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【ADWP】ミドル級×ミッドヘビー級=85キロ級、頂上決戦を制したのは──やっぱり怪物レアンドロ・ロ

4月19日(現地時間・火)から23日(同・土)にかけて、アラブ首長国連邦アブダビのZAYED スポーツシティ内のIPICアリーナにて、アブダビ・ワールド・プロフェッショナル柔術チャンピオンシップ2016が開催された。

大会レビュー第3回となる今回は、レアンドロ・ロ、クラウジオ・カラザンス、ホムロ・バハウといった世界超一流による夢の対決が実現した黒帯アダルト男子85キロ以下級の模様を報告したい。

<85キロ以下級準決勝戦/6分1R>
クラウジオ・カラザンス(ブラジル)
Def. by ヒザ十字
ホムロ・バハウ(ブラジル)

当初の予想通り、そして多くの柔術ファンの期待通りの組み合わせが実現したこの準決勝戦。両者引き込みから上を選択したバハウに対して、カラザンスは内回りからのスイープを狙ってゆく。一度はかわしたバハウだが、2度目のトライで体を折り畳んで、ビクトル投げの要領でバハウの体勢を崩したカラザンスは、そのままバハウの左足を自らの左腕でキャッチ。その手で襟を掴みながら伸ばしてゆくとバハウがタップ。僅か2分足らずで大ベテランから衝撃的な一本勝利を奪ったのだった。

<85キロ以下級決勝戦/6分1R>
レアンドロ・ロ(ブラジル)
Def. by ref’s decision
クラウジオ・カラザンス(ブラジル)

決勝でカラザンスを待っていたのが、大本命にして世界最強の中量級柔術家ことレアンドロ・ロ(ブラザーフッド)。昨年のミドル級世界王者とミディアムヘビー級世界王者による夢の対決だ。

試合開始後、膝を付く両者。そこから改めて引き込んだロが、足関節を狙うように引き込むカラザンスの動きに乗じて上になると、ここで2点が入る。しかし、ダブルガードを取ろうとするロに対してカラザンスもすぐに上になり同点に。ここでカラザンスは体を低くしてズボンを掴んでいたロのグリップを切ると、大きく横に回ってのパス狙い。ロは襟を取った腕で距離をキープして危なげなく防いだものの、ロを中心に一回転以上の円を描いてみせたカラザンスの積極性を評価してか、この攻撃にアドバンテージが与えられた。

リードされたロはシッティングガードから襟を掴んでの崩しや、クローズドガードからの仕掛けを試みるが、カラザンスは頭を下げて腰を引いて低く座り込みながら手堅く対処し、ロになかなか形を作らせない。残り2分となったところで、ロはニーシールドを作った状態から右手で対角線に掴んだ襟を引きながら立ち上がる。そして、一歩遅れて立ち上がろうとしたカラザンスの背後からタスキグリップを作ることに成功する。 

さらにロは、懸命に腰を引いて振りほどこうとするカラザンスの背後に飛び乗ろうとするが、頭を低くして亀を作ったカラザンスはフックを許さず、やがてロを前に落とす形で脱出。ここでロがアドバンテージを獲得し、ポイントで追い付いてみせた。

カラザンスが上でロが下で、試合は残り1分半の勝負に持ち込まれることに。カラザンスは再び頭を下げて、腰を引いた体勢で両腕をロの脚の下に入れてダブルアンダーフックの体勢を作る。そこからロの体を両足担ぎで持ち上げてのパスを狙うが、ロは強靭な体を利用して腕をマットにポストし、またスティッフアームを作ってカラザンスの体を押して距離を保ち続ける。

残り30秒となっても、カラザンスはがっちりと組んだダブルアンダーフックを離さず、ロをリフトしてのパス狙いを続ける。この種の対処はお手のもののロは、パスを許す気配こそまったくないものの、ダブルアンダーを取られている故になかなか反撃に移れず。ロはカラザンスの帯を背中越しに掴んだり、両手をマットにポストして体を翻して状況の打開を狙うが、頭を下げて背中を丸めたカラザンスは、スッポンのようにロに食いついてダブるアンダーを離さず、そのまま試合終了となった。

終盤はパスを狙い続ける体勢を取り続け、ロに反撃を許さずに試合を終えたカラザンスは両腕を上げて会心の表情で勝利をアピール。対するロは不満げな表情を崩さないまま。対照的な両者に下されたレフェリー判定は……ロを支持!! 階級別でここ数年無敗のロの牙城は、ここでも崩れなかった。

勝利を確信していたカラザンスにとっては気の毒な結果ともいえるが、試合の大部分で腰を引いて頭を下げ固い姿勢で過ごしていたことは否めない。対するロは、そんな固いカラザンスの姿勢に苦労しつつも常に攻撃を試みていた。そして、序盤の上下の入れ替わりを除いてこの試合でもっともポイントに近づいた動きが、ロのバック狙いだったのも確かだ。終盤ダブルアンダーの体勢を作ってみせたカラザンスだが、最後はパス狙いよりというより、ロの反撃を封じるために必死に膠着した印象が強かったとも言える。その点では、ロの勝利という判定は決しておかしなものではなかった。

とまれミドル級のカラザンスが、ミディアムヘビー級の世界トップであるバハウ、ロを相手にここまでの戦いをやってのけたのは快挙と呼んでいいだろう。昨年世界柔術初制覇&ADCC無差別制覇で大ブレイクを果たしたカラザンスの勢いは、今年もまったく衰えていないようだ。

■アブダビ・ワールドプロ柔術黒帯男子アダルト リザルト

【85キロ以下級】
優勝:レアンドロ・ロ(ブラジル)
準優勝:クラウジオ・カラザンス(ブラジル)
3位:ヘナート・カルドッソ(ブラジル)

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