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【Bellator222】優勢でもタフな精神戦に臨むロリマク✖一発の極め力があるネイマン・グレイシー

Bellator222【写真】4月27日のロリマク✖フィッチ戦後にフェイスオフを行っている両者 (C) BELLATOR

14日(金・現地時間)、ニューヨーク州ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで行われるBellator222「MacDonald vs Gracie」。メインはBellator世界ウェルター級選手権試合&ワールドGP準決勝=ローリー・マクドナルド✖ネイマン・グレイシーの一戦だ。


5分✖5R制のウェルター級ワールドGP、世界王者ロリマクにとっては、毎試合が防衛戦を兼ねるというMMA界初の試みだ。そして、4月のジョン・フィッチとの初戦では0-1のドロー防衛、しかもスコア的には不利な0-1という裁定でトーナメント準決勝に歩を進めてきた。

対するネイマンは戦前の予想で不利と見られていたエド・ルースを相手に4RにRNCを極めて快勝、準決勝進出と世界王座挑戦実現させた。1988年12月生まれのネイマンは、2013年9月にWSOFでプロMMAデビューを飾ったが、メジャーシーンで世界王座に挑戦するような選手になるとは決して思われてはいなかった。

MMAの祖グレイシー一族ではあるが、急激に進化したMMA──そして寝技に付き合わないスクランブルMMAという発展方法に対し、競技柔術に於いて一族最強と呼ばれたホジャーでさえ、北米で大成功を収めることはできなかった。母がヘンゾの姉カウラで、父親は伝説のグレイシー=ホーウスの教え子だったマルコ・カラォンというネイマンは、世代的にはそのホーウスの未亡人が次の結婚相手との間にもうけたグレゴォや、競技柔術界の大物カリーニョス・グレイシーの息子カイロンと同世代だ。

ただしアブダビやグラップリングで結果を残したグレゴォや、IBJJF柔術で実力のほどを示したカイロンと違い、ネイマンはムンジアルでは青帯と紫帯時代に銅メダルを獲得している程度でビッグタイトルとは無縁の存在だった。黒帯での最高位もノーギワールドの3位でしかない。

またホジャーを筆頭にヘンゾの下で育ったホーレス、イーゴー、そしてグレゴゥがMMAで結果を残せなかったこともあり、ネイマンへの期待値は高くなかった。実際、デビュー当時の彼は打撃には不慣れで、テイクダウン能力も及第点。それでも過度の期待がなかった分だけ、キャリア相応の相手に寝技に持ち込むとしっかりと一本勝ちを取れる力を見せ、8連勝でワールドGP出場を決めた。

それでもルースに勝てるという声は少なく、一本勝ちした直後に「トーナメントだけじゃない、僕はずっと過小評価されてきた」とその胸の内を声高に訴えている。そして今回、リオを離れて、NYに基盤を築いた叔父ヘンゾ帝国=ヘンゾ・グレイシー・アカデミー本部から僅か330メートル、徒歩2分のMSGでベラトール世界ウェルター級王座挑戦を迎える。

とはいってもネイマンの評価が上がったとして、ロリマクが難敵であることは間違いない。ジャブとローだけで、ネイマンを完封する力を持っている。そして、もう5年も前になるがあのデミアン・マイアにテイクダウンを許しマウントを取られながら、ブリッジから足を戻し、バタフライガードでしのいだという──ディフェンス面で寝技の強さを見せている。

しかし、そのロリマクも2015年7月にロビー・ローラーの持つUFC世界ウェルター級王座に挑戦し激闘の末TKO負けを決して以来、安定性を欠くようになった。ベラトール初陣となったポール・デイリー戦のように強い時は、何者も寄せ付けない強さを見せている。王座を獲得したドゥグラス・リマ戦でも、あれだけローで足を削られながら気持ちが切れることはなかった。

対してUFC最終戦となったスティーブン・トンプソン戦や、先に触れたフィッチ戦では劣勢になると、なにかトラウマでも抱えているのかと思われるほど体が動かなくなる。今回の試合はフィッチ戦から50日というインターバルしか与えられていない。試合後のインタビューでも自らのパフォーマンスの低下に首を傾げるばかりだったロリマクが、いかに復調しているのか。それでなくても、失うモノがないネイマンの思い切った寝技は警戒が必要だ。

ネイマンには一本勝ちを重ねてきた自信が追い風になるに違いない。ワンチャンスで勝負をモノにできるネイマンに対し、ロリマクは5R=25分間ずっと相手の良さを出させない集中力が求められる。ロリマクとって、優勢であっても精神的にタフな戦いとなり、ネイマンにとっては劣勢でも一発を信じることができる防衛戦となる。

■Bellator222 対戦カード

<Bellator世界ウェルター級選手権試合&ワールドGP準決勝/5分5R>
[王者]ローリー・マクドナルド(カナダ)
[挑戦者]ネイマン・グレイシー(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
チェール・ソネン(米国)
リョート・マチダ(ブラジル)

<Bellator世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ダリオン・コールドウェル(米国)
[挑戦者]堀口恭司(日本)

<175ポンド/5分3R>
ディロン・ダニス(米国)
マックス・ハンフリー(米国)

<バンタム級/5分3R>
エドゥアルド・ダンタス(ブラジル)
フアン・アルチュレタ(米国)

<バンタム級/5分3R>
リッキー・バンデハス(米国)
パトリック・ミックス(米国)

<フェザー級/5分3R>
アーロン・ピコ(米国)
アダム・ボリッチ(ハンガリー)

<フライ級/5分3R>
ブランドン・ポルケア(米国)
ブランドン・メディーナ(米国)

<バンタム級/5分3R>
マイク・キンベル(米国)
セバスチャン・ルイス(ペルー)

<女子フライ級/5分3R>
ヘザー・ハーディー(米国)
テイラー・ターナー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ハキム・ゴザリ(イスラエル)
グスタヴォ・ウーリッツァー(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
フィル・ホース(米国)
マイケル・ウィルコックス(米国)

<165ポンド/5分3R>
キャストリオット・シェーマ(米国)
ホイットニー・フランソワ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジョン・ベネデュース(米国)
ケニー・リベラ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ホブソン・グレイシーJr(ブラジル)
オスカー・ヴェラ(米国)

<112ポンド/5分3R>
RENA(日本)
リンジー・ヴァンザン(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ヴァレリー・ロレダ(米国)
ラーキン・ダッシュ(米国)

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