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【ONE100】ビビアーノと4度目の対戦へ、ケビン・ベリンゴン「僕が王者だと証明するためだけに戦う」

Kevin Belingon【写真】ベリンゴンのフィジカルとスタミナの強さが、打撃と強靭なスプロールやブリッジを生み出す(C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

13日(日)に東京都墨田区の両国国技館で開催されるONE 100 Centuryで、ケビン・ベリンゴンがONE世界バンタム級王者ビビアーノ・フェルナンデスに挑戦する。

3月の日本大会で後頭部へのエルボーで反則前となり、ベルトを失ったベリンゴン。昨日、掲載したビビアーノのインタビューでは、反則のエルボーについて厳しい論調が繰り返されたが、ベリンゴンはあの裁定をどのように捉えているのか。

そして、4度目の対戦への決意を訊いた。


──チームラカイはジムを移転したのをネットで見ました。

「ウッラー。新しいジムは設備がより整い、マットスペースも大きくなった。何より、僕やチームメイトにとってケージで練習できるようになったことが凄く役立っている。本当に新しいジムは僕らのためになっているよ」

──新しいジムはプロ練習が行われていたラ・トリニダードにあるのですが、それともバギオなのでしