【ONE107】クォン・ウォンイルと対戦、佐藤将光の空白の1週間─01─「僕の中では苦手意識のある選手」
【写真】クォン・ウォンイル戦に向け、紆余曲折があった佐藤将光。その影響はなさそうだ (C)MMAPLANET
31日(金・現地時間)にフィリピンはメトロマニラのパサイ・シティ、MOAアリーナで開催されるONE107「Fire & Fury」で佐藤将光がクォン・ウォンイルと対戦する。
昨年5月のONE初陣、10月の日本大会と2試合連続でTKO勝ちを収めている佐藤をAbema TVのドキュメンタリー番組=「THE WONDER」が追った。
佐藤の職場や自らが開いたFIGHT BASEでの練習で佐藤に内面に迫る同プログラム内で、MMAPLANETではクォン・ウォンイル戦に集約して話を訊いた。そのためには彼の心境を知る上で、実現しなかったもう1つの試合について尋ねないという選択肢はなかった。
──クォン・ウォンイル戦が近づいていますが、試合が決まってからも紆余曲折があり集中できなかったこともあるかと。
「まぁ、そうですね。クォン・ウォンイル戦が決まってから……別の話がきて。僕はすぐにOKしたのですが、先方の答を待っていたので、そおn待ち時間は落ち着かない心境ではありました。1月2日から、1週間ほどですかね」
──結論として、その話はなくなったのですが落ち着かなかったですか。そういう感情の起伏は、試合前の選手には余りないものかと。
「そうですね、その話を貰った時はスポンサーさん達がマニラ行きの飛行機をもう取っていたはずなので、そこが一番気になっていた感じです。僕としてはそのオファーがあることは、ONEが選んだことですし──なぜ、そうなったのかは分からないですけど、ONEが判断したことなので評価されていると思いました」
──そこと直接結びつくものではないかもしれないですが、記者の立場でもハファエル・シウバの試合を評価した人物がONEにいたということが嬉しかったです。
「日本大会の会見後でもチャトリさんは、猿田選手を評価していて僕のことをそれほど気にしていなかったですよね(笑)。まぁ、猿田選手はONEでもチャンピオンだったから、注目されていたでしょうし。ただ副代表のマット・ヒュームさんには試合後に『良い試合だった』と言ってもらえました」
──ハファエル・シウバに勝利したことは、もっともっと評価されてしかりだと思います。
「そうやって言ってもらえると、すげぇ嬉しいです(笑)。試合前も貧乏くじだって言っていましたよね。そこも、ひっくり返せばそれだけ大きいということなので」
──ハイ。宝くじに変えたと思います。だから次の試合がクォン・ウォンイル戦という発表を聞いて「そこなのか」と(苦笑)。
「フェザー級から転向してくる選手だと聞いて、僕自身もなんとも言えなかったですね。ただ、世界挑戦までもう1試合挟めってことなんだと理解しています。世界王座に挑戦するときは、ONEのファンが僕のことを認知して『次はコイツでしょ』となってからやったほうがめちゃくちゃ盛り上がると思うので。そうなってから挑戦した方が、ファンも感情移入できますしね。
アジアでONEを見ている人はハファエル・シウバよりも、マーク・アベラルドを倒したヤツっていう認識だと思いますし。もうちょっと、その認知度を高めていくために1試合、1試合勝てばよいということで、気持ちを作っていました」
──しかし、×××××との試合がなくなった時の想いは?
「なぜ、実現しなかったのか理由を知りたかったです」
──クォン・ウォンイルとの試合に向けて、再び集中させる必要があったでしょうし、落ち込むことはなかったですか。
「その日だけですね。応援してくれる人たちに連絡しないといけないなって(苦笑)。キャンセルしてもらったけど、やっぱりマニラになりました、と……(苦笑)。そこが一番、気持ち的にしんどかったです。僕の試合に対するモチベーション云々よりも」
──では空間の7日間の練習内容とは?
「もう✖✖✖✖✖対策でしたね(笑)。決定と思っていたので」
──今回はAbema TVの映像も撮影していますが、P音が入りまくりの動画になりますね(笑)。
「アハハハ。でも唇の動きで分かりますよね(笑)」
──スタイルも全然違いますし。その1週間が無駄になりました。
「ない方が良かったですけど、しょうがないので。そこを引きずるより、動いた方が自分のためですし」
──立派な心掛けです。改めてクォン・ウォンイルについての印象を教えてもらえますか。
「ハイ、もともとクォン・ウォンイルってバンタム級で実績がないし、日本人選手には負けている。それ以外の試合はKOで勝ちまくっていて嫌だなぁと思っていたんです。そこに✖✖✖✖✖戦のオファーがあって、僕は自分よりリーチの短い相手との戦いが体に染みついているので良かったと感じていたました。それがまたクォン・ウォンイルに戻って、『やっぱり、アイツとやらないといけなのか』とは思いました」
──つまりは……。
「僕のなかで苦手意識がある選手です」
──1階級上で右ストレートでKOし、松嶋選手との試合でもヒザ蹴りやローが良かった。そこに関してはどのように捉えていますか。
「1階級上だからというのは、特にないです。一番参考になるのは松嶋選手との試合です。他は秒殺が多くて、相手の戦い方も見えないので。もともとのイメージが松嶋選手との試合だったので、リーチが長くて打撃が上手い。打撃のパワーはあると思いますが、力はそれほどない。1階級上とかではなくて、タイプとして嫌ですね。
モーションがあまりないパンチで、返しの左フックがくる。全てが倒す攻撃で、捨てパンチではなく仕留める打撃。注意するのはヒザ蹴りもそうだし、やはり右ストレートとフックですね」
<この項、続く>