【RIZIN LANDMARK12】RIZIN初参戦、ヴガール・ケラモフ戦へ。松嶋こよみ「強い相手とやれるなら」
【写真】ある意味、その真価がもっとも問われる場で戦うことになった(C)MMAPLANET
11月3日(月・祝)に神戸市中央区のジーライオンアリーナ神戸で開催されるRIZIN LANDMARK12にて、松嶋こよみがヴガール・ケラモフと対戦する。
Text by Takumi Nakamura
UFC参戦を目指して様々な団体で試合を重ね、LFAとの契約を果たした松嶋。しかしビザの問題でLFAで戦うことが出来ずにいたが、国内で試合することを決意。8月のKNOCK OUT出場を経て、LFAから許可を受ける形でRIZINへの参戦、そしてケラモフとの対戦が決まった。
「自分でジムをやり始めたこともあって、ただ待っているだけじゃ何も変わらない。(チャンスを)待つぐらいだったら、自分から色んなことをやろうと気持ちが変わった」と、新たなキャリアを歩き出す松嶋に話を訊いた。
契約やオファーの内容を考えると、ものすごくありがたい
――RIZIN初参戦が発表され、周りの反響はいかがでしたか。
「日本国内ではRIZINが一番みんなが認知している大会なので、色んな人から連絡をもらって反響は大きかったです」
――やはり驚いたというリアクションが一番多かったですか。
「そうですね。一番驚いていたのが両親で、RIZINに出ることを報告したら『びっくりした!』と言っていました」
――松嶋選手はUFCを目指してキャリアを積んできて、このタイミングでRIZINという舞台を選んだ一番の決め手は何だったのでしょうか。
「RIZINを選んだというよりは、RIZINからオファーをいただいて、参戦させてもらうことになった感じですね。僕はLFAと契約していて、その契約上、RIZINに出られるのかどうかを確認したところOKが出たので出ることになりました」
――これまでRIZINからオファーが来ることはあったのですか。
「何度か来ました。ただそのタイミングで他の団体と契約していたり、Road to UFCのチャンスを待っていたり、それがあってお断りする形になっていました」
――松嶋選手のキャリアにおいて様々なタイミングが重ねって、RIZINと交わることになってわけですね。
「僕自身全くRIZINに出たくないとかそういう気持ちはなかったし、タイミングで決まった感じかなと思います」
――松嶋選手は過去にRIZIN参戦について否定的な発言をしたことがあり、それが一人歩きしてSNSで「なんでRIZINに出るの?」という声も目にします。ただ選手の考えは状況によって変わるものですし、契約的な縛りがなく、戦いたいと感じる相手のオファーがはまればRIZINに出ることもあったわけですよね。
「そうですね。それこそ強い相手とやれるならとはずっと思っていましたし、今回RIZINに出ることになったのも、1試合契約でマッチング期間がない…だったり、そこも含めて契約のことがクリアになったんで出ることを決めました」
――そういった意味では今回のオファーは相手も含めて、松嶋選手の意思を尊重してくれるようなものだったということですよね。
「契約やオファーの内容を考えると、ものすごくありがたい内容だなと思っていて、かなり僕に寄ってくれてるい部分も感じたんで、結構即答で『やります』と答えました」
――その中でも僕はケラモフという相手に一番ピンと来たのではないかと思うのですが、松嶋選手としてはいかがでしょうか。
「それこそ過去にケラモフ戦のオファーをもらったこともあったので、今こうしてケラモフとやれることはすごくありがたいなと思います」
――8月にKNOCK OUTのUNLIMITEDルールの試合を経験していますが、純MMAとは異なる試合を経験したことで得られたものはありますか。
「UNLIMITEDルールをやったおかげで、色んな発想が生まれやすくなったかなと思います。例えば下からの蹴り上げは、普段の練習でもやれるものですが、危ないので実際には試合でしかやらないじゃないですか。そういう普段の練習ではやれない技をUNLIMITEDルールの中ではやれたので、それは次の試合や今後の試合に活きると思います」
――特にUNLIMITEDルールは相手を仕留める、KOすることを求められるルールです。
「KOしたり、倒し切ったりすることは、おそらくみんなが僕にやってくれよと思っていたことだと思います。ただ逆に倒して勝てなかったことで、試合中に『あんまり上手くいってないな』と感じるような、自分の動きが悪かった時のイメージも出来たんです。だから次の試合に向けて、上手くいかない時にどうすればやり直せるかを練習できるようになったかなと思います」
――ある意味、判定まで戦ったことがプラスになっていますか。
「1年試合していないブランクもあった中で、3分3Rとはいえ、フルラウンドちゃんとやりきれて、色々試せたことはすごく良い経験になりました」
全体のレベルを上げるのではなく、自分の強みがここだというのを全部出し切ろうとしている
――対戦相手としてのケラモフの印象には、どのような印象を持っていますか。
「ここ数年、RIZINやパンクラスに中央アジアやコーカサス系の強い選手がいっぱい出てきた中で、その筆頭的な選手だと思います。身体能力がすごく高い感じがある半面、それぞれの技が細かくて精密ではないと思うので、その部分では良い勝負ができるかなと思います」
