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【NEXUS18】山田峻平代表に訊く、ネクサスって何─02─「韓国に続き香港、モンゴル、ロシアと」

Yamada san【写真】日本ほど多岐に渡るMMAイベントが数多く開催される国はない。そんなJ-MMAの現状に目をやったプロモーション活動を山田代表は行っている (C)NEXUS

24日(日)に東京都新宿区のGENスポーツアカデミーでNEXUS18 を主宰する山田峻平代表インタビュー第2弾。

J-MMA界、第四の極を目指すネクサスに活動について、さらに話を掘り下げてもらうと……ここにも好きなことをして、家庭を壊した──羨ましい人が存在した。

<山田峻平NEXUS代表インタビューPart.01はコチラから>


──つまり会場にはリクリエーションの一環として足を運んでほしいということですね。

「はい。だから、既存のプロモーションと肩を並べるとかそういう気持ちではないです。今の位置を全うしようと思います。今の日本のMMA界、選手が行きたい先はRIZIN、ONE、UFCです。UFCはもう現実離れ感がありますが……。いずれにせよ、この3つの大会まで進めることができる選手は、アマチュアでMMAを始めた人のなかで何パーセントいるのかと。恐らく99パーセントの選手が、この3つの大会で試合をすることはできないです。

だからこそ、この3つに進むことを目標としないプロの試合があっても良いと思います。UFCのチャンピオンをゴールにする選手もいれば、アマチュアで1試合戦うことをゴールとする人もMMA界にはいます。ゴールの設定は数々ある。UFCを目指す選手ではない人たちのゴールをネクサスで創らせてもらいたいと思っています。

ネクサスに出ている選手たちはDEEP、修斗、パンクラスよりもアマチュア修斗、JMMAFの方がレベルは近い。そのなかで煽り映像があって、入場曲もあるネクサスで出てみたいというゴールを持つ選手がいれば、それを叶えて欲しいです。僕はその手伝いをさせてもらいたい」

──あぁ、それは10年以上前に自分が関西のPower Gateに共感した部分です。身の丈にあったMMA大会。練習の成果を発揮する大会ですね。と同時にパワーゲートにそういう魅力を感じたのは、当時は世界一を目指すような選手ばかりがプロという舞台に立っていたからです。ただし、今は首都圏でもネクサス以外にZST、グラチャンあり修斗、パンクラス、DEEPでも、練習の成果を披露するための選手の試合が組まれています。

「だから選手がいないという声が漏れ伝わってくるのは、僕は違和感を持っています。次の大会もネクサスでは53試合組む予定です」

──!!

「午前11時開始、午後8時半撤収です。階層分けはしています。メインは10試合、アマチュアやジュニアの試合も組んでいますし、幼稚園児から中学3年生までのジュニアだけの大会も開いているんです。そこを卒業した選手が、次はアマチュアの試合に進むようなプラットフォームになっています。

プロ大会でジュニアの試合に出る子供たちには1000円ほどお小遣いをあげているんです。そこで負けると、ジュニアの大会でまた勝つまでプロ大会での試合は組まない。でも、そこまではお客さんです。

高校生になってプロになりたいという意識を持ち、アマチュアの試合に出るなら参加費を払ってもらっています。ジュニアの全日本は150人ぐらい集まります。驚くほど強い子がいます。関西では生駒(純司)さんと北川(純)さんがキッズ修斗を頑張られていて、関東もようやく盛り上がってきました」

──プロのルールはユニファイドですね。

「ハイ。基本的にパンクラスに準じています。僕は梅木(良則)さんが日本一だと思っているので、梅木さんにルールもお願いしています。ネクサスを卒業する選手たち、基本的に自身とジムの意思に選択は任せていますが、相談されると僕は『パンクラスは?』とは言っています」

──韓国のTOP FCとの関係はどうなっているのですか。

「パートナーシップを結び、今はTOPの方が1年ほどイベントを開けていない状況ですが、なら韓国の選手をネクサスに呼んで日本人選手に国際戦を経験してもらおうと考えています。日本人同士だと、情報のない相手と戦うってないと思うんです。そういう経験をしてもらうことで強くなってもらえるのではないかと。

トップFCのチャンピオクラスはUFCへ行ってもおかしくないです。そういう選手と戦う、そんな経験をしてもらっても良いかと。これからは韓国だけでなく香港、モンゴル、ロシアとの付き合いも増えてくるので、そういうところとアライアンスを組んで選手の交流を図りたいですね」

──そんな大がかりなプランもあるのですかっ!!

「なのでネクサスの選手で強くなれば、ウチのベルトを狙う、国内で他の団体で戦う、そして海外に出ていく。この3つの選択肢を持てるようにしていきたいです」

──3本の矢計画、実現に期待しています。

「ハイ。そこで選手の選択を尊重していきます。いや、楽しいですよ。自分のビジネスで出した利益をネクサスに回して。選手が喜んでくれて、強くなるファイターが出てくる」

──ご家族の反応は?

「いや、それで離婚しました(笑)」

──青木真也選手、ここにもいました(笑)。『お前ら、羨ましいだろう』といえる格闘技人が。

「いや、本当に楽しいですよ。好き勝手やっていますから。完全に自己満足です。だからネクサスを巣立っていった選手が、他の団体で活躍すると本当に嬉しい。それを誰かに話して嬉しいとかでなく、雑賀ヤン坊達也がパンクラスで勝ち、渡部修斗がDEEPで勝つ……ただ僕が嬉しいんです。それこそが、やりたかったことなので」

──今回、山田代表に話を伺ううえでネクサスについて調べたら記録や映像が残っている。団体としてしっかりしているなと感じました。トーナメント戦に関しても、しっかりと団体から発信ができていたことを知りました。

「映像を流すことも広告です。そこは疎かにしてはいけない。情報発信はSNSも拡散も含めて、力を入れないといけない部分です」

──そういう姿勢を持たれているからこそパンクラス、DEEP、修斗に出ている選手からネクサスで戦ってみたいという声は届きませんか。キャリアの再構築を図りたいと。

「そこはあります。DEEPで戦っていた高橋憲次郎選手がケガをして2年間試合に出られていなかったのですが、GENスポーツパレス大会に出場します。対戦相手は北海道PFCのエース、遠藤来生選手で。次の大会は片平なぎさ選手や大石真丈選手という他の団体で戦ってきた選手たちも出場します」

<この項、続く

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