【KSW53】動きの悪いパークをガムロがボクシングで圧倒し、TKO勝利。勝者はマイクで謝罪を要求……
<71.8キロ契約/5分5R>
マテウス・ガムロ(ポーランド)
Def.3R3分02秒by TKO
ノーマン・パーク(英国)
パークの体重オーバーで、ライト級王座統一戦からノンタイトルの5分✖5R戦となった因縁の決着戦。タッチグローブ無しで右ストレートを見せたガムロ。サウスポーのパークは右ジャブを伸ばす。距離は近いが、慎重な立ち上がりの両者──5R戦を考えてのことか。ガムロが右アッパー、左ジャブを当て、さらに右を伸ばす。パークは左ロー、ガムロは右を繰り出す。右ジャブに続く左ストレートをブロックしたガムロは、逆に左ジャブから右を狙う。
右ジャブをダブルで当てたガムロ、さらにシングルレッグもパークが切る。それでもガムロはボディを決めるなど、攻勢のままラウンドも最終版に。手数、反応とともにパークの動きの悪さが気になる初回だった。
2R、ガムロが右を当て、パークが左アッパーを打ち返す。手数はガムロが変わらず多く、ショートアッパー、さらに右縦ヒジを滑らせる。右目じりをカットしたパークは、右から左を見せて前に出る。さらに右オーバーハンドから左フックを放つパークに、ガムロはエルボーを顔面に、ボディに右を入れる。
パンチの精度が以前よりずっと上がっているガムロは、ジャブからダーティボクシングでアッパーを連打する。ここでパークがアイポークがあったとアピール、ガムロは親指で目を突くという現状ではまるで必要のない反則を犯している。再開後、豪快な右フックを入れたガムロが、続いて右ストレートをヒットさせる。ペースを上げたガムロは、パークの左をバックステップでかわすと、再びアッパー、さらにヒザを突き上げる。ラウンド終了間際の左も空振りに終わったパークは、連続でラウドを落とした。
3R、ガムロは右ストレート、パークは左を空振りする。スイッチしたガムロのテイクダウン狙いを切ったパークは、オーソから右ストレートを被弾。右フックに続き左ストレートをヒットしたガムロが、右アッパーを決める。右目じりをカットし、左目が腫れあがるパークはパンチの距離が合わない。対してガムロはボディ、顔面にエルボー、そしてアッパーと余裕で攻撃を散らしていく。
ボディ、アッパーを続け、右ヒジからパンチを纏めると、レフェリーがドクターチェックを要請。試合はここで終わり、ガムロはパークの握手を拒否し何やらマイクで話すように要求する。
コロナ禍の影響かパークの動きが悪すぎたが、ガムロのボクシングの上達は明白で完勝といえる内容だった。勝者コール後にガムロは「チームと家族に謝れ」と言って、マイクをパークに渡す。「何て言えば良いか、言い訳はしない。ゲームプランが実行できなかった。100パーセント彼をリスペクトしている。他意はなかったけど、マテウスのチームと家族にこれまでのことを謝罪をする」と話したパーク。
敗者に鞭打つような言動ではあったが、パークと握手を交わしたガムロは、「毎日、50分間バックを殴っていた。簡単な試合だった。ヤツの顔を見れば分かるだろう。もう戦争は終わった。ケージ外では対戦相手を尊敬しているけど、家族のことを言われると別だ。喧嘩ファイトにならず申し訳なかった。2、3発しかパンチを貰わなかったからね。今後、レスリングで五輪に出るのが夢だ。少しでも早くケージからリタイアしたい」と話した。