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【ONE103】なるかサーデュラエフ越え、竹中大地。 チャイナパワー=ミャオ・リータオにも注目

Takenaka【写真】サーデュラエフ越えは、タイトル戦線が見えてくることの同意語となる竹中大地 (C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

16日(土・現地時間)、中国は北京のキャデラック・アリーナでONE103「Age of Dragon」 が開催される。

8日のマニラ大会、22日のシンガポール大会と3週連続のONE Championship。全11試合と最近のONEにあってはコンパクトな印象が持たれる今大会は、うちMMAが6試合だけで立ち技率も高く北京、そして中国のファン層が表れている。


そんな北京大会のMMAマッチに日本から竹中大地が出場する。2016年3月に修斗環太平洋バンタム級王座を獲得した竹中は6月のVTJの国際戦(アラン・フィルポット=後のONEウォリアーシリーズ参戦ファイター)に勝利後、ヒザの負傷で長期欠場を強いられる。この間にONEで戦うことを決意し2018年2月にミャンマーでサークルケージを初体験した。

ONEがAbema TVとパートナーシップを結ぶ2カ月前、彼らがJ-MMAに再興に本格的に乗り出す以前に竹中はアジアを舞台に戦うことを選択した。しかし、彼のONEでのファイトライフは順風満帆とはいかなかった。

初戦のキム・デフォン戦はバックに乗りRNCで一本勝ちと思った刹那、キムの前転によって頭を痛打。反則勝ちでスタートを切ると、この年は2試合連続現地入りをしておきながら対戦相手の体調不良等で試合がキャンセルに。1年振りに実戦となった今年2月のマーク・アベラルド戦では、序盤から試合を支配しながらガードから放たれたエルボーで唇をカットしてTKO負け──キャリア12戦目の初黒星を喫した。

どうにも悪い流れから抜け出せなかった竹中は、8月のマニラ大会でレアンドロ・イッサというONEバンタム級戦線を引っ張ってきたブラジリアンを左ストレートからパウンドアウト、ようやく関西MMA界を牽引する実力者がその力をONEで発揮した。

竹中が北京で相対するのは、ONEダゲスタン軍団を引率するユーサップ・サーデュラエフだ。日本でもDREAMで活躍し、所英男をスラムで秒殺したこともあるサーデュラエフは当時、米国在住で柔術を習得中であった。それでも印象に残っているのは、クリンチから大内のように足を入れ、後方に投げる=かわず掛けを見せるなどロシアン的な動きだ。

Saadulaevその後、ダゲスタンに帰国しレスリング&打撃の強さは絶対な戦闘集団にBJJのエッセンスを投入し、最強MMA種族を世界に送り出していくとになる。サーデュラエフ自身もACB柔術でカイオ・テハと対戦したり、ONEでも今成正和の足関節をパス&サイドで抑えることで完封するなど柔術的な強さを発揮してきた。

加えてベースであるレスリングと柔術を融合させ、テイクダウン&スクランブルからのコントロール&ホールディングというMMAグラップリング能力の高さはONEバンタム級戦線で間違いないトップクラスにある。竹中にとしても、特にがぶりからのヒザ蹴りは警戒が必要になってくるあろう。

さらにいえばサーデュラエフはサウスポー、竹中は左ミドルを効かせてスタンドでイニシアチブを握ってから総合力で勝負してきただけに、テイクダウンの強い右手前の構えの相手に対し、如何に戦うのかも大きなカギを握ってくるだろう。

Miaoまた今大会ではストロー級でジェレミー・ミアドを母国で迎え撃つ、ミャオ・リータオにも注目したい。まだキャリアは5勝1敗ながらONEで挙げた3勝のうち1つは初代ストロー級王者デェダムロン・ソーアミュアイシルチョークを左フックでKO、先週のマニラ大会で内藤のび太に判定負けを喫したポンシリ・ミートサティートからは、のび太同様に判定勝ちを手にしている。

散打出身だが、足で間合をはかるというよりパンチでラッシュをかけ、テイクダウンからグラウンドでドミネイトするミャオ・リータオのスタイルだ。彼がブロウラータイプの打撃選手ミアドを完封するようなことがあれば、今後すぐにでも日本勢の前に立ちはだかってくることは間違いない。ONEでも急速に力をつけるC-MMAファイター、バンタム級のリー・カイウェンと並びミャオ・リータオはその筆頭株だ。

■ONE103対戦カード

<ONE Super Seriesキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] イリアス・エナッシ(オランダ)
[挑戦者]ワン・ウェンフォン(中国)

<キックボクシング・ライトヘビー級/3分3R>
タリック・ケバベス(モロッコ)
ロアン・クリキア(ウクライナ)

<ムエタイ73キロ契約/3分3R>
ヨーセングライ・IWE・フェアテックス(タイ)
ジャマル・ユスポフ(ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
ラウラ・バリン(アルゼンチン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
キム・ナムイ(韓国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ミャオ・リータオ(中国)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)

<キックボクシング女子フェザー級/3分3R>
ヨリーナ・バース(オランダ)
クリスーナ・ボレアー(ドイツ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
タン・カイ(中国)
エドワード・ケリー(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ユーサップ・サーデュラエフ(ロシア)
竹中大地(日本)

<キックボクシング73キロ契約/3分3R>
エンコロ・ケール(ドイツ)
アルメン・ペトロシアン(イタリア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ハシガトゥ(中国)
ラモン・ゴンザレス(フィリピン)

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