【KSW52】サラディーヌ・パルナス、東欧いや欧州レベルではない強さを見せブヒンケルを完封
<KSW暫定フェザー級選手権試合/5分5R>
サラディーヌ・パルナス(フランス)
Def.3-0:50-44.50-45.50-45
イワン・ブヒンケル(スロバキア)
キャリア37勝6敗、あのマンソール・ベルナウイにも勝利している挑戦者ブヒンケルが右ミドルハイを蹴る。サウスポーの王者パルナスは右ジャブを伸ばし、ローをチェック。ワンツーの左を届かせたパルナスは左のインサイドローを入れ、前進に左フックを合わせる。両足で小刻みなステップを見せて左ストレートを顔面に伸ばすパルナスは、左ハイも見せる。手数、精度で挑戦者を完全に上回るスタートとなったチャンピオンは右ミドルを受けた直後にワンツーを打ち込む。
ブヒンケルが組んでいくが、逆にケージに押し込んだパルナスが大内刈りでテイクダウンを奪う。ここから立ち上がってロー、飛び込んでパンチを落とすパルナスがスタンドに戻ると、レフェリーがブレイクを命じた。終了間際にもワンツーを当てたパルナスが完全に初回を取った。
2R、左ハイでブヒンケルの上半身をのけ反らせ鋭いワンツーを入れるパルナスは、この回もペースを譲らない。前進に左フックを合わされ、足をもつらせたブヒンケルが引き込んでガードを取る。立ったままでブレイクを待ったパルナスは、左ミドルをキャッチされケージに押し込まれるが、体を入れ替えると両ワキを差し返し肩パンチ。
パルナスは離れた直後に左ストレートを2発ヒットさせ、組みから投げを狙ったブヒンケルの仕掛けをすかし、立ち上がり際にパンチを打っていく。伸びる左ミドルを蹴るパルナスに対し、クリンチに持ち込んだブヒンケルだがテイクダウンは奪えずポジションが入れ替わったところでラウンド終了となった。
3R、左を当てたパルナスに対し、組みに攻撃を集約させるように動きが上がったブヒンケルだが、パルナスはケージに押し込んで細かいパンチを入れる。この攻防でどちらが削れるのか。押しこみ返したブヒンケルのワキを潜って前方に転がしたチャンピオンは、立ち上がった挑戦者に2度ワンツーを入れる。さらにシングルを切り、パンチを入れるパルナスはすぐに組んできたブヒンケルの大内刈りを潰しテイクダウンを許さない。
ついには引き込んでシングルを狙ってきたブヒンケルに対し、パルナスはダースを仕掛ける。ブヒンケルは背中をマットにつけて防御し、上四方から抑える形になったパルナスがスタンドに戻る。ここから左ミドルハイ、右ジャブ、左ミドルと手を緩めずブヒンケルを封じ込んだ。
4R、ブヒンケルの蹴りをキャッチして崩したパルナスは、スタンドで待ち受ける。続くシングルも切り、ワンツーを見せてから、ロングの右ストレートを当てる。ブヒンケルはテイクダウン狙いから引き込むも、パルナスは付き合わない。正確なパンチに堅固なテイクダウン防御、鉄壁の王者に対し、ついにはブヒンケルは前転しながらカカト落とし=ローリングサンダーという破れかぶれな技を2度繰り返す。パルナスは慌てず、立ち上がったところで左ストレートを打ち込み、ワンツーをヒット。
シングルを完璧なタイミングでスプロールし、立ち上がり際にパンチを入れたチャンピオンは、引き込んだチャレンジャーにパンチを打ちこんでスタンドに戻る。反撃の隙を与えないパルナスが左ハイを当て、パンチのラッシュへ。懸命に左に回り距離を取るブヒンケルはシングルレッグから引き込む。これを切って立ち上がった王者、続く引き込みには仁王立ちで腹を突き出して待ち受ける。いよいよ一方的な展開となったタイトル戦は、最終回を迎えることとなった。
5R、まっすぐ突っ込んできたブヒンケルをいなして、ケージに頭から突っ込ませたパルナス。組むしかないブヒンケルは、そこからなにができるわけでなく一本背負いもすっぽ抜ける。すぐに組んでいったブヒンケルは、パンチを連続で被弾するとジャンピングガ―ドを取り、背中をマットにつける。パルナスはガードの中から思い切りパンチを入れ、起き上ってさらに重いパウンドを落とす。さらにはブヒンケルのシングルを切って立ち上がると、じっくりと様子を伺い初動の見えない左ストレートを見事なタイミングで打ち抜く。
攻撃を受けないためにテイクダウンはできなくても、クリンチに出るしかないブヒンケルが再び引きこむ。ここはスタンドで待ち、最後の打撃戦を挑んできたブヒンケルにパンチを入れると、パルナスはついに背中で腕を組んで平然とチャレンジャーを待ち受ける。手も足もでなかったブヒンケルは、タイムアップ直前にローリングサンダーをもう一度見せてタイムアップに。
25分間に渡り、けた違いの強さを見せ続けたパルナスが暫定フェザー級王座を防衛した。