【ONE116】アディワン戦にスクランブル発進、川原波輝─01─「打ち合ってくる奴が日本にいなかった」
【写真】カンフーではない。ブドコン(武道魂)だ (C)MMAPLANET
22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」。同大会にDEEPストロー級チャンピオン川原波輝が9日前に出場を決め、リト・アディワンと対戦することを決めた。
試合決定から離日まで4日間、東京で2泊をしてメディカルやペーパーワークを済ませる必要があった。そんな多忙な川原がインタビューを試みた。アディワン戦=ONE初陣は、川原にとって世界進出への一歩であり、これまでやってきたことの集大成──全てを見せる場でもある。
──水曜日(13日)に来週22日にONEでリト・アディワンと戦うことに合意し、翌朝に東京に来てメディカルやPCR検査、そして共同会見と怒涛の2日間だったと思います。選手として弱気な言葉は吐きたくはないでしょうが、実際にこのドタバタを経験していかがですか。
「あんまりそういうことは言いたくないし、だから一言で済ませます。キツイっすね(笑)。でもMMAファイターだし、試練ですよね。戦うことを含めて全て自分がこなすこと。9日しかなくても、如何に対応するか。自分が試されていると思っています」
──コロナ禍だからこそ、生まれたスクランブル発進ですね。国内外でこのような機会をステップアップにつなげた選手がいます。米国ではブランドン・ロイヴァルやジミー・フリック、国内では西川大和選手のケースです。
「さっきは試練って言いましたけど、試練3割、チャンス7割です。とりあえず準備はしていました。夜叉坊の追い込みにも付き合っていたし。どこかでこういう話があるとしても、このタイミングや相手がリト・アディワンとは思っていなかったです。
ただ、試合が決まっていない時にどれだけ準備できるのか。自分を追い込むことができるのかということを意識してずっとやってきたので。自分がこうやってきたから、今回の話もあったんかと思います」
──そうでないとイエスと即答はできなったでしょうしね。
「ハイ。やってないと無理だし、相手も考えたりして……でも、受けてたかな(笑)。リト・アディワンは打ち合える相手だし、打ち合いには自信があるので」
──共同取材の際も『打ち合う』という発言が目立っていましたが、正直なところ川原選手の試合で打ち合いのイメージはないです。
「あぁ、打ち合ってくる奴が日本国内にいなかったですからね。そこを世界で試せるということで意識していたのが、リト・アディワンとかジョシュア・パシオだったんです。
猿田選手とか内藤選手、箕輪がやることを考えると、試合で打ち合えないですよね。テイクダウンを狙って、寝技で削ろうとする。でも、アディワンはそういう概念はないと思うので来ると思います」
──つまり実戦では打ち合ったことがないわけで……。
「なるほど、そうですよね。皆、組みに来ていましたからね。村元戦はチョロッと打ち合いましたけど、確かに人前で打ち合いを見せたことはないかもしんないですね」
──組んでくる相手と、打ってくる相手では川原波輝の打撃は変わって来るのではないでしょうか。
「そこが本来の僕の居場所や思っています。試合で見せたことがないから捉えようがない部分はあるかもしれないですけど、僕はそこをアルファメールでやってきました。そこで意地を見せてきたつもりです。誰とやっても。
何ていうんか……負けず嫌いなんですよ(笑)。アルファメールに行くんじゃなくて、アイツらに分からせたいっていうつもりで打ち合ってきたので、アディワン戦でもそこを見せたいですね」
──ストロー級の選手はアルファメールでも、なかなかいないですよね。
「正直、MMAの練習だったらバンタム級より上のUFCファイターが相手になると厳しいです……組みあると。でも、ボクシング、パンチだけやったらUFCの選手が相手でもガンガンいけました。そこは気落ちの勝負やと思っているんで。16オンスやし、コディー(ガーブラント)とかともガンガンやってきました。
僕、あのデカいグローブでコディーに、アバラ骨を折られて、銀歯をブッ飛ばされましたからね(笑)」
──銀歯……差し歯でなくて。
「銀歯ですねぇ(笑)。残り2週間あったのに、マジだるかったです。アハハハハ」
──ボクシングでそれができる。ただし、川原波輝の打撃は拳だけではないと思っています。
「ハイ。それは考えています。もちろん」
──アディワンはラカイといっても系統が違うのですが、ラカイは基本打ち合わない。距離を取って自分だけ当てる打撃です。
「そうですよね。そのなかでアディワンは相手を追いかけ回しています。そんなに考えていないでしょうし。一発で倒すパンチを振るってくる。アッパー、右フックを4発ぐらい打ってきて組む。で首投げからアメリカーナ。やってくる形があります。相手がバックに回ってくると、キムラ。パターンがありますよね。
それを信じてアイツは戦っています。やってくることは分かっているので、そういう相手をハメる戦い方を僕はアルファメールで身につけてきたので。それがUFCという最高峰でやっている連中の技術なんです。僕はそれをやってきたから、ここでアディワンにハメることができなければ、この先は無いと思っています」
──もう一つ、フィリピン勢のフィジカルの強さ。このフィジカルというものに対して、川原選手はヨガを採り入れて他とは違うアプローチで取り組んできました。いわゆるフィジカル・ストレングスではなく、体の使い方で伍するというか。
「真正面でぶつかるとやられます。力と力の勝負になると。でも、そこでやるつもりがないからヨガをやってきたわけですし。僕は軟体。柔らかくやっていきます。どう地面を掴み、どう体を使うのかでパワーが出ると思っています。
普段から『ここで、そんな返し方するん?』って。筋量があるから出るパワーじゃなくて、体の使い方で出せる力があると僕は思っています」
<この項、続く>
■ONE Unbreakable視聴方法(予定)
1月22日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App
■ONE Unbreakable対戦カード
<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)
<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチチッチ(セルビア)
パトリック・シミッド(スイス)
<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
川原波輝(日本)
■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App
■ONE Unbreakable II対戦カード
<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)
<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)
■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App
■ONE Unbreakable III対戦カード
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)