【Pancrase319】しんどくないよう、しんどいことをした松本光史が上迫博仁から3-0の判定勝ち
【写真】終盤、上迫は前には出るが淡泊だったか……(C)KEISUKE TAKAZAWA
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
松本光史(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
上迫博仁(日本)
いきなり飛び込んだ上迫は、続いて右を当てる。間合いを取り直した松本が右オーバーハンドから組みに行くが、上迫はしっかりと見切っている。上迫が右カーフ、右アッパーにダブルレッグを合わせた松本は、抑えにはいかずスタンドに戻る。飛び込みつつ左をヒットさせた上迫のワンツーに、松本が右クロスを狙う。
かわした上迫に対し、松本が右ミドルを蹴る。さらに右フックを当てた松本が右ロー、上迫は右オーバーハンドをかわしてローや前蹴りを見せる。松本は左、そして右ローを蹴り、上迫も右カーフを返す。まさに一進一退の攻防だった初回は上迫が3-0とした。
2R、左ジャブから右を打ち込んだ上迫が、もう一度右を当てて離れる。走るようにワンツーを繰り出す上迫に対し、松本はボディストレートから右オーバーハンドを打っていく。左ハイを蹴られながらキャッチしてテイクダウンした松本は、ここも寝技に移行する素振りもなくスタンドで上迫が立ち上がるのを待った。
再び打撃の間合いとなり上迫は右カーフで松本の足を流させるも、左ジャブを被弾するようになる。松本もローを効かせ、ダブルレッグからクリンチでケージに押し込み、最後に右フックを振るいイーブンに戻した。
勝負の最終回、素早く前に出て蹴りも織り交ぜる上迫が右を伸ばし、そのまま大きく距離を取る。左ジャブ、左ハイの上迫に対し、右オーバーハンドを松本が入れる。飛び込んでショート、そしてヒザという動きの上迫は右をヒットさせる。松本もジャブから右を狙い、飛び込んで右、さらに左から右と松本のパンチの精度が上がる。右の打ち合いでは、打ち勝った感のある上迫だが、鼻血を流し松本にリードを許している。ここからケージに上迫を押しこんだ松本は、胸を合わせて小外の機会を伺う。
許さない上迫だったが、松本はダブルレッグからハイクロッチへ。耐えた上迫が離れ、最後の接近戦は右を振るい、松本がエルボーを狙うというなかでタイムアップに。一歩も引かず戦った両者だが、最終回は松本が攻勢だったか──ジャッジの裁定は3者とも29-28で松本がパンクラス初戦のタフファイトを制した。
「修斗のベルトを捨てて、キングの首を狩りに来ました。よろしくどうぞ。待ってろ……それだけです」とらしいマイクを見せた。