お蔵入り厳禁【ONE TNT02】上久保周哉を知る─02─「オマリーとか、1回触ることができればやれる」
【写真】本音を書き記せば、以前は何を考えているのか顔を見ても分からなかった。それが最近では頼もしく見える表情だ(C)MMAPLANET
15日(木・現地時間)に中継されるONE118:ONE TNT02で、ミッチェル・チャマール戦が放送される上久保周哉。当初予定ではトロイ・ウォーセンと戦うはずだった上久保をMMAPLANETではABEMAのドキュメンタリー番組=THE WONDERと共にインタビューしていた。
そこで聞かれた話は、上久保周哉MMA観が伝わってくるものだった。飄々としつつ、本質を突くような鋭さを持つ上久保が、ウォーセン戦について語ったインタビュー──上久保周哉をしることができるインタビュー──の後編をお届けしたい。
<上久保周哉がトロイ・ウォーセン戦について話したインタビューPart.01はコチラから>
<上久保周哉がミッチェル・チャマール戦、前夜に語ったインビューはコチラから>
──決して両足フックして制しているだとか、ワンフックで動きを制限させているということではなく?
「それが僕の組技だと思ってやってきています。立たれることもある種、想定していて。立つ方向を限定させていれば、また同じ流れに戻ることができると思います」
──立たれると、離れられるは違うと。
「ハイ。立たれることと、逃げられることは違うと思っています。だからもう1回、寝かせれば良い。ONEだと相手の加点になってしまうかもしれないですが、加点された分殴れば良いので」
──「殺るぞ」、「ぶっ倒す」という言葉を吐く選手とはかけ離れた表情で淡々と話す上久保選手ですが、15分間ソレをやり抜くには、相当の覚悟がないとできないかと。
「自分がやってきたことを出すには、自ずとそうなります。自分の技術もそうですし、蓄積したことの基本的な動作の理屈、理論に則して動いていけば、体力さえ持てばどんな相手でも戦えると思います」
──嫌な質問になってしまいますが、魔法の水だとか、思わぬ副作用のある火傷の薬に手を出したくなることはないですか。
「まぁ、なくもないですよね。どれぐらい効果があるのか。あれで永遠に動ければ良いなと思います(苦笑)。それでずっと疲れないなんてことはないでしょうけど。疲れることを気にせずに動けるって、どういう風に動けるんでしょうね。
だから僕の場合は試合があるから創っていくのではなく、普段からやっていないと、試合に迎えられないかもしれないです。スイッチが入るとか特にないですし。ただ15分頑張ろう──15分後には終わっていると考えるようになっています(笑)」
──基本的に図太いですね。
「図太ですか? 試合直前も『30分後には控室に戻っている』と思っています」
──でも、そうやって自分とも戦っているということですね。
「30分だけ頑張ろう。15分間だけ頑張ろうって」
──と同時に、良い試合をしないといけないだとか、KO勝ちだ、フィニッシュだって言う風に考えることもないですか。
「フィニッシュを狙っていないといえば嘘になってしまいます。フィニッシュを狙っていないなら、コントロールする意味もないですし。でもフィニッシュしないといけないという使命感はないです。そこにプレッシャーを感じることもないですし。やっている過程のなかで、いければいくだけなので」
──「Stand them up !!」という声が客席から聞こえたら、どういう心境になりますか。
「これは、これで楽しんでって(笑)。僕はやるべきことをやるだけなので」
──アハハハハ。では今回の試合、やるべきことは何になりますか。
「15分間コントロールし続ける。全ての時間、自分を中心とした試合をしたいです。テイクダウンを切ってきても、打撃できても、それは僕を怖がっているからやってくる。そういう自分を中心とした試合をしたいです」
──したい試合ができる、自信は?
「現時点では半々だと思っています」
──ではジョン・リネケルやビビアーノ・フェルナンデスと戦った時、やりたい試合はどれぐらいできますか。
「どっちが強いかと思えば、リネケルだと思います。リネケルに通用するかという意味では、それこそ半々かなって」
──おお、半々ですか!! それではショーン・オマリーやコリー・サンドハーゲンを前にした時は?
「う~ん、現実的には2割、3割できれば良い方ですけど……」
──いや、そこは『半々』でしょう……流れとして(笑)。
「アハハハハハ。2割、3割だと思いつつも、自分の技術がついてくれば……。彼らと戦うのであれば、作戦をしっかりと練っていかない部分があるかと思います。それこそ角度の話とか、距離感の話を突き詰めていかないといけないでしょうし。
サンドハーゲンとか、距離感と角度の取り合いのプロ中のプロだと思います。でも、自分は下手くそだからこそ相手が想定しない距離を創れる自信はあります。それは何回か、米国に練習しに行って何となくああいう人たちが嫌がる距離感を実際に肌で感じた部分ではあります。
そこで勝負できれば、まぁ皆がいうほど0パーセントだと思わないです。オマリーとかに関しては、1回触ることができればやれると思います」
──もうその言葉を聞かせてもらうと、トロイ・ウォーセンは8割、9割だと思って試合を見させてもらいます。
「いえ、半々です。アハハハハ」
■視聴方法(予定)
4月15日(木・日本時間)
午前9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
■ONE TNT02中継対戦カード
<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
ジャネット・トッド(タイ)
アン・リン・ホグスタッド(ノルウェー)
<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シネチャグタガ・ゾルツェツェグ(モンゴル)
中原由貴(日本)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・キュソン(韓国)
ワン・シュオ(中国)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ミッチェル・チャマール(米国)
上久保周哉(日本)