【Special】「一緒に強くなろう」──北岡悟にとってのパンクラスイズム横浜とは<01>
【写真】北岡悟のパンクラスイズムとは──何か(C)MMAPLANET
3月5日にプレ・オープンを果たした格闘技道場(MMA TRAINING GYM)パンクラスイズム横浜。北岡悟が古巣の灯が消えないよう受け継いだ道場では、どのような指導が行われているのか。
そこには他にあまり例を見ないトッププロと一般会員が一つの時間を供給する練習環境があった。北岡にとってのパンクラスイズム横浜とは、何か──を真新しい道場で訊いた。
──パンクラスイズム横浜をオープンし1カ月半が経ちました。手応えの方は?
「手応え……そうですね、無理やり始めた割には良いというか……。雰囲気が良いんですよね、意外にも(笑)。会員さんの満足度が高そうに感じられるので。一般の会員さんもそうだし、選手レベルの人たちも『良い』って言ってくれます」
──練習に来て、ケージがあり、これだけのスペースがあるのにダメ出しする選手はまさかいないですよね(笑)。
「それはそうですね(笑)。上に看板もできていなくて、ホームページに写真も掲載されていない。チラシもできていないのに、階段を下りて道場に入って来る人達の顔つき、表情を見ていると『何とかなりそうだな』って思えます」
──しっかりと宣伝しなければ……ですね。
「そこも知人が協力してくれているので、強く言えなくて。でも、本当に色々な人がサポートしてくれているので、凄く感謝しています」
──ジムがオープンしてから初めてお邪魔させていただいたのですが、真新しさと同時に綺麗さが伝わってきます。
「この2カ月で、今まで生きて来た35年分よりたくさん掃除しています(笑)。やっぱり、明るくて綺麗な空間にしたいです。階段を下りて来て、椅子に座って見学してもらうと、皆が目を輝かせているんですよね」
──その綺麗な空間で、どのような格闘技を指導しているのですか。指導者の名前には北岡選手以外に川村亮選手、川原玲郁選手、DJ.Taiki選手、梅木良則さんらの名前もあります。
「川村と川原は打撃、キックボクシングではなく『打撃』クラスでボクシングやキックボクシング的なモノをやってくれて。梅木さんとDJがMMAということなんですが、打撃に組み技、組み技に打撃を混ぜてやっているノリです。
DJのクラスは『誰でもMMA』、最初みたら結構きつい練習していて。でも、アイツは『誰でもできるメニューにしています』ってことだったので、誰でもMMAと名付けました。アイツ──毎回、自分でお菓子を作ってきて、生徒さんに配っているんです。凄くないですか?(笑)。皆、喜んで食べていますね。最初は余り人は来ないかなって期待薄だったのですが、お菓子効果か常に10人ぐらいは参加者がいます」
──梅木さんのMMAクラスとは何が違うのでしょうか。
「梅木さんのクラスは『ベーシックMMA』という名です。DJはMMAというモノを軸に技術練習も多く、ちょっと派手で変った珍しい技、遊び技なんかも指導したりしています。あとはしんどいことも混ざっています。対して梅木さんは基礎全般というか──打撃と組み技の基本をバッチリと混ぜてくれています。さすがにキャリアが半端ないです」
──練度によってクラス分けをしていないですね。
「最初は初・中級クラスとかつけて、アドバンスドと分けようとしていたのですが、なくしました。打撃は打撃。一緒のことをやって、分からないなりに勉強していけば良いので」
──北岡選手はどのような指導を?
「僕の方は寝技、組み技に体力トレーニング的なクラスを受け持って──『北岡』クラスってことでやっています。来た人に合わせますが、グラップリング寄りのことをやっています。総合志向の人にはMMA寄りのグラップリングをしますし、スパーリングができてない人にはマシーンをやってもらったり。
1人しか来ない時なんて、もうパーソナルトレーニングです。マシーンを使って。そういうのも喜んでもらえるんですよ。梅木さんもトレーニングというクラスを受け持ってもらっています。自重系などフィジカルの指導になるのですが、ぶっちゃけ僕も一緒にやって僕のためにやってもらっているようなところもあります(笑)。
そこで会員さんが懸命についてくる。ずっと顔を出してくれている人の体力は目に見えて上がっています。スパーを僕と本気でやれる会員さんはいないですけど、フィジカルなら一緒に本気で取り組める。部活みたいな乗りかもしれないですね」
<この項、続く>