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【KSW51】反則絡みの裁定をモノにしたアントゥン・ラチッチが、スタシャクを下し初代バンタム級王者に

<KSWバンタム級王座決定戦/5分5R>
アントゥン・ラチッチ(クロアチア)
Def.2-0:48-46.48-47.47-47
ダミアン・スタシャク(ポーランド)

スタシャクは自らのローのタイミングで押し倒されるも、すかさず起き上りながらテイクダウンへ。ラチッチはここでバックを取られ両足をフックされる。手首を掴んで絞めを防ぐラチッチは、右腕もフックされるなど危ない時間が続く。2分を経過し、ロールから立ち上がったラチッチがスタシャクを前方に落とそうとする。スタシャクが腕十字に切り替えようとしたところで、スラムで叩きつけたラチッチがトップを取り返す。スタシャクがケージを背にして立ち上がるも、ケージに押し込まれた状態が続く。ヒザをもらいながら離れたスタシャクが後ろ回し蹴り、さらに下段&前蹴りと空手流のファイトを見せた。

2R、スタシャクが左右のロー、ラチッチの右オーバーハンドは空振りになったが、直後のワンツーの右が顔面を捕えダブルレッグへ。ギロチンを仕掛けながらも、頭を抜いてスラム気味に上を取ったラチッチは左のパウンドを落とす。シングルを仕掛けて立ち上がったスタシャクをがぶったラチッチが離れる。ワンツーに続く左ボディを当てたスタシャクに対し、ラチッチが右フックをヒットさせる。フック&ステップインのラチッチは、スタシャクのアッパーを受け、続くローで体がよれる。

残り90秒を切り、ローにダブルレッグを合わせたラチッチは尻もちから立ち上がったスタシャクをケージに押し込む。ウィザード&内股の投げを耐えたラチッチがダブルレッグでテイクダウンを奪う。ラチッチはハーフで抑え、スタシャクはバタフライガードから足を伸ばして十字を仕掛けようとしたところでラウンド終了となった。

3R、右ローを蹴ったスタシャク、右フックを返すラチッチ。さらに右ストレートをヒットさせたラチッチは、ローにもワンツーを合わせる。守勢のスタシャクは真っすぐ下がり、左フックからのダブルレッグでテイクダウンを奪われる。ハーフから右腕を差して立ち上がろうとするスタシャクの顔面にラチッチがパンチを打ち込む。パンチを被弾しながら立ち上がったスタシャクがケージに押し込み、小外へ。右腕を差し替えてポジションを入れ方ラチッチがシングル、そしてアンクルピックを仕掛ける。さらにハイクロッチからダブルに移行して上を取ったラチッチがケージレスリングで試合をリードする。

スタシャクのハーフガードをニースライスでパスしていったラチッチは、パスを嫌がって腹ばいになったところでRNCを仕掛け、ブルドックチョークのような形で絞めていく。ケージを蹴ってエスケープしたスタシャクだが、立ち上がっても金網に押し込まれた形が続きこの回を失った。

4R、スピニングバックフィストをかわしたラチッチが左フックを当てる。疲れかダメージか、動きが重いスタシャクは簡単にケージに押し込まれる。アンクルを取りテイクダウンに出たラチッチだが、スタシャクが先に立ち上がる。と、ここで片ヒザをマットについた状態のラチッチの顔面にヒザを入れる反則を犯す。鼻の頭をカットしたラチッチは試合再開に応じ、スタシャクはペナルティで1Pを失った。

リスタート後、後ろ回し蹴りを入れたスタシャクだがすぐにケージに押し込まれる。離れてワンツーを入れたラチッチは後ろ回し蹴りを腹に受けた直後に、ワンツーで前に出る。ステップでかわしたスタシャクは、首相撲からヒザを顔面に突き上げる。ラチッチはダブルレッグでテイクダウンを奪い、スクランブル戦へ。スタシャクの仕掛けたゴゴチョークを逃れたラチッチはパンチを振るってケージに押し込むという戦いを繰り返す。腰が高くなっており、金網がないとテイクダウン狙いを防げないような状態になっているスタシャクは、倒されないための対応に終始した。

最終回、スタシャクの右ローをキャッチしてテイクダウンを狙ったラチッチ。スタシャクは尻もちから足を抜いて立ち上がる。攻めるラチッチもレスリングを続けるだけの体力は残っていないようだ。スタシャクはジャブ、ローを蹴るものの近距離の打撃にしては、腰が高すぎる。案の定、テイクダウン狙いにスプロールはできずケージに押し込まれたスタシャクはアンクルピックで尻もちをつかされる。

ラチッチもテイクダウンで寝技に持ち込むことはなく、ケージに押し込む手段として使っている。時間がこのまま進み、残り90秒になって両者が離れる。スタシャクはハイキック、後ろ回し蹴りを繰り出しワンツーへ。ラチッチが左フックを狙うところでアッパーを放ったスタシャクは、フックをよけてシングルレッグからバックに回る。両足をフックしてRNCの姿勢に一気に入ったスタシャクがアゴの上からパームトゥパームで攻め、時間がないとみるとパンチの連打に切り替えタイムアップに。

ラチッチはケージに上って勝利をアピール。どちらも決定打はないが、ポジションでいえばスタシャクは初回と最終回は取っている。しかし、4Rはペナルティもありこの回だけで2Pを失っている可能性もある。

結果、ジャッジの裁定は2-0でラチッチの腰に初代KSWバンタム級のベルトが巻かれた。ペナルティがなければ1-1のドローだが、自らが厳しい状況で犯した反則だけに板しかない結果だ。


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