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【DEEP92】ライト級チャンプ武田光司に挑戦、戦い続ける男=大原樹里「要は頑張るってことです」

Juri Ohara【写真】KIBAマーシャルアーツクラブの仲間が練習をする前で。フレームから離れようとする会員さんに、フレームインしてもらっての一枚(C)MMAPLANET

22日(火・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP92のメインで、大原樹里がDEEPライト級選手権試合でチャンピオン武田光司に挑戦する。

MMAを始めて10年、キャリア2年でDEEPのタイトルを獲得した武田へのチャレンジが決まった大原。試合間隔が短く、続けさまに試合を消化してきたキャリアの積み方と共に、タイトル挑戦に賭ける想いを尋ねた。


──大原選手は本当に試合数が多い選手で、デビューから10年で45試合も経験しており、この2年でいっても次のタイトル戦で9試合目になります。文字通り、年間4.5試合のペースで試合をこなしてきました。そんな大原選手が、MMAを始めたきっかけは何だったのでしょうか。

「父親がPRIDEを見ていて、それで格闘技が好きになりました。ただ中学、高校とバスケをやっていて、高校の部活を引退し運動不足になるのが嫌で。なら格闘技をやろうと思ったのですが、近くにジムがなくて。そうしたら、家の近くにKIBAマーシャルアーツが良いタイミングでオープンしたので入門したんです」

──大原選手はバスケ体形ですよね。私も娘がバスケットボールをやっていたのですが、自分たちの時代と違って部活の顧問の先生が試合中も立ち上がって、怒りまくり……怒鳴りまくりというシーンを見て、本当に驚かされました。

「僕のところも厳しかったです。特に僕は中学の途中から入部して、背が高い方で厳しく鍛えられてスタメンで使ってもらって。都大会に出られる学校ではなかったのですが、ミニバスをやっていなかったので『なにくそ精神』を持ってレギュラーになりました(笑)。高校に進んでもバスケをして1年生の時からスタメンになって……格闘技は全く関係ないですけど(笑)」

──そのMMAを始め、10年となり初めて王座挑戦となります。今の調子はいかがですか。

「とりあえず、体調は何も問題ないです。精神面もいつも通りで、今のところは何も考えないようにしています」

──先ほども言いましたが、大原選手は試合数が多いのが特徴です。

「特に深い考えはないのですが、たくさん試合をしようと軽いノリでやってきたぐらいで。たくさん試合をしていれば、それだけチャンスも増えるだろうと。デビューした翌年からその次の年にかけて初めて連敗したときに、そこからこのペースでずうっとやっている感じですね」

──集客力があって、いつも出てくれと佐伯さんから依頼されるようなことは?

「全くないです!!(笑)。むしろ休んでくれと言われています(苦笑)。でも、出して欲しいってお願いして。大きなケガもなく、やって来られたので試合に出られる体調ならどんどん試合をしていきたいです。」

──試合数をこなすと、強くなれるという考えですか。

「ハイ。試合に向けてずっと練習して、実際に戦って。そして少し休んで、また試合に向けてやっていれば自ずと強くなれるんじゃいかと」

──負けた時に、少し自分を見直すために時間を置こうという風にはならなかったですか。

「負けた時は……ちょっと考えた方が良いのかと思うのですが、すぐにやってやるっていう考えになって……。ただ、それでもどこがいけなかったかを考えて、次の試合に備えることができますし。だから、1年中ほとんどの日にジムにいますね(笑)」

──それだけ試合が多いと、プロモーションサイドも取りあえず組んでおこうというようなマッチメイクになる場合もあるかと思います。

「そういうこともあるかと思います。でも、相手は誰でも良いです。試合ができれば。僕からすると、回りが相手を選んで試合をしなさすぎなんだと……」

──あぁ、そういうチャンネルになるのですね。

「だって自分なんて、相手を選べる立場じゃないですからね。ただ、フェザー級のときは減量が厳しいというのがあり、ライト級に戻してからは戦いやすいですね。もともとライト級で試合数が多かったので、通常体重が71キロぐらいになって。なら65キロでもできるかなと思って落とすことにしたのですが……まぁ、辛かったです(笑)。今はずっと同じ体重でいることができるので、凄く楽ですね」

──ではこのタイミングでの挑戦というのは?

「正直、全く思っていなかったです」

──あるなら長倉立尚選手に勝って、もう一つというタイミングだったかと思うのですが、直後の試合は濱村健選手が相手で、これは褒美がないぞと感じました。

「まぁ……でも、他に選手もいないですし濱村選手は強いですから。それに前の試合で勝ったとはいっても判定で逃げ切ったみたいな試合だったので、しっかり勝つのにちょうど良いやって。なんか長倉選手と濱村選手は仲が良いから敵討ちがしたいみたいな話だったし、なら2人まとめてやってやろうと思って戦いました」

──続く宮崎直人戦はドローのマスト判定で敗れました。ドローだけどマストっていうのは、無理やり感があり負けた方の選手は気の毒に感じてしまいます。なら、ドローでなくて最初からマストで良いのではないかと。

「マスト判定は頭に入っていなかったです。あっ、ドローじゃないんだっていうことで、ちょっと納得できない部分ではありました」

──記録はドローで良いのではないかとも思うのですが、とにかく宮崎戦で星を落としても、成長は確実に感じさせる試合だったことは確かだと思います。

Ohara vs Ngakura「ありがとうございます。ウェイトの成果なのか、動きが変わってきたかというのはあります。あと精神的に自分のなかで変わったのは長倉選手との試合からかと。あの試合に向けて……8月に武田選手に負けて、10月は岡村選手とドロー。ちょっと自信を無くしていたのですが、『やるしかねぇ』と逆に思い切ってやろうと戦ったことで、吹っ切れた部分はあります」

──そして9月に岡村選手に62秒で一本勝ちし、挑戦権を獲得しました。

「どのような形でもチャンスを得ることができたので、ここも思い切ってやるだけだと思います」

──大原選手も触れられていたように昨年8月にキャリア7戦目の武田選手と戦い、2Rで判定負けとなりました。テイクダウン&コントロール地獄から抜け出せない試合展開でした。

Ohara vs Takeda「レスリング力に差があり過ぎました。上手かったです。凄く柔らかくて。立たして、倒して。動かして、仕留めるというような。だから動くことはできるのに、最後の一逃げができない。巧かったです。

でも、あの頃の僕は今ほど思い切りが良くなかった。それに倒されない自信は去年よりあります。出稽古で組みの強いカタナ・ジムの佐藤(洋一郎)選手とやらせてもらったので、レスリングも強化されています」

──ウェルター級の佐藤選手と組んできたのですね。そこで対策も練ってきたと。

「触らせないイメージで、やってきました。ジャブを打って、テイクダウンをしてこられても全て外す。変に付き合わない。要は頑張るってことです(笑)」

──要は頑張る、良い言葉です(笑)。

「倒したい選手と倒されたくない選手の戦い。倒されたら向こうの勝ち。倒されなかったら、僕が勝ちます。ホントにクラッチさせないことですね。クラッチされたら、必ず倒されますから。武田選手もデビューした時は凄く試合をしていましたけど、チャンピオンになってからはケガもあって試合数が減っています。僕は1年で5試合目です。その分、縮まっていると思います。

ここまで来るのに10年かかりました。なので全てをぶち込んでベルトを獲りたいです」

──チャンピオンになっても、今のような試合数をこなしていこうと考えていますか。

「ハイ。試合に呼んでくれれば大きなところも出ますし、DEEPが許してくれればこのペースで戦っていきたいと思います」

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