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【Shooto2020#03】暫定バンタム級王座決定戦で倉本一真と対戦、岡田遼─01─「ATTで世界との差を──」

【写真】一途だが、純粋ではなく──常識人だが、わきまえていないところが岡田の良さ (C)MMAPLANET

31日(日)に会場非公開のABEMAテレビマッチとして開催されるProfessional Shooto2020 Vol.3 。同大会のメインで現修斗環太平洋バンタム級チャンピオンの岡田遼が、倉本一真と暫定世界バンタム級王座を賭けて戦う。

修斗の出木杉君は、強くなることに関しては傲慢だ。そして一途でもある。倉本との世界戦に向け、ATTで過ごした1カ月をまず岡田遼に話してもらった。


──待望のプロ修斗暫定世界王座決定戦が迫ってきました。この間、世の中は大変な状況に陥っていますがタイトル戦はいつ頃決まったのでしょうか。

「5月のこの時期に世界戦があるというのは環太平洋王座の防衛戦が終わってすぐに内々に聞いていました。ただ暫定で倉本選手と戦うのは1月の後半に決まった感じでしたね」

──では岡田選手のなかでは、当初は佐藤将光選手に挑戦する腹積もりだったのですか。

「暫定で倉本選手と戦うと聞かされるまでは、佐藤選手に挑戦するんだと思っていました。それもあって、米国へ練習に行こうと……。僕としては佐藤選手がベルトを返上しないのは防衛戦をする気持ちがあるのかなとか考えていて。でも僕が佐藤選手の立場だったら、ONEで連勝してタイトル挑戦も見えてきたのに……『うるせぇ、黙っていろ』ってなりますよね(苦笑)」

──アハハハ。そうなりますよね。ところで安藤達也選手と戦う前にONEに行きたいと言っていた岡田選手ですし、ここは正規王座が欲しいところですか。

「僕、ONEに行きたいって言っていましたっけ? いやぁ、あの頃はそういう気持ちだったのかもしれないですが、今は……UFCに行きたいです。ATTの練習を経験して、そう強く思うようになりました」

──あぁ、それは良かったです……ラカイに行かなくて。

「アッハハハハ。いや、あの時はスミマセンでした。鶴屋さんが僕が海外で練習したいと言っていたから、高島さんに連絡して相談に乗ってもらって……」

──バギオの高地で、ケビン・ベリンゴンやスティーブ・ローマンと練習すればと。

「ホント、スミマセン。僕は米国でUFCファイターに触れたくて……どうしても」

──いえいえ、自分としては気になっているのが懐具合だったので。鶴屋さんならともかく……米国に行くと金が掛かるからアジアの方が良くないですかと返答させてもらって。米国に行けるのであれば、米国が一番です。

(C)RYO OKADA

「世界のトップと自分にはどれぐらいの差があるのか、単純にそれを知りたかったんです。で2月から3月の最初にかけて1カ月間、ATTに行ってきました」

──差を知ることはできましたか。

「完全に……1カ月の練習が、日本の1年分ぐらいに感じました。皆、同じことをやってくるんです。ATTのプレーモデルのようなモノがあって。壁、ボトムになった時のスクランブル、がぶられた場合、バック取られた時の崩し方とか、皆同じ反応で迷いがない。

僕は考えてしまうんです。そういう局面になると。そこに明確な差がありました。技術の精度、練られている練度に『ここまで差があるのか』と感じました。でも、UFCと日本の試合のクオリティを考えると当たり前のことだったんですよね……」

──う~む……。

「スパーリングの時も、ATTのコーチの判断でUFCのトップどころとはなかなか交わらせてもらえないんです。それが僕の実力なんだと……僕はTitan FCのチャンピオン達とやらせてもらうような感じでした」

──修斗環太平洋王者がTitan FC王者クラスと。あのう……。

「分かります。それが当然ですよね。悔しかったですけど、実力差が明白だから受け止めるしかないです。ただ、そんななかでもアレッシャンドリ・パントージャとやらせてもらったことがあって、『扇久保さん、すげぇなぁ。コイツに勝ったのかよ』って(笑)。

それとハニ・ヤヒーラは結構相手をしてくれたのですが、金原選手と田中選手の凄さが理解できました。ハニ・ヤヒーラに極められないことがどれだけのことか……堀口選手もヤヒーラにはやられちゃうって言っていましたし。もちろん、俺はボコボコにされました。よく金原選手と田中選手は、ヤヒーラとやって極められないで3R戦い抜けたなと尊敬します。

それに金原選手はボディを効かせていたし、田中選手が肩固めを耐えていたんですけど、『なんで、この極め力の強い選手から逃げることができたんだ』って本当に心の底から思いましたよ(苦笑)」

──試合と練習の違いはあるかと思いますが……。

「いやぁ、でもホントに極め力がありました」

──いずれにせよ、素晴らしい経験ができましたね。

(C)RYO OKADA

「1カ月間、マイク・ブラウンや他のコーチが指導してくれたことを日記に書き残しているので、帰国してからも内藤弟と反復練習しています。正直、もう一度行きたいです。そして皆で共有するとパラエストラ千葉ネット自体が強くなれると思います」

──3月に帰国し、世の中が一気に変わりました。

「そうですね……ATTも帰国してすぐに全館休館になり、もう少し帰国が遅いと僕も自主隔離とか必要になるところでした」

──不要不急の濃厚接触を避ける世の中で空気です。

「ハイ。でも試合が決まっていたので。さすがに出稽古はできないですが、鶴屋さんもジムは閉めても『お前はやれ』と言ってくれて、僕のために少人数で徹底して倉本戦に向けて練習してきました。扇久保さん、神田コウヤ、鶴屋さんのところの怜君と徹底して……」

──完全にレスラー対策メンバーですね。

「ハイ。でも、この状況でMMAの練習をするということには迷いはありました。こんなことをしていて良いのか、と」

──岡田選手は一般的には常識派ですから。

「それでも、試合があるなら格闘家は練習するのが当然です。なので、この試合が発表されてからは吹っ切っています。チャンピオンシップなんだから、水抜きするのも当たり前だし」

<この項、続く>

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