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【Gladiator012】グラジ・バンタム級チャンプ竹本啓哉のグラップリング愛─01─「バックを信頼している」

Takemoto【写真】ちょっと……いやかなり変わり者。だからこそ──のMMAの戦い方といえる(C)MMAPLANET

2月23日(日)に大阪市東成区の東成区民センターで開催されたGladiator012。そのメインで竹本啓哉が、神田周一を判定で破りグラジエイター・バンタム級王座に輝いた。

今やMMA絶滅危惧種といえる完全グラップラータイプの竹本は、3Rとも神田からバックを奪取だけでなくキープを下ことで試合を有利に進めた。グラップリング愛溢れるMMAファイター、新グラジエイター・バンタム級チャンピオンは大会終了直後のインタビューで、その組み技に対して愛溢れる言葉を発し続けた。


──タイトル奪取、おめでとうございます。今の気持ちを教えてください。

「ホッとしています。安心できました。試合に向けて、計量までは正直なところ計量のことしか考えていないのですが、そこを乗り越えると『負けたらどうしよう……』という気持ちと、『勝ったら、こんなに楽しいことはない』という想いが何度も交錯するんです。

最終的には何も考えないようにしているのですが、その直前まではやはり負けた時のことがずっと頭にあります。だから勝ててホッとしています」

──3Rともバックグラブを取り、竹本選手がやるべきことをやりきった試合でした。

「いやぁ、常にフィニッシュを狙っているというのがあるので。その結果として判定決着が存在しているのですが、今日の試合で取り切れなかったのは神田君がしっかりと対策をしてきてくれたからだと思います。判定にしてしまったという気持ちは多少ありますが、勝てたことは嬉しいです」

──初回と2Rはバックをキープし続けることがでました。現代MMAは打撃を効かさない選手が、グラップリングだけで背中を取ることも、そして取り続けることも簡単ではない技術体系になっていると思います。

Takemoto 01「現代MMAにはそぐわないのかもしれないですが、僕はバックというポジションを評価しています。バックは相手と向き合っていないです。だから一方的にアタックできるポジションです。

バックを取ることは自信もありますし、頼っているわけではないですが、バック・ポジションに関しては信じて戦っています」

──そのバック奪取のバリエーションも増え、そして精度も上がったのではないでしょうか。

「バックに関しては日々、研鑽しています。今ではバックをとっても向きあえる人が多いのですが、僕にとっては……えぇと、これは戦略的な部分で……これから戦う人に知られたくないのですが、僕にはバックからトランジットできる技がたくさんあります」

──おぉ、言い切ってしまいましたね(笑)。

「ハイ(笑)。トランジットできる技が多いので、それらの技を散らして、相手の意識を逃げる方向に持っていかせる。その結果として……バックを取っていて反応してくる選手に対し、バックを取り続けることができる。だから僕はバックキープに長けているのではなくて、バックからの展開が多い選手だと自分では思っています」

──これも手の内を話してもらうことになってしまうかもしれないですが、トライアングル・フックは一般的にはやや乗り過ぎて、首は取りにくい選手もいて、しっかりと動きを止めるという印象が強いです。でも竹本選手はそこからのオプションを多く持っているということなのですね。

Takamoto 02「あぁ、分かります。グラップリングを軸にして、四の字フックを考えるとそうなります」

──移行する技も腕十字に限られてくるような。

「そうですね。それもグラップリングを中心にした四の字フックの定義です。でも、僕が戦っているのはMMAなんです。四の字フックから打撃がある。特にヒジ打ちを考えると、かなり危険なポジションで攻め手も多くなります。

Takemoto 03まぁ、色々なことを言いましたがキープに便利なんです(笑)。ただし、さっきも言ったように──そこから逃げてくる選手に対して、僕は色々と持っています。バック&チョーク、バック&アームロックは凄く相性が良いと思います。この2つで考えると、幅はもっと広がります。

だからこそ、最終回に上を取り返されたという部分では課題が残る試合でもありました」

──最後は下で終わったことが、ですね。

「完全決着を考えると、アレはダメです。接戦でも下で終わると……どう判断されるのか分からない。だから僕自身、1Rと2Rを取っているから、あそこで下になっても逃げきれるとかっていう気持ちはなかったです。

下からでも極めにいくつもりでした。でも神田君に凄くしっかりとしたパンチを落とされて、とりあえず凌ごうと……。そこからラバーガードから作っていこうかとも考えましたが、それには時間が足りない。

正直いって、最後の方は判定のことを考えて逃げ切ってやれという風になっていました。これは無理だ、一本は取れんって思って(笑)」

──竹本選手は聞かれもしないのに前言撤回し、最後は自分でオチを創るという話法なのですね(笑)。

「スミマセン。根は正直な人間なもんで(笑)」

──アハハハ。でも勝ち切っていますからね。これでALIVEは修斗、パンクラス、HEAT、Grachan、Grandに続き、グラジエイターのベルトを持つファイターが誕生しました。TKOや戦極もあり、中部のベルトコレクターに協力できましたね。

「ベルトコレクターに喜んでもらうために頑張っています(苦笑)。でも、格闘技って自己満足でやっているのでベルトを獲ることで喜んでくれる人がいるなら、本当に嬉しいです。好きなことをやって、人に喜んでもらえるっていうことは……」

<この項、続く

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