【KSW58】2021年度第一弾は重量挙げ界の重鎮コウェツキ、フェザー級王者パルナスが注目株が揃い踏み
【写真】ファイトはKSW流のガツガツでも、ボディはKSW的なゴリゴリではないコウェツキ (C)KSW
KSWの2021年度、最初のイベント=KSW58が1月30日(土・現地時間)にポーランドはウッチのクルブ・ベッツフォーニャで開催されることが決まった。
KSW58は2008年北京五輪・重量挙げ94キロ級金メダリストで、2000年シドニーでは同級銅メダリストだったシモン・コウェツキが1年1カ月ぶりのMMA、KSWでは3戦目をメインで戦う。
昨年12月にはロンドン五輪グレコ84キロ級銅メダリストのダミアン・ヤニコフスキをTKOで下し、MMA戦績を8勝1敗としているコウェツキ。既に39歳で重量挙げ界ではポーランド・ウェイトリフティング連盟の会長を務めていたこともある重鎮(※ロンドン五輪金メダリストのアドリアン・ジュリンスキと弟のトマシュ・ジュリンスキが薬物違反でリオ五輪出場停止処分を受けた際に、会長の座を辞した)ながら、36歳でMMA転向し、パンデミックが起こるまでに9試合も戦績を積み重ねてきた。
ファイトスタイルは、KSWらしいガチガチのブルファイターといえるコウェツキは、ドイツ人選手のマルチン・ザワダとライトヘビー級で相対する。キャリア17年、ドイツのMMAパイオニア世代のザワダは次の試合がキャリア46戦目、KSWでは2勝1敗もチアゴ・シウバやウカシュ・ユルコウスキを破っている。この一戦の勝者はエース=トマス・ナルクンへの挑戦権獲得に大きく近づくことになるだろう。
コ・メインではUFCへ巣立ったマテウス・ガムロ、クロアチア人ウェルター級王者ロベルト・ソルディッチに続き、これからが非常に期待されるフランス人KSWフェザー級チャンピオンのサラディーヌ・パルナスが、オーストリア在住のブラジリアン=ダニエル・トーレスの挑戦を受ける。
フェザー級&ライト級の二冠王だったガムロのUFC転出で、暫定王座を1度防衛していたパルナスが正規王者に昇格し、最初の防衛をトーレスと戦うこととなった。サウスポーで見事にボクシングとレスリングが融合させているパルナスは、前手となる右もパワーは十分──特に右アッパーは踏み込みの良さもありKOする力を十分に有している。
この右を見せて、優位な状況で組みつきテイクダウンやバック奪取という流れるような動きは、MMAとして見事というしかない。さらにはスクランブルでもダースというフィニッシュ技も持ち合わせたパルナスに対し、トーレスの持ち味は乱打戦の強さだ。
トーレスはKSWでは3勝1敗でうち3試合がファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得している東洋の名勝負漢といえる。とはいえ、相手の良さを封じ込めるのがパルナスの強さ。トーレスはジャブを掻い潜り、拳の届く位置をどれだけとり続け、圧力を掛けることができるかにによってベルト獲りは左右されるだろう。