――来日当初と比べてケラモフが進化していると感じる部分はありますか。
「レベルが上がっているというよりは、自分の型を決めているのかな、と。全体のレベルを上げるのではなく、自分の強みがここだというのを全部出し切ろうとしている感じがします」
――前回の木村柊也戦もケラモフが苦戦した内容ではありますが、そのなかでも自分のスタイルを貫き続けるケラモフの地力の強さを感じる試合でした。
「相手の良いところを出させないという意味ではそうですよね。あの試合のケラモフは木村選手のスタイルを消そうとしているのが見えたし、あれを最後までやるのはしんどいことですが、ケラモフはそれをやりきれる選手じゃないですか。だから僕とやる時もしんどい試合になるのかなと思います」
――しんどい試合になることも想定した上で、松嶋選手はどのような準備・練習を続けていますか。
「組みの部分ではケラモフの得意技を意識した動きだったり、自分がテイクダウンされた後の行動だったり、そこを打ち込みで多くやっています。打撃の部分ではどれだけケラモフの距離にならないかを意識してやっていますね」
――松嶋選手の話を聞いていると、トータル的に戦いつつ、どこで自分の得意な展開に持っていくかが重要な試合になると感じました。
「ケラモフは全局面でちゃんと勝負しないと、勝てない相手だと思います。組みを譲ったら多分負けるだろうから、レスリングでもグラップリングでも勝負しなきゃいけない。もちろん自分の強みである打撃の鋭さでも勝負はしますが、それだけじゃなくてトータルで戦えたらなと思います」
散々『松嶋は弱い』とか言われていますけど(苦笑)、そういう声を一蹴できるよう
――今回の試合は本当にたくさんの人が楽しみにしていると思います。どのような試合を見せたいですか。
「RIZINファンの人には初めて自分の試合を見てもらえると思いますし、散々『松嶋は弱い』とか言われていますけど(苦笑)、そういう声を一蹴できるように、僕が自分の強いところを見せて勝ちたいと思います」
――今後の試合に関しては、基本的にLFAとの契約が第一だと思いますが、機会があればRIZINでも試合をしたいと思っていますか。
「今回のような1試合契約で出場できるであれば、今後もRIZINでもKNOCK OUTでも試合をやりたいと思っています。もちろんLFAという軸はぶらさず、その中でできることを色々とやりたいです」
――今年の松嶋選手はUNLIMITEDルールへの挑戦やRIZIN参戦など、変化の多い一年になりましたね。
「それこそ自分でジムをやり始めたこともあって、ただ待っているだけじゃ何も変わらないと思ったんですよ。僕が試合をしなかったらジムのことも知られないまま終わってしまうわけだし、それも含めて踏ん切りがついたというか。(チャンスを)待つぐらいだったら、自分から色んなことをやろうっていう、気持ちの面で変わった部分はあります」
――それでは最後にファンの皆さんに向けてメッセージをいただけますか。
「相手は強いケラモフなので、しんどい試合にはなると思うんですけど、自分の強みをしっかり活かして最後まで諦めず戦おうと思うので、応援よろしくお願いします」
■視聴方法(予定)
11月3日(月・祝)
午前11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■RIZIN LANDMARK12対戦カード
<フェザー級/5分3R>
秋元強真(日本)
萩原京平(日本)
<RIZIN女子スーパーアトム級選手権試合/5分3R>
[王者] 伊澤星花(日本)
[挑戦者] 大島沙緒里(日本)
<フェザー級/5分3R>
ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)
松嶋こよみ(日本)
<フェザー級/5分3R>
摩嶋一整(日本)
木村柊也(日本)
<50キロ契約/5分3R>
ケイト・ロータス(日本)
イ・ボミ(韓国)
<ライト級/5分3R>
宇佐美正パトリック(日本)
桜庭大世(日本)
<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
後藤丈治(日本)
<ヘビー級/5分3R>
貴賢神(日本)
MAX吉田(日本)
<62キロ契約/5分3R>
金太郎(韓国)
リ・ユンフォン(中国)
<ライト級/5分3R>
雑賀“ヤン坊”達也(韓国)
ヌルハン・ズマガジー(カザフスタン)
<バンタム級/5分3R>
鹿志村仁之介(日本)
安井飛馬(日本)
<ライト級/5分3R>
キ・ウォンビン(韓国)
キャプテン☆アフリカ(日本)
<フライ級/5分3R>
トニー・ララミー(カナダ)
山内渉(日本)
<キックボクシング51キロ契約/3分3R>
KING陸斗(日本)
水野夢斗(日本)
<OP女子スーパーアトム級/5分2R>
NOEL(日本)
海咲イルカ(日本)
<OPキックボクシング57キロ契約/3分3R>
赤平大治(日本)
翔磨(日本)
<OPバンタム級/5分2R>
宮川日向(日本)
MG眞介(日本)
<OPキックボクシング63キロ契約/3分3R>
元氣(日本)
林眞平(日本)
<OPキックボクシング51キロ契約/3分3R>
みいちゃんレンジャージム(日本)
伊藤菜の花(日本)




















