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【ONE TNT01】DJを初KO、ONE世界フライ級王者アドリアーノ・モライシュ「全てが見えていた」

【写真】取材が連続したことは予想に難くない。それでも、御覧のポーズを披露してくれたONE世界フライ級王者ミキーニョ (C)MMAPLANET

8日(木・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されたONE118:ONE TNT01で、ONE世界フライ級王者アドリアーノ・ミキーニョ・モライシュがデメトリウス・ジョンソンをKOで下し、王座防衛に成功した。

(C)ONE

UFCフライ級王座を11度防衛したMMA史上最強のフライ級ファイターを挑戦者に迎え、2年3カ月振りの実戦復帰となったチャンピオンの勝利を予想した者は決して多くなかった。

下馬評を覆す勝利、しかもDJを初めてフィニッシュしたミキーニョを試合翌日にインタビューした。


──昨日は素晴らしい勝ち方でDJを破り、タイトル防衛戦に成功しました。1日が過ぎて改めて今の気持ちを教えてください。

「最高だよ。MMAを戦ってきて、昨日の結果に関しては自分自身に誇りを感じることができると思っている」

──1月にはインタビューをさせてもらった時は、2月に戦う予定でした。あれから試合が45日間延びたことに関してどのような想いでしたか。

「2019年1月の試合のあと、僕は移民局の指導で米国を出ることができなくなっていた。その問題がクリアになった時、COVID19が起こった。僕とDJの試合は延期せざるを得なくなった。皆に我慢の時が必要になったんだ。

そして、また1カ月半の延期だ。でも、この間にTNTでのプライムタイム中継という素晴らしい機会が巡ってきた。だから再度の延期は何も問題なかったよ。僕にとってはポジティブな延期だった」

──2月に戦っていると、ワシントン州とフロリダの状況の違いが顕著でDJはなかなか調整が難しく、実はあの時の方がミキーニョの勝つ確率は高かったと思っていました。

「全く気にしていなかったよ。いつ戦うかは関係ない。常に昨日のように戦えるように準備してきた。2月でも4月でも、僕はどちらでも言われたミッションをこなすだけだったよ(笑)」

──そして、見事にミッションコンプリートを成し遂げました。

「その通りだよ。人生として、任務を完璧に遂行できた。しっかりと戦い、結果を残した。今は次のミッションが届くのを待っている」

──今回の試合はさきほどミキーニョが言っていたように米国のプライムタイムにTNTで中継されました。これまでの試合とは違うような反応があったでしょうか。

「反響は物凄く大きかったよ。ONEチャンピオンシップがいかなる団体なのかを米国のたくさんのファンに視聴してもらえた。米国のプライムタイムということは、ブラジルでもプライムタイムなんだ。米国のファンもそうだけど、ブラジルのファンに僕の試合をたくさん視てもらえて良かった。

これまでは金曜日の朝にしか母国のファンに、僕の試合を視聴してもらうことはできなかった。生まれ育ったブラジリアでは本当に多くの人達が試合を見てくれたみたいで、試合後には母の携帯は鳴りっぱなしだったそうなんだ(笑)。近所の人も大喜びしてくれたみたいで。

僕にとって今回の試合は米国だけでなく、ブラジルでもたくさんのファンにライブ中継を視てもらえたことは大きな意味があったよ」

──ロッタンの試合が次に控えていましたが、あくまでも最終試合ということでメインイベントはミキーニョ✖DJでした。ONEの米国進出を考えた際、本当に大切な大会でヘッドライナーを任されてプレッシャーはなかったですか。

「試合順は僕には関係ないよ。メインイベンターでいたいとようエゴも持っていない。メインでもコ・メインでも第1試合でも、ケージに足を踏み入れて戦うだけさ」

──とはいえエディ・アルバレスとユーリ・ラピクスが、あのような反則決着となり、ショーの盛り上がりを考えると焦りなどなかったですか。

「あれは参ったね。頭が混乱したよ。だってユーリ・ラピクスがクリスチャン・リーに挑戦した時、クリスチャンがめちゃくちゃラピクスの後頭部を殴っていた。でも、誰もあの試合は止めなかったよ」

──止めたのは試合終了のタイミングでした。

「だろう? エディ・アルバレスはクリスチャンほど厳しいパンチを落としていなかった。あれはレフェリーのミスだよ。

とにかく前の試合がああいう風に終わったから、僕はもう全力で戦うしかないと思った。エディの試合がああなっていなくても、それは変わらないけど……。ライブ中継でファンに喜んでもらえる試合をしたかったから。

まぁエディ・アルバレスの試合はああいう結果に終わってしまったけど、僕とデメトリウス・ジョンソンの試合は悪い流れを引きずることはなかった。神に感謝しているよ。エンターテイメントとしても、最高の戦いになったはずだからね」

──試合後のインタビューで、DJはパンチを振るって距離を潰してくる。その時にアッパーを入れることが作戦で、しっかりと実行できたと話していましたが、長身のファイターが背の低いファイターにアッパーをタイミングよく、しかもDJのようなスピードのある選手に打ち込むことは相当にトレーニングを積んできたのではないでしょうか。

「DJが殴ってきたときにアッパーかヒザを入れる……この戦略を実行するためにATTで本当にハードな練習を重ねた。

そして実際にDJが距離を詰めてきたとき、DJの動き、僕のアッパーが描く軌跡、全てが見えていた。完璧にアッパーカットを当てることができるタイミングだったんだ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
4月15日(木・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE TNT02中継対戦カード

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
ジャネット・トッド(タイ)
アン・リン・ホグスタッド(ノルウェー)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シネチャグタガ・ゾルツェツェグ(モンゴル)
中原由貴(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・キュソン(韓国)
ワン・シュオ(中国)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ミッチェル・チャマール(米国)
上久保周哉(日本)

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