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【iSMOS01】不動心、餅瓶太戦へ。「この仕上がりだからできる動きを見て欲しい」(近藤有己)

【写真】取材の日は一般の柔術クラスでたっぷりと汗を流していた (C)MMAPLANET

本日31日(金)に横浜市中区のパンクラスイズム横浜で開催されるiSMOS01で、近藤有己が餅瓶太と対戦する。

18歳で初マットを踏み、既に24年が過ぎた。「最初に格闘技をやりたい、戦いたいと思った時に──何でも有り、制限がなるべくない戦いが良いと思いました」、「やりたくてやっているというのは若い頃から変わらないですね」、「皆に仕上げてもらった強い自分を見て欲しい」。常に微笑みを湛えながら話していた近藤は、今夜も無の境地、不動心でケージに足を踏み入れいるのだろう。


──新型コロナウィルス感染が広がる以前、2月にパンクラスで試合をしてから5カ月、北岡選手が主宰するiSMOSで戦います。この大会に出ようと思ったのは?

「代表の北岡……北岡代表から話をもらって……」

──ぜひ、いつも使われている呼称でお願いします(笑)。

「アハハハハ。北岡から話をしてもらい、とにかく試合がしたかったので、是非ともやりたいと二つ返事で試合に出させてもらうことになりました」

──北岡選手を助けたいという気持ちはどこかにありましたか。

「いや、逆に助けてもらっています。本当に試合がしたかったので。コロナで世の中がどうなっていくのか分からないなか、大会を開いてくれるってことで。北岡が自分でやろうというのは凄いことです。本当に凄い、ホントに凄いです。凄いとしか言えないですが(苦笑)」

──パンクラスでプロデビューをしてから24年が過ぎ、年齢としても45歳になりました。今も近藤選手がケージに入り続けるのは、単刀直入になぜなのですか。

「そうですね……本当に自分でもその明確な理由が分からないんです。戦いたいから……やりたいから試合に出ている。それが一番かと思います」

──これだけの実績を誇りながら、いわば皆から尊敬を集めてはいるもののイベントの中で主役ではなくワン・オブ・ゼムとして戦い続ける。失礼な言い方かもしれないですが、特にスポットが当たるわけでもない試合順であったり、戦うことを実生活のビジネスに生かすということでもない。それを想うと、MMAはあまりにも過酷だと思うのですが、それでも打撃有りのMMAに拘る理由を教えていただけますか。

「最初に格闘技をやりたい、戦いたいと思った時に──何でも有り、制限がなるべくない戦いが良いと思いました。そういうモノがやりたいと。だから……ですかね(微笑)」

──同年代のMMAファイターの多くが一線を引き、柔術などを嗜むようになることが多いですが。

「う~ん、自分はそうはならなかった……ですね。戦える限り、MMAを戦い続けたい。おかげさまで元気いっぱいやらせてもらっているので、続いているという感じですね。ところどころケガもありましたが、ありがたいことに治って続けられることができています」

──MMAを戦い続ける。その気持ちは勝ちたいという想いとイコールなのでしょうか。

「それで言うと、もちろん勝ちたいです。勝ちたいのですが、戦いたいという気持ちの方が強いです。そっちですね」

──そのためには若い連中に混ざって、ハードなトレーニングをこなさないといけないです。

「そうですね。仕事があるのでプロ練は水曜日の昼だけで、あとは夕方からのクラスで一緒にやらせてもらって。今は戦いたくてやっているというのを、以前よりも感じています。いや……やりたくてやっているというのは若い頃から変わらないですね(微笑)。

運よく戦績も残せて、注目の集まるところでも戦わせてもらい、メディアでも紹介とかしてもらってきましたけど、根本としてあの頃も今もやりたいからやっているという部分は変わりないです」

──105試合です。これまで戦ってきた数は。

「あっ、そうですか。有難いことです」

──有難いというか、ほとんどない記録です。

「独り身ですし、田舎の家族は呆れています(笑)。やはり『そろそろ、どうなんだ?』というのは言われますけど、そこはもう聞く耳を持っていないです」

──年齢とともに戦い方も変わってきたと思います。あの当て勘の良さと勢いのある打撃から、地道な作業……攻撃をもらわず工夫して戦うという風に。

「それを言うとバッバッバッというのを忘れていた面があるので、また思い出して戦いたいと思います。日々の練習のなかで、自然と変わってきて──あの戦い方を忘れてしまっていました。

なぜ戦い方が変わったのか、その答えは出てこないです。出てこないですけど、自分なかで楽をしようと思っている部分があるのかもしれないですね」

──いえ間合いを図り、タイミングを考えてしっかりと戦うことは決して楽ではないと思います。

「続けてくるなかで、持っていなかったことができるようになったというのはあります。でも、同時にそれをすることで自分の悪い癖とかも出てきて、何かを失ったのかと思います。だから、またバッバッというのを取り戻したいというのはありますね」

──一時期、3分3Rを戦うこともありました。

「3分✖3Rは早いですね。ただ、そこまで深く考えずに戦って……アッという間でした(笑)。でも組んでもらっていることが本当に有難いことなので」

──では試合に向けて仕上がり具合の方は(※インタビューは22日に行われた)いかがですか。

「本当に皆と良い練習をさせてもらっているので、仕上がりは良いです。MMAのスパーリング、ミット打ち、色々なクラスに出させてもらっているので、クラスに出る毎に勉強になっています。

傍から見ていると定かではないでしょうが(笑)、自分では成長していると感じています。そうですね、成長をさせてもらっています」

──では対戦相手の餅瓶太選手、どのような選手だと考えていますか。

「トータルでできるのですが、組み技の方が得意かと思います。組みが強いですね」

──対して、近藤選手の採るべき手段は?

「あまりフットワークを使うとかは考えていないです。組まれても、そこで上回るモノを出したいと思います」

──今回は無観客でライブ配信がされる大会です。どのような試合を視聴してほしいですか。

「熱い戦いです。皆のおかげで良い仕上がりなので、この仕上がりだからできる動きを見て欲しいです。やりたくてやっているというのは若い頃から変わらないですね」

──勝手な想いなのですが、『45歳でも頑張っているな』とかでなく、『近藤、スゲェな』と思ってしまう試合を期待しています。

「なんか、今、凄く嬉しいです(微笑)。ありがとうございます。頑張ります。この試合だけでなく、これからも頑張ります。変わらずやり続けます」

■iSMOS01計量結果

<71キロ契約/5分3R>
北岡悟:71.35キロ
小金翔:71.35キロ

<78キロ契約/5分3R>
近藤有己:77.9キロ
餅瓶太:77.8キロ

<61キロ契約/5分3R>
大井洋一:61.25キロ
矢澤諒:61.35キロ

<73キロ契約/5分3R>
友實竜也:73.15キロ
木村裕斗:72.7キロ

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