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【Pancrase289】ISAOと対戦、カイル・アグォン 「自分の力を見極める最高の機会」

Aguon【写真】ISOA、アグォンともこの対戦は世界と向かい合うためにスケールとなる一戦だ (C)PANCRASE

17日(木)、東京都渋谷区の和術慧舟會Heartsで20(日)に行われるPancrase289に出場するカイル・アグォンとリッチー・ヴァスリックの公開計量と共同会見が行われた。ここではアグオンの会見の模様を紹介したい。

グアムMMA界を代表するアグオンは今年の2月にパンクラスに初出場し、コンバ王子に判定勝ちをしている。距離を測った打撃とケージレスリングで、しっかりと上を取りにいくアグオンの最大の武器は柔術とレスリングを融合させたグラップリングだ。

対するISAOは腰の強さと打撃力でパンクラス・ライト級の頂点に上り詰めた。それ以降、米国での長期滞在を経て、スクランブルの強さに磨きをかけてきた。上を取り切るスタイルの習得、その成果を見せたのが昨年9月の修斗フェザー級チャンピオン斎藤裕との一戦だった。

打撃ではパンチを効かされ、目の周囲を腫らしたISAOだが、テイクダウン&コントロールで斎藤を後手を回らせ判定勝ちを手にしている。ただし、スクランブル戦でいえばアグオンも負けていない。さらにトップ争いの間に三角絞めや腕十字というサブミッションも織り交ぜて戦うことができる。

アンディ・メイン~ナザレノ・マレガリエと外国人選手の政権が続く、パンクラス・フェザー級戦線。ISAO本来はそのマレガリエに挑戦予定だったが、負傷欠場により太平洋地域の実力者と戦うこととなった。アグォンがさらに存在感を増すのか。ISAOが元ライト級王者の意地を見せるのか。ケージ際のスクランブルを優位に進めるための打撃戦、距離の測り合いだけでなく、効かせる攻撃を見せた者がイニシアチブを握ることになるだろう。

そんなコア・ファン注目の一戦に挑む、アグォンはISAO戦を最高の顔合わせと評した(要約)。


――前回の試合後、どのように調整をしてきましたか。

「あの試合の後に6月に豪州のヘックスFCでジョーダン・キャメロン戦が決まっていたんだ。僕は計量も済ませていたけど、相手が体調不良に陥って入院していまい、試合当日の朝にキャンセルになった。でも、いつでもパンクラスのオファーに応じられるよう体調は整えていた。ここでまた試合がしたかったからね。

で、数週間後にパンクラスのナンバーワン・ランキングの相手と戦うかって連絡があったのさ。ランキングをアップさせたいし、自分の力を見極める最高の機会だと思ったよ」

――ISAO選手の印象を教えてください。

「ISAOは経験豊かなファイターだ。僕らのスタイルは似ている。だからこそ、エキサイトしているんだ。僕はコンペティターだから、ハードだろうがそうでなかろうがリングでは戦うだけだよ。実際の試合の時に、どれだけの気持ちをもって戦えるのか。彼は打撃ができて、レスリングもできる。僕と同じだ。経験豊かだから、リラックスして戦っている。

それがMMAの面白いところだ。どちらが、より良い技術を持ち、どちらが相手の持ち味を封じ込めることができるのか。この試合はとてもイーブンだから、そういう意味でもISAOとの試合が楽しみでならない。そして、どちらが上をいくかだよ」

――スクランブルが強い者同士、どのように思いますか。

「スクランブルも楽しみだよ。僕にはカウンターアタックもあるし、彼がどれだけ積極的に仕掛けてくるか分からないけど、思うようには試合をさせないつもりだよ。さっきも言ったようにパーフェクトな顔合わせ、どっちが上か楽しみだ」

――前回の試合からフェザー級で戦っていますが、フィットしていますか。

「バンタム級にも落とせるけど、20ポンドも体重を落とすと、力強さがなくなってしまっていた。とにかく体重を落とすことばかり頭にあって。試合でナチュラルな能力が発揮できなかった。フェザー級ではバンタム級の時より5ポンドから10ポンド重い体重で戦うことになり、計量前の今日も食事ができている。あとは水抜きするだけ。バンタム級の時よりもストレングスもコンディションもパフォーマンスもずっと良いものになるよ」

――パンクラス王者になってステップアップしたい気持ちはありますか。

「もちろん。いつだって次のレベルに行くことを目指しているけど、今は日曜日のファイトのことだけを考えている。ハードトレーニングの成果を試合で見せて、ファイト後にどうするのか決めるよ」

――これまで日本人ファイターと戦ってきましたが、日本人選手の印象は?

