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【TORAO24】福岡で修斗環太平洋王座に挑む、田村ヒビキ─01─「首都圏や関西の選手に引けを取らない」

Hibiki Tamura【写真】電話取材を行った日は、カルペディエム久留米で指導中だった田村(C)YUKINARI TAMURA

16日(日)、福岡県北九州市の小倉北体育館で闘裸男24 Direction of the Cage03が開催される。中国・四国、九州地方でプロ修斗公式戦を行うTorao Nation Stateが昨年6月の山口県周南市大会に続き、今回は北九州でケージを使用した大会を行う。

そのメインで、闘裸男念願のタイトルマッチが組まれた。そして大阪から福岡に移り住んで2年半になる田村ヒビキが、そのタイトルマッチ=修斗環太平洋ウェルター級王座決定戦でソーキと対戦することになった。

カリフォルニア、ロシア、そしてタイでの試合経験もある38歳のベテランファイターが、九州での修斗のタイトルマッチに向けてどのような想いでいるのか──を尋ねた。


──日曜日に環太平洋ウェルター級王座決定戦でソーキ選手と戦う田村選手です。MMAの試合は一昨年の9月以来になります。

「そうですね、ウィル・チョープ戦以来です。ただ練習自体は普通にやってきて、去年の9月にも直前で流れてしまいましたが試合は決まっていたので、自分の中ではしっかりとMMAをやってきたつもりでいます。

大阪時代から一緒にやっていたRYOさんにも何度か、福岡の方に来てもらってチェックもしてもらってきましたし」

──闘裸男という舞台にも拘りを持たれているのでしょうか。

「福岡に来たのが2年半前で、あの頃はアブダビ・ウォリアーズに参戦中で焦点はあそこにおいていました。でも、何度も延期が続き、結局うやむやのうちに試合がなくなってしまって。その頃に福岡に引っ越してきて、どうしようかなという気持ちにはなっていたのも事実です。ただMMAから距離を置こうとか、そういうことはなかったです。

ただ福岡に来た時に修斗という頭はなくて、アブダビ・ウォリアーズに出る前にはずっとDEEPで戦っていたので、この先もDEEPかなと思っていました。

そういう時に闘裸男の山本(陽一)さんから試合のオファーをもらいました。でもDEEPで佐伯(繁)さんにお世話になっていたので、恩も感じていて最初は悩みました。そんななかで山本さんの中国、四国、九州、地方を盛り上げたいという情熱が伝わってきて……。僕もこっちに移り住んだわけだし、山本さんと話を何度かしていくなかで、闘裸男に出てみたいと思うようになりました」

──それがチョープ戦だったのですね。福岡のMMAや格闘技事情はなかなか分からないのですが、どのような状況なのですか。

「僕も2年半しかいないですが、MMAに関しては首都圏や関西より規模は小さいですね。練習の参加人数にしても、大会数にしても。でも、アマチュアから選手を見ていても光る子達はたくさんいます。試合の機会が少ないだけで、強い子たちは首都圏や関西の選手に引けを取らないかと。

それと柔術は盛り上がってきています。MMAより柔術人気の方が高いですね」

──福岡、博多といえば大都会という印象なのですが、MMAは試合機会が本当に少ないですね。

「だからこそ、こっちを盛り上げようという気持ちの人は凄い情熱を持っています。その代表が九州在住ではないですけど山本さんで。柔術も草根の活動のように皆が協力してやっています」

──今大会はリングでなくケージになります。

「それも山本さんが頑張ってくれている証明ですよね」

──そして修斗環太平洋タイトル戦です。

「チョープと戦う前はベルトとか、本当に何も考えていなかったです。正直、ベルトとは縁がない選手生活だと思っていたし。DEEPでも修斗でも何度もやり直しをしてきた選手ですからね。ただし曲りなりにも元UFCファイターで、パンクラスでもISAO選手たちと良い試合をし、PXCではタクミさんに勝っているチョープとそこそこできれば、自分の力を証明できると思っていました。

で、試合をしたら勝つことができた。あの時はまだ修斗のランキングに入っていたので、言うだけ言ってみようかとアピールしたんです。当時も今も修斗はウェルター級は動いていなかったので、ここから盛り上げられたら良いかなっていう気持ちで発言しました。

そこを山本さんが動いてくれて。それに福岡に来てから応援してくれる人たちのなかでも、タイトルマッチの機運が高まってきて。そういう期待を感じると、ベルトには興味がなかったんですけど、皆に喜んでほしくて獲りたいと思うようになりました。今は本当にその気持ちだけです」

──今もライト級のイメージが強いのですが、ウェルターの体重は田村選手にとって戦いやすいモノなのでしょうか。

「そうですね、ライト級とウェルター級を行き来していて、戦績的にはウェルター級の方が全然良くて。実際、ウェルター級としては小さいと思います。今でも問題なくライト級に落とせます。ただ、ライト級の試合の動きは練習している時と比較すると悪いと周囲からも言われてきていたんです。

なら自分も年を重ねましたし、減量をしてベストの動きができないなら、ウェルター級で挑む方がパフォーマンスも良くなる。動きはライト級の時より、ウェルター級の方が上だと自分でも思っています。もちろん相手もデカくなり、相対的にはマイナスになることもあるかもしれないですが、自分のベストを出すことを考えて、ウェルター級に決めました」

<この項、続く

■ 対戦カード

<修斗環太平洋ウェルター級選手権試合/5分3R>
田村ヒビキ(日本)
ソーキ(日本)

<ストロー級/5分3R>
本田良介(日本)
安芸柊斗(日本)

<フェザー級/5分2R>
結城大樹(日本)
有川大介(日本)

<バンタム級/5分2R>
野尻定由(日本)
堀川 55 滉介(日本)

<ライト級/5分2R>
菅原和政(日本)
久保昌弘(日本)

<フライ級/5分2R>
岡本瞬(日本)
親川龍(日本)

<フェザー級/5分2R>
野瀬翔平(日本)
一水浩二(日本)

<フェザー級/5分2R>
沖高志(日本)
倉信洋一郎(日本)

<54キロ契約/5分2R>
わっしょい内田(日本)
当真佳直(日本)

<2019年度新人王決定T1回戦ストロー級/5分2R>
大城正也(日本)
饒辺直也(日本)

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