【Pancrase319】上迫博仁から判定勝ちで、スタートライン?! 松本光史「戻って来られたなと……」
【写真】激闘振りが伺える試合後の松本(C)MMAPLANET
25日(日)に東京都江東区のスタジオコーストで行われたPancrase319のメインで、松本光史が上迫博仁から判定勝ちを収めた。
度重なる延期と大会直前の中止を経験した松本は、パンクラス初戦を戦い終えることができ、上迫とのタフファイトで勝ち切った。それでも反省しきりの松本だが、安堵感があるもの事実。メインカード終了直後に控室で松本の話を訊いた。
──松本選手としては、試合の出来に関しては?
「最初にペースを取られて、こんなもんかと思いました……」
──ペースを取られたというのは?
「作戦だったと思います。最初から飛び込んでくるというのは、これまでになかったので。あんなのは貰わないと思っていたら……1Rを取られてしまいましたね」
──上迫選手のセコンドの大沢ケンジさんが『頭の位置が下がる』ということを盛んに指示しており、戦い辛くなかったですか。
「そうですね、『何をっ!!』と思いながらやっていましたけど──『当ててみろ』って。上迫選手も冷静に狙ってきたのですが、そこに関しては見えていました。でもチームとして創っているんだと感じました」
──1Rや2Rはテイクダウンを取っても、寝技に移行する気配がなかったです。
「殴って、○してやろうと思っていたので(苦笑)。テイクダウン狙いには、凄く素早く反応して寝技に行きたがっていなかったので、そんな逃げるなら別に良いよって。まぁ、そこで深追いすれば違う展開になったかもしれないですが、打ち勝たないといけないと思っていたので……。そうですね、KO勝ちが多いストライカーという風に見られている選手に、打ち勝たないといけないと思っていましたね」
──左ジャブが途中から入るようになりました。
「そこは尾下塾の尾下(正伸)先生にミットでガンガンと当てられていたところなので。先生に比べると、パンチは全然見えていたのですが、上迫選手のリズムが独特で。見えるけど、貰うという不思議が感覚だったんです。でも、修正して前に出て、深く入るようにしたら僕のパンチが当たるようになり、逆に被弾しないようになった感じでした」
──上迫選手は打って離れる。距離を取ることが巧みでした。前に出てくるところを打つのではなく、そういう選手と戦って距離を詰めることができていました。
「……めちゃめちゃ嬉しいです(笑)。本当に1年間、そこも一部なんですけど、自分はライト級で小さいので詰めるという部分は課題の一つとして常に頭の片隅にあって練習してきたので。そこの部分に関しては出せたんじゃないかと思います。これまでに無い試合展開だったし」
──最終回は組みは拘り、そこを上迫選手が受けていた。攻めと受けでジャッジの印象も松本選手だったのかと。
「それは僕の執念が上回ったのだと思います。あとがないんで、修斗のベルトを僕は捨ててきたんで。でも、そういうものじゃないかもしれないですけど……。それでも負けられないという気持ちで、僕は戦っていました」
──松本選手の執念が見えたので、上迫選手の最終回が淡白に感じたのかもしれないです。パンクラス初陣で勝利を手にできたことに関して、改めてどのように思っていますか。
「勝って……言うのは、相手に失礼かもしれないですけど、終わった直後は吐きそうなぐらい悔しかったです。でも、勝ってそう思えたということは、ここからまだ強くなれるはずです」
──今後に関しては?
「パンクラスに来て、上の選手は誰でも初めて当たるわけですし、タイトルマッチに繋がるマッチメイクであれば誰とでも戦っていきます」
──新天地で戦うこと決断をして良かったと思えますか。
「思います。なんかこう……停滞している気持ちがあったので。修斗では結果を残せたと思います。でも、KO勝ちしても心の底から喜ぶことができないというのがあったので。チャンピオンってそういうモノかもしれないですけど、パンクラスに来て下から上がる……まぁ、下とも思っていないですけど、新鮮な気持ちで戦えます。
パンクラスのライト級って、結構バラつきのある選手がいるので、そういう選手と戦うのも楽しみです」
山本真由美マネージャー スタートラインに立ったという感じですね。
──ハァ? 選手に話を聞いている最中ですよ。横から口を挟まないでください!!
「アハハハハハ。なんで、いきなり(笑)」
──早く終われってことですか?
山本 違いますっ!!
──では気を取り直して(笑)。延期、延期で2020年最初の試合がようやく終わりました。直ぐにでも次に戦いたい感じでしょうか。
「久しぶりに顔がこんなに腫れたので、ダメージがどうなのか……。でも練習ができれば、すぐにでも戦いたいです。今年、1試合だけですからね。フリーターみたいなもんだから……でも、本当に試合ができて良かったです。
なんか……8月のことがあったので、直前になっても『もしかしたら』とか考えてしまって、自分の弱さが見えました。でもメインで戦わせてもらって……嬉しかったというか、戻って来られたなと感じました」
──スタートラインに立ったということですね(笑)。
「違います。それは違います。アハハハ」
──違いますよね(笑)。
「アハハハ。でも、そうですね──ここからですね」