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【ONE TNT02】ゾルツェツェグと対戦、中原由貴─02─「トノンにやられた形がはまれば一番面白い」

【写真】録画ファイトだからこそ──ともいえる、徹底して戦略を披露してくれた中原(C)MMAPLANET

15日(木・現地時間)に中継されるONE118:ONE TNT02で、シネチャグタガ・ゾルツェツェグとの試合が放送される中原由貴インタビュー後編。

ラスラン・エミルベクに続き、剛腕ファイターと戦うことになった中原はこの試合で磨いてきた技術を試し斬りすることもあるという。それがインタビュー前編でのトップ写真のパームトゥパーム・グリップの通じる。

レスリングを消化したボクサー相手に、多くの局面を仮定しつつ中原がゾルツェツェグとの戦いをシミュレートした。

<中原由貴インタビューPart.01はコチラから>


──組みに対応した剛腕という風に感じました。

「なんかモンゴルの五輪ボクシング代表だったとか聞いて……組みに関しては特別なことしていないですね。下になると抱きついているし、ボクシングを軸にして戦うための練習をしているのかなって。でも、分からないですよね。最後の試合から1年3カ月も経っていますからね」

──最近、BRAVE CFで戦うホゼ・トーレスにインタビューをしたときに「MMAをやっているんだ。殴られる。それ以上、殴れば良いんだ」という言葉があり、改めて戦いの真理を聞いた想いがしたんです。

「ホント、その通りですよ。ゾルツェツェグも一発はありますけど、それ以外のパンチはボクシングっぽいというか。細かいパンチのなかにズドンというのを持っているので、変に焦るとカウンターを取られてしまいますね。

マー・ジャワンがやられたのも焦って飛び込んだところに、右オーバーハンドを当てられたので。だからエミルベクとの試合以上にじれったい内容になるかもしれないです。

そういうなかで寝技になるとしがみつく──そういう相手ですから、トップを取ってからのパウンドは怖いけど寝技の精度は高くない。ゲイリー・トノンに負けてから、実はずっと足関節を磨いてきたんです。いわゆるダナハー・システムという足関節の流れを。

練習でも試していて、手応えは十分に感じています。初見では掛かるんじゃないかと。本当は秘密兵器として、ずっと取っておきたい技術ではあるのですが、今回の試合で狙う局面もあるかもしれないですね。

練習でも組んだところから、行ける時は行く。仕掛けるという習慣をつけてきました。だから抑える、コントロールするという展開はないです。バックを取った場合は、そこにいるかもしれないですが。上を取った時はすぐに仕掛けていきます。

相手に対応されたら、次にいく。

対応できないなら、そこで極める。

そういう練習をしつつ、打撃を逃げていると組めないから、ある程度はやりあうし。

展開によっては、足関節で決着もあると思います。

シングルには行った時、向うが定石通りの対応をしてきたから、俺がゲイリー・トノンにやられた形がハマる。

そういう勝ち方ができれば、一番面白いですよね。そこはドリルでも、しっかりとやってきました。

シングルに入って、相手が足を出して来たら後転してヒールというのは。

最後のところは、トノンのように精度は高くないですけど……。外ヒールは取れそうです。

カカトでなくて、爪先で極める方法でロールさせない。

足首を捻る。内ヒールも、そういうやり方はやってきました。

言っちゃうと、一番手っ取り早いですよね。タップしなくても、壊しちゃえば」

──恐ろしい展開ではあります。

「使えるかどうか、試しておかないといけないですしね。ただゾルツェツェグはどの試合も途中で失速しているから、組んで削って仕留める──その展開だと、パンチでも倒せます。

ビッグヒットを貰わず、距離を掴んで戦う。向うがどのように戦ってくるか。ボクシングで勝とうとするプライドを持って来るのか。僕の前の試合を見て、カウンターを警戒してくるのか。まぁ懐に入って組んでしまえば、テイクダウンまではいけると思います。 

だから、どういう風にゾルツェツェグが攻めてくるのかというのもありますね」

──この試合に勝って、タイトルに絡んでくるところまでいきたいところです。

「そろそろランカーと戦いというのはありますね。ただタン・カイとの試合が見たいというファンの意見も見ますし、そこをスルーして上にいくのはどうなのかという気もしています。

タン・カイは全てのベースが高いですよね。だから、松嶋選手とか組まれるかもしれないですしね。アイツの方が僕より、先に上と戦うかもしれない」

──そこを語ることができる位置に、前回の勝利で来たということでしょうか。

「しっかり強くなっている確信はあります。しんどい試合で勝つのもそうですが、しっかりと見切ってパンチを入れたので。今回の試合は打撃では相手のペースで試合が進むと思います。

ただし、放っておいても向うから前に出てくる。デカいの振って、中に入ってくると細かいボクシング技術を見せます。だから、そこでちゃんと組むことが出来れば──中原由貴、バージョンアップしましたという試合になるので。

テストをしないでランカー対決になるのであれば、今回の試合で1度出せれば良いかなとも思っています」

──試し切りもありえると。この怖い、選手を相手に。

「そういう相手と戦うために海外に出てきたので。自分のやりたい相手……まぁ、やりたくはないのですが(苦笑)。でも勝てそうな相手ではなくて、厳しい試合になることが予想される相手と戦う方が、格闘技やっていて良かったと思えるかと思います。目的は強くなることなので」

──やりたくない相手、つまり強いということですからね。

「この葛藤は、皆に分かってもらえるのか。伝わらないだろうなっていうのはありますが、前回のエミルベクにしても無敗の相手で、やりたくないけどやりたい──そういう試合でした。やりたくないって、結局は負けたくないということなんですよね。

だから負けたくないなら、誰にだって負けたくないし。良い相手を用意してもらいました。皆、色々な期待をしてくれていると思います。ONE的にも『お前ら、殴り合ってどっちか倒れろよ』ということだと思いますが、僕は僕のやりたい試合をします。

ただし5分3R、15分間──どこからでもフィニッシュを狙います。余り引き出しを出さず(笑)、それでも新しい自分を見せることができればと思っていますので、ちょっと期待してください」

■視聴方法(予定)
4月15日(木・日本時間)
午前9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE TNT02中継対戦カード

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
ジャネット・トッド(タイ)
アン・リン・ホグスタッド(ノルウェー)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シネチャグタガ・ゾルツェツェグ(モンゴル)
中原由貴(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・キュソン(韓国)
ワン・シュオ(中国)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ミッチェル・チャマール(米国)
上久保周哉(日本)

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