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【ONE】3月度・大沢ケンジのONE勝手にランキング─02─「東南アジアが弱いなんて、もう一切ない」

Zamboanga【写真】1997年1月生まれ、23歳になったばかりのデニス・ザンボアンガ。日本がアジア一の頃など、知らない世代だ (C)

昨日に発表された2020年3月1日付ONE Championship非公認・大沢ケンジ監修非公式ランキング。

大沢ケンジの独断と偏見と、ONEを盛り上げたい気持ちから作成されているランキング──2020年3月1日付ランキングが、日本人選手も関係しランキングの核の部分で変動が見られた女子2階級について語ってもらった。

<大沢ケンジ2020年3月度ONE勝手にランキングPart.01はコチラから>


──重量級へのクールな反応から、ホットになること間違いない女子の2階級。まずはアトム級ですが、山口芽生選手がデニス・ザンボアンガに敗れてしまいました。

【女子アトム】
C アンジェラ・リー(米国)→
1 シィォン・ヂィンナン(中国)→
2 スタンプ・フェアテックス(タイ))→
3 デニス・ザンボアンガ(フィリピン)↑
4 ジナ・イニオン(フィリピン)↓
5 モン・ボー(中国)→
6 山口芽生(日本)↓
7 ジヒン・ラズワン(マレーシア)→
8 プリシラ・ガオール(インドネシア)→
9 平田樹(日本)RE rank in
10リトゥ・フォーガット(インド)Re rank in

Mei「いやぁ、ザンボアンガ……強い、コイツ。もう一気にトップ3ですよ。前の試合も良かったし、試合前からメイはキツイって思っていたんです。打撃があり、寝技も極め極めで。でもレスリングは抜けているので、メイがテイクダウンできればといけるとも考えていたのですが、そこの部分で反応していましたしね。

下にされても草刈りでひっくり返そうとしたり、思った以上にウェルラウンダーでした。そう考えると、ザンボアンガに自分の方からテイクダウンできる力があるのかが気になります」

──昨年12月のONE初戦では対戦相手のジヒン・ラズワンが引き込み傾向ではありましたが、テイクダウンを仕掛けていました。

「四つ組以外のテイクダウンがあるのか、ですね。いやぁ、女子アトム級面白くなりそうです。でもフェアテックス所属ということは、スタンプと同門ですよね?」

──スタンプの寝技の成長の陰にはザンボアンガ有りということのようです。

「えぇ!! なんだぁ、そうなのですね。で、もうアンジェラに挑戦が決まったと。打撃はザンボアンガが上ですよね。テイクダウンはアンジェラか。でも、お互いが四つっぽくて下から入れないから……いやぁ、でも面白いですよ」

──逆に敗れた山口選手の今後に関しては?

「なかなかチャンスが回って来なくて、こうなった。ちょっと可哀そうだなって……。ステッピングボードにされた形ですよね。気の毒です。猿田(洋祐)や内藤のび太と同じように同じ相手と2度戦うと、次はなかなか巡って来ない。だからONEという場所は2度のチャンスで何とかしないといけない場所なんでしょうね。まぁ、しょうがないです。メイは残念だけど、ザンボアンガが強いということです」

──平田選手とフォーガットも再びランクインしました。

Litu「リトゥに関してはレスリングはできる。打撃はこれからですね。

レスリング一家だし、気持ちも強そうです。レスラーがONEの女子にはいなかったところに彼女が入ってきて、他の選手が低いところの組みに対応できるのか。まだトータルで見て上位の選手とは勝負できないというのが大方の見方ですが、下の組みがないONE女子の特徴を考えると、組みだけでもいける可能性もあります。レスリングだけで、テイクダウンして上から殴るという戦い方で。

腰の軽い印象が多い選手たちも、下になったときにどういう仕掛けがあるのか。そういう部分も含め女子アトム級は新たなフェーズに入ったかもしれないです」

──平田選手に関しては?

Hirata「平田さんは凄く良かったです。打撃はまだですが、しっかりと組んで上を取って。攻撃的だし、気持ちという部分でも面白いです」

──このキャリアで、ああいう振る舞いができる日本人選手は初めて見ました。

「絶対に強くなりますよ。ああいうメンタルの人って。どんどん勝負をしにいくし、打撃は穴があるけど……まだデビューして3試合だけですからね。今後に期待できるから、9位としました」

──では三浦選手が、ここで勝てばタイトル挑戦かという試合で敗れてしまった女子ストロー級です。

【女子ストロー級】
C シィオン・ヂィンナン(中国)→
1 ミッシェル・ニコリニ(ブラジル)→
2 アンジェラ・リー(米国)→
3 ティファニー・テオ(シンガポール)↑
4 三浦彩佳(日本)↓
5 ハイアニ・バストス(ブラジル)→
6 マイラ・マザール(ブラジル))→
7 サマラ・サントス(ブラジル))→
8 ラウラ・バリン(アルゼンチン)→

Teo「長南とも話したんですが、彼もテオがミッシェル・ニコリニの寝技から逃げたといっても三浦さんの形になれば極められると踏んでいたようです。三浦さん自身も自信があった。

でも、テオは逃げましたね。三浦さんに対する戦い方がしっかりとできていて。引きながら当てて、無理して距離をつめない。頭の良い、強い選手でした」

──山口選手、三浦選手、ともに東南アジアの選手に負けた。女子ももう日本にマージンはないのかと思うと、ショッキングな2敗でした。

「あっ、僕はもうそこはないです。国によって力の差はないし、ONEでも日本の特別感はない。追いつかれたことは、当然として受け入れています。現場の人間として、そこを受け入れないと戦えないです」

──となると、日本の女子選手もONEに挑戦してほしくなりますね。

「そうですね、強い選手には挑戦してほしいです。東南アジアの選手が弱いなんて、もう一切ないですよ。だってマレーシアからアギラン・タニが出てきているんですよ。あの国にはケアヌ・ズッパもいる。もう東南アジアだからなんて、もうないですよ」

──イヴォルブMMA、バリMMA、タイガームエタイ、フェアテックスとボーダレスの練習環境が東南アジアには存在します。

Miura「そう。だから新しい選手ほど、東南アジアを下に見る傾向なんてないと思います。僕らの方が昔の感覚を持っていただけで。

そんななかだからこそ、三浦選手もアレしかないというところからどうなっていくのか。やはり一遍突破は良い面と悪い面がある。あの形に強引にでも持っていけるのは凄いです。でも、凌がれた時という問題も露呈しました。その一点を磨くのか、幅を広げるのか──ということですね。

本当にどの階級も厚くなり、熱くなってきましたね。本当に面白くなりそうです」

<この項、続く

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