【UFC】クンチェンコ&ネルソン撃破、ドゥリーニョ─01─「ランガカー、ナジミとギで。12月12日には…」
【写真】陽気で自信に満ち溢れたドリーニョ (C)MMAPLANET
2011年ムンジアル黒帯ライト級優勝、2015年ADCC77キロ級世界3位──ジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズは、世界最高峰UFCで8月10日にアレクセイ・クンチェンコ、9月28日にグンナー・ネルソンを揃って2週間のショートノーティス出場で破った。
ライト級でのオクタゴン戦線は8勝3敗と十分な結果を残しているドゥリーニョは過度の減量が必要ないウェルター級でさらに飛躍しようと、その好調な源は組み技の試合に出続けることだという。
11月26日のUFCシンガポール大会でハーノックスの盟友ヴィセンチ・ルケのセコンドに就くために当地を訪れていたドゥリーニョにUFCで戦いとともに、彼に不可欠な組み技に関してインタビューを行った。
──2試合連続のショートノーティス、そしてウェルター級で試合をしてアレクセイ・クンチェンコ、グンナー・ネルソンを破るというとんでもない成果を挙げたドリーニョです。
「ずっと練習をしているし、ウェルター級では大変な減量をする必要がないことで結果を残せたと思う。ライト級時代のようにとんでもない減量があると、あの結果は望めなかった」
──まず8月10日、クンチェンコ戦のオファーは2週間前でした。
「既にマネージャーを通してUFCにはウェルター級に階級をあげたいという話はしていたんだ。でも、すぐに試合を組まれることはなかった。オファーを受けた時は、8月3日にロビー・ローラーがコルビー・コヴィントンと試合をするために、僕はスパーリングパートナーをしていたからコンディション的にはすぐにでも試合ができる状態にあったんだ。
だから2週間前でも、何も問題はなかった。UFCからの連絡に『イエス、この選手と戦いたい』って即答したよ」
──キャリア20連勝中の相手ですよ。迷いはなかったですか。
「確かにマネージャーですら、少し考えろって言ってきたよ(笑)。だからヘッドコーチのヘンリー・フーフトと相談をした。というか、僕はグッドシェイプだから『やりたい』って彼に伝えたんだ」
──もう一度言わせてもらいますが、キャリア20勝0敗のロシア人ファイターです(笑)。
「あのスタイル……キックボクサー相手なら、僕もキックボクシングで戦える。問題ないと思った」
──ムンジアルで優勝した柔術家で、その言葉を口にできる人はドゥリーニョしかないですね。
「アハハハ。ずっとヘンリー・フーフトの下でキックボクシングの練習をしてきたからね。なんていうのかな、クンチェンコの試合映像を見た時に『これは大丈夫だ』って直感したんだ。彼のキックボクシングはとても単調で、タイミングが掴みやすい。減量もないから体調が良くて、ウェルター級なら僕は十分にスピードのある戦いができるってね。
そしてクンチェンコは生粋のストライカー、彼は打撃だけで戦ってくる。でも、僕は柔術家だ。僕のグラップリングを警戒して戦うと、クンチェンコは持ち味を発揮できない。これは勝てるって確信できたよ。無敗のロシア人と戦うことにクレイジーだという意見も来たけど、十分に勝算があったから試合を受けたんだ。
それに20勝0敗の選手にショートノーティス出場で勝てば、誰もが僕のウェルター級での力を認めてくれるだろう? 実際に彼に勝てたことで僕は計り知れない自信を手にすることができた。そして無茶な減量をしなくて良いから体にダメージもなくて、1週間ゆっくりしただけですぐにいつも通りのハードな練習に戻ることもできたんだ」
──続くオファーとなったグンナー・ネルソン戦もショートノーティス。9月28日開催のデンマーク大会でした。「あの時はチェス・ケリーをサポートするために、カナダのバンクーバーにいたんだ。そうしたらグンナー・ネルソンと戦う予定だったチアゴ・アウベスが欠場になったというツイッターを見た。すぐに『俺が戦う』ってマネージャーにテキストを送ったよ。そして試合が決まり、ケリーの試合の翌日、フロリダに戻りネルソン戦のための練習を開始した(笑)」
──クンチェンコ戦の時はロビーのスパーリングパートナーとして仕上がっていました。ネルソン戦の時はどうだったのでしょうか。
「同じ週末に開催されるADCCに出るために、グラップリング中心だけどしっかりと練習をしていたんだ。ADCC世界大会、自分の試合だ。だからクンチェンコ戦より仕上がっていたよ(笑)。
グンナー・ネルソンはクンチェンコよりビッグネームだし、グラップリングもできる。ここで勝てばウェルター級で15位にはランクされるだろう。打撃だけでなくグラップリングでも、僕の力を示すことができる格好の相手だったんだ」
──そのネルソンに勝ち、本当に次が楽しみになってきました。できればショートノーティスでない、ウェルター級のドゥリーニョが見てみたいです。
「実はね、UFCからは今年中は試合は組めないと言われているんだ。でも、何が起こるか分からない。2度あることは3度あるっていうじゃないか。ネルソンに勝ったし、もっと良い相手と戦うためにデンマークからフロリダに戻ると、ワンダーボーイ戦を控えたヴィセンチ・ルケのキャンプに加わった。強度の高い練習をしたし、今もコンディションは上々で、いつだって試合に出ることができるよ。
もしUFCの言うように今年中に試合がないなら、またグラップリング・マッチに出ようと思っているんだ」
──ドゥリーニョはAACCだけでなく、他のグラップリングの試合も継続的に出場していますね。
「グラップリングだけでなく、道着の試合も出ているよ。11月30日にはPolaris12でトミー・ランガカーとノーギマッチを戦う。そして12月7日はエドウィン・ナジミと、これもギ・マッチだ(笑)」
──ランガカーとナジミと道着マッチ?! なんてことですか!!
「それだけじゃない。12月12日にはラスベガスのクインテットで戦うことになるだろう。もうサインは終わったよ」