「凄くテクニカルだよ。スムーズソックスと呼んでいるんだけど、彼らの動きはとても滑らだ。しっかりと戦術を立てて、かつ咄嗟の判断力も優れている。思い描いた絵を描くことができる。それが日本人ファイターのイメージかな。アートのようだよ」

――グアムからメディアも来ているようですね。

「ケンは僕らのチームやジムだけでなく、色々なプロダクションに関わっているんだ。師匠であるメルカ・マニブッセンとの練習、減量、全てを撮影しているんだよ」

――カイルは銀行マンで、フロイド・メイウェザーのニックネームであるMoneyというTシャツを着ていますね。

「アハハ。スパーリングをしていた時にメルカから『頭を動かせ』と注意され、必死で動かしても『もっとだ。マネー(メイウェザー)みたいに』って言われた。で、それから銀行で働いていることもあって、マネーと呼ばれるようになったんだ。もちろん、彼のヘッドムーブと比較すると十分じゃないけど、だからこそマネーのようになりたいんだ」

――今回の試合、ファンにはどのようなところを見てほしいですか。

「前の試合ではプレッシャーを与えたけど、下がるから良い試合にするのが難しかった。昔からPRIDEが好きで、パンクラスのお陰で日本で戦うことができるようになった。勝利することを考え、かつ皆が喜んでくれる試合をしたいと思っている」

■Pancrase289対戦カード

<ネオブラッドTライト級決勝/3分3R>
太田裕稀(日本)
深谷誠(日本)

<ネオブラッドTフェザー級決勝/3分3R>
木村一成(日本)
堀江圭功(日本)

<ネオブラッドTバンタム級決勝/3分3R>
山本哲也太(日本)
髙城光弘(日本)

<ネオブラッドTフライ級決勝/3分3R>
川端康太(日本)
渡辺竜(日本)

<ネオブラッドTストロー級決勝/3分3R>
松村慶(日本)
高島俊哉(日本)

<フライ級KOPT/5分5R>
[王者] マモル(日本)
[挑戦者] 仙三(日本)

<ストロー級挑戦者決定戦/5分3R>
室伏シンヤ(日本)
小塚誠司(日本)

<フェザー級/5分3R>
松嶋こよみ(日本)
粕谷優介(日本)

<ウェルター級/5分3R>
高木健太(日本)
佐藤天(日本)

<フェザー級/5分3R>
ISAO(日本)
カイル・アグオン(グアム)

<パンクラス×DEEP対抗戦ミドル級/3分3R>
佐藤光留(日本)
桜井隆多(日本)

<パンクラス×DEEP対抗戦バンタム級/3分3R>
瀧澤謙太(日本)
北田俊亮(日本)

<パンクラス×DEEP対抗戦フライ級/3分3R>
安永有希(日本)
柴田“モンキー”有哉(日本)

<パンクラス×DEEP対抗戦フェザー級/3分3R>
横山恭典(日本)
大原樹里(日本)

<パンクラス×DEEP対抗戦フライ級/3分3R>
荻窪祐輔(日本)
安谷屋智弘(日本)

<バンタム級/5分3R>
藤井伸樹(日本)
リッチー・ヴァスリック(豪州)

<フライ級/5分3R>
上田将竜(日本)
小川徹(日本)

<ストロー級/5分3R>
井島裕彰(日本)
八田亮(日本)

<フェザー級/3分3R>
松岡嵩志(日本)
近藤 孝太(日本)

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