【UFN182】UFC初陣へ、村田夏南子─02─「相手が代わっても、やってきたことを出すのは変わらない」
【写真】このサウスポーの構えから、どのような動きをオクタゴンで見せてくれるのか (C)INVICTA
14日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN ESPN+40, UFN182「Felder vs Dos Anjos」でUFCデビュー戦をランダ・マルコスと戦う村田夏南子インタビュー後編。
世界最高峰UFCにあってもレスリングで倒す力は、ランク上位のライバルたちを上回るといっても過言でない村田。だからこそ、その前後の動きがこれまで以上にUFCで勝ちあがるまでは重要となってくる。1年振りの実戦、試合前の長い時間を日本で過ごした彼女が手にした強さとは?
<村田夏南子インタビューPart.01はコチラから>
──それこそスイッチなど、ケージがある方がフリースタイルより使えそうですね。
「……。壁は研究してきました。グラップリングの動きが混ざることで、幅が広がったと思います」
──米国では実はそれほどレスリングがベースの女子選手はいません。特にテイクダウンをどんどん取っていく村田選手のようなタイプの選手は。そのテイクダウンに岩本選手が持つコントロールや極めを採り入れたいという気持ちがあったのでしょうか。
「……、……。なんか人と人との巡り合わせで、たまたま教わるようになった感じです(笑)。でも良い巡り合わせで、岩本さんに習ったことは凄く合います。
今回の試合は日本での練習の方が全然長くて。その間もMe,Weで練習しているときに、山崎さんからアドバイスをしてもらうと、自分もたくさん質問をして。また山崎さんが答えてくれるということを繰り返してきました。
山崎さんは格闘技に対しても凄く熱心で、ずっとジムにいるんです。自分も朝から晩まで、ずっとジムにいさせてもらって(笑)」
──今回の試合も米国にいくまでは一緒に相手を研究して、そしてセコンドにも就いてもらうということですね。
「いえ、日本にいるときは相手がヘナタ・ソウザさんだったので、今回のランダ・マルコスさんのことを一緒にはやっていなかったんです」
──そうだ……、そうですね。対戦相手はもともとヘナタ・リヴィア・ソウザでした。
「対戦相手が変更したのも聞いたのは2週間前だったので、もうカリフォルニアに来てからでした」
──ヘナタ・ソウザとランダ・マルコスでは体格からファイトスタイルまで、かなり違いますね。そこで戸惑いはなかったでしょうか。
「対戦相手は代わりましたけど、やってきたことを試合で出すのは変わらないので。相手が何をしてくるのかも、またアドバイスしてもらって、自分が尋ねるというのを繰り返して練習してきました」
──UFCで戦うためにも、MMAファイターとして一番成長できたのはどこだと思いますか。
「シルバーウルフに週に2回行かせてもらっていたのですが、あそこでK-1女子フライ級王者のKANAさんとスパーリングできたこと。岩本さんと米倉さんにグラップリングを習ったこと。あと週に1度、後輩でオリンピック内定の向田真優、代表候補の須崎優衣とレスリングの練習をしていたこと。それを週に2度のMe,Weのスパーリングで、山崎さんに指導してもらってMMAに落とし込んできました」
──つまりは全てで成長しているということですね。ではそれぞれの練習ですが、キック、グラップリング、レスリング、そしてMMAと全て重心が違うかと思います。
「ハイ、違います。でもキックの練習も、キックボクシングの試合に出るわけではないので、自分がテイクダウンに行ける姿勢で練習をしてきました」
──蹴りがあると、よりテイクダウンに入りやすいですか。
「蹴りが使えると上下の動きを散らすことができるのでタックルに入りやすい一方で、前後の動きを使い過ぎると歩幅が広くなり過ぎて、タックルに入れなくなったりもします。だから色々と試行錯誤していました」
──MMAとしての完成度が高まったと?
「ハイ……まだまだなんですけど」
──UFCは紛れもなく、群を抜いて世界の最高峰だと思います。そのUFCでも自信をもって通じる村田夏南子の武器は何だと考えていますか。
「レスリングが一番強いと思っているので、そこを生かしていかないと勝てない世界です。ここから先は、いえここから先というか、UFCは強い選手しかいない場所です。そのなかで一つ一つ、勝ち上がっていくことがチャンピオンになるための道だと思っているので、1試合、1試合を大事に勝っていきたいです」