢、時間まで耐えて2Rになれば自分が攻める番だと考えていました」

──そこまで余裕を持っていたのですね。驚きです。ところでONEでは対戦相手が寝技状態にあるときにヒザ蹴りを使えます。このルールもしっかりと対応していましたね。

「組み合って動かない。そういう時間がMMAでは多く存在していますが、グラウンドでのヒザ蹴りがあることで試合は動きますし、視ているファンも楽しめると思います。ファンも何かが起こるかもっていう風に試合を見ることができますよね。

ただし、グラウンドでのヒザ蹴りは本当に危険です。それでもテイクダウンを狙ってくるところに近距離でヒザを打てるというのは、絶対に試合をエキサイティングなモノにすると思います」

──ガフロフも3Rに反撃をしてきました。試合が終わった時、判定勝ちできる自信はありましたか。

「UFCのようなユニファイドルールであれば、あの試合は互角だったと思います。テイクダウンへの比重が高いですからね。ただし、ONEの裁定基準はダメージが最重要視され、そこが明確に評価されます。

この裁定基準に則していると、自分が勝っていると信じていました。自分は全くダメージはなかったです。例えテイクダウンをされ、バックマウントを奪われても。

それに下になっても三角絞めの態勢を創ることができていました。自分が勝っているという自信が揺らぐことはなかったです」

──試合前、77キロで戦うことに関して心配をしていました。戦ってみて自らの動きを水抜き有りの70キロでの試合と比較していかがでしたか。

「以前のように厳しい減量の必要がなくなりました。こんなに素晴らしいことはないです。コンディションは最高でした。でも、おかしなモノでこれから試合があるという気持ちが削がれていたんです。これまで試合前には、厳しい減量があり、それを乗り越えてから試合があった。その厳しい減量がないことで、試合をするという気持ちが以前のようにわいてこなかったです。本当に奇妙な話です。

ただし、そこについては慣れていくと思います。試合中に感じたことは、自分が77キロとして弱いのか、マラットが強すぎるのか──それは分からないのですが、マラットは本当に力強いと感じました。

テイクダウンを防げなかったり、サブミッションを仕掛けられたのはマラットには凄まじいパワーがあったからです。77キロで戦うと常にそうなのか。それともマラットが特別に強いのか──そこはまだ分かっていないです」

──試合が終われば77キロの体を創っていかないといけないという風に話していましたが、直ぐにエディ・アルバレスとの試合が決まり、その時間を設けることはできなかったです。

「マラットとの試合を終えた時、自分がまず思っていたのは帰国して──休んで、食べて、77キロの体を創ろうということでした。でも、帰国した直後にエディ・アルバレスと試合をしないかというオファーが届きました。

自分の体が準備できていないことは確かです。ちょっとしたケガもあります。コンディションとしては、万全でないのは明白です。でもエディ・アルバレスと戦うチャンスが、自分の人生に何度も訪れるとは思えないです。だから、何も考えず試合に集中しています。ただケージに入り、ベストと尽くす覚悟ができました。

そうしたら不思議なことに人生最大の試合なのに、心が落ち着いているんです。何も恐れていないです。これがゾーンなのかもしれないですが、自信しかないですし凄く集中できています」

──素晴らしく頼もしいです。エディ・アルバレスは長年のハードファイトの蓄積で拳の強さと同様に、脆いアゴの持ち主になっています。

「確かにその通りです。エディ・アルバレスは打たれ弱いです。同時に尋常ならざる気持ちの強さがあります。エディ・アルバレスはどの試合でも倒されていますが、そのたびに立ち上がっています。そこがエディ・アルバレスの最も怖いところです。

そんなエディ・アルバレスのことを心の底から尊敬しています。でも、その彼を僕はぶちのめさなければならないです。そのためにしっかりと距離を取り、アゴにパンチを入れてKOしたいです」

──世界を驚かせる準備はできていますか。

「エディ・アルバレスの絶頂期はBellatorやUFCでチャンピオンだった時です。あの時のエディ・アルバレスに勝つなんて本当に困難なことです。ただし、今は違います。彼のピークは過ぎました。試合をするたびに弱くなっています。

今のエディ・アルバレスなら7割から8割、彼を倒すチャンスがあると思っています。自信はあります」

──この試合に向けて、勝てばタイトル挑戦が近づくという気持ちはありますか。

「エディ・アルバレスに勝てばタイトルに挑戦できると思います。クリスチャン・リーは1位のダギ・アサラナリエフ、2位のユーリ・ラピクス、3位のティモフィ・ナシューヒン、4位の青木真也選手に勝っています。現状5位のマラット・ガフロフに自分は勝ち、ここでエディ・アルバレスに勝てば、クリスチャン・リーへの挑戦者という話題になれば、自分も言及されることになると思っています。

ただし、エディ・アルバレスに勝っても自分はONEで2勝したに過ぎないです。だから、自分からタイトルショットを口にすることはありません。それにエディ・アルバレスにまだ勝っていないで。今はエディ・アルバレスに勝つことに集中しています」

──今回、オク・レユン選手がエディ・アルバレスと戦うということで、強い意志を持ってMMAを続けていれば大きなチャンスが巡ってくると日本の若いMMAファイターにも示してくれました。

「……。そこだけなんです、自分が今プレッシャーを感じているのは(苦笑)。チームMADでも『これはお前1人の試合じゃない。若く将来に夢を見ている連中がお前の背中を見ている』と言われて……凄く重圧になっていて……。今、日本の若い選手たちもそういう風に自分の試合を見ているんだと分かり、プレッシャーが強くなりました……。

でも同時にそう言ってもらえて、より気合が入りました。絶対に何があっても、試合中に諦めることはないです。ありがとうございます」

■視聴方法(予定)
4月29日(木・日本時間)
午前9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ ONE TNT04 対戦カード

<ONE世界ライトヘビー級(※102.01キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者] ライニア・デリダー(オランダ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エディ・アルバレス(米国)
オク・レユン(韓国)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
ウマウ・ログログ・ケニ(セネガル)
キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
青木真也(日本)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<60.6キロ契約/5分3R>
コルビー・ノースカット(米国)
コートニー・マーチン(豪州)

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