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【WEF Global14&Arzalet】不可解なブレイク要求にリズムが狂った? マルキーニョスがルジボエフに敗れる

WEF Global14【写真】王者ルジボエフは24歳のウズベキスタン人ファイター。ウズベキスタンには設備の整ったMMAの練習場所がなく、チェチェンで試合前はキャンプを張っているという(C)MMAPLANET

10日(土・現地時間)にキルギスはビシュケクのスポルトパラス・コズホムクルで開催されたWEF Global14&Arzalet。試合レポート最終回はマルコス・ソウザがWEF Globalミドル級王者ヌルスルタン・ルジボエフに挑んだ一戦をお伝えしたい。

<WEF Globalミドル級選手権試合/5分5R>
ヌルスルタン・ルジボエフ(ウズベキスタン)
Def.3R0分28秒 by TKO
マルコス・ソウザ(ブラジル)

01ケージ中央のルジボエフに対し、マルキーニョスはケージ前を左右に動く。ルジボエフの飛びヒザに組みついたマルキーニョス。ルジボエフはキムラで切り返すが、腕を抜いたマルキーニョスがトップへ。担ぎパスから一気にマウントを取ったマルキーニョスは、2発パンチを落とすとルジボエフが下から押し上げる。

足を一本戻したルジボエフは頭部にエルボーをいれ、両腕を抱えてカンヌキ状態で固める。レフェリーが動くように指示を出し、マルキーニョスがパスを決め即2度目のマウントへ。ルジボエフはカンヌキを続け、ブレイクを要求するようにレフェリーを見やる。

02腕を抜いたマルキーニョスがパンチ&マウントを打ちつけ、パンチの回転数を上げていく。ブリッジにもマウントをキープするマルキーニョスは手首を掴んでくるルジボエフの頭を跨ぐ。

03ここでルジボエフが体を起こし、腰に組みつきリバーサルに成功する。マルキーニョスは慌てずオモプラッタ狙いから、体を起こしてスイープを決め再びトップに。サイドで固めニーインベリー、さらにマウントを奪取する。体を反転させて立ち上がったルジボエフが、マルキーニョスの起き上がり際にヒザ蹴りを合わせようとする。

04アッパーに組みつかれたルジボエフはここでもアームロックに入る。マルキーニョスは前転してエスケープしスタンドへ戻るが、口が開き肩で息をするようになっている。

それでも続くルジボエフのローにテイクダウンを合わると、パスからマウントを苦も無く奪取。マウントを取られ抱えるルジボエフの頭を押してスペースを作ったマルキーニョスが、頭を跨いで逆側に回り腕十字へ。クラッチを切ったところで初回が終わった。

052R、笑顔で両手を合わせたマルキーニョスは飛び込んで右を振るうと、この時にルジボエフのヒザが突き上げると、足がマルキーニョスの急所に入る。下がったマルキーニョスはブレイクを要求し、腰を下ろす。レフェリーは両足首を持って、足を振るい試合再開を要求する。急所を押えるマルキーニョスに対し、レフェリーが戦えと言葉をかけインターバルを与えない。

06手でバッテンを作り、ダメかやるのかという雰囲気のレフェリーは「戦う」というマルキーニョスに即、再開を命じた。「ソーリー」と言いながらグローブを合わせたルジボエフは、右ストレートを振るう。マルキーニョスは組んで引き込むと、ローを4発蹴られた直後に起き上がってシングルレッグへ。

ルジボエフが殴りながら倒れると、ここもマルキーニョスはパスガード→マウントへ。すぐにワキをすくったマルキーニョスは腕十字を仕掛ける。

07ルジボエフはクラッチを組み、マルキーニョスが左腕を伸ばしにかかる。ルジボエフは後方回転で腹這いになるが、そのまま腕十字の態勢は続きマルキーニョスは頭を刈り直す。マルキーニョスが足を抱え、ルジボエフを前転させ仰向けさせようと動く。耐えるルジボエフ。と、信じられないことにレフェリーがブレイクを要求する。

動きがないと膠着という説明はあったが、まさか腕十字の仕掛けをクラッチで耐える状況でブレイクが掛かるとは……。ここでマルキーニョス陣営が大声でレフェリーに抗議をすると、レフェリーは同じ態勢での再開を命じ直す。

08マルキーニョスはルジボエフを転がし、上を向かせると三角クラッチに切り替える。するとレフェリーがここでも攻めろという謎のゼスチャーを見せる。疲れが目立つマルキーニョスは、再び腕十字に切り替えるも自ら技を解きサイドポジションを選択。

またもマウントを奪い、ロックアップのルジボエフにパンチを打ちつける。ニーインに一旦戻し、またマウントを取ったマルキーニョスはタイムとともに後方に寝転がり、ルジボエフは走ってコーナーに戻った。

093R、マルキーニョスはダブルレッグにヒザを合わされ、そのまま組み付いていくがルジボエフに押し倒されるように背中をつけ、マウントを許す。ここぞとばかりに速射砲のように回転数の早いパウンドを連打するルジボエフ。特に左のパンチが思い切り顔面を捉え、マルキーニョスはたまらず背中を見せてしまう。

10左のパンチを続けるルジボエフ、セコンドからタオルが投げられるのと同時にレフェリーが試合を止めた。

目も虚ろなマルキーニョスを横目に、ルジボエフはウズベキスタンの旗を振りかざし逆転勝利を陣営と喜んだ。

※試合後、マルキーニョス陣営とアルゼルトの山田重孝代表が、WEFにレフェリーの試合への介入──マルキーニョスへの再三の攻撃指示、攻撃を止めるような仕種、パンチを止める行為、金的に回復の時間を与えない、腕十字のブレイクと再開時のポジションの変化、三角絞めの際の攻めろという指示、ルジボエフのパウンドが後頭部に当たったがそのまま攻撃を続けさせた──を抗議。翌日、WEFの発表した試合結果には3RにルジボエフのTKO勝ちという明記と並び、プロテスト中という説明がなされていた。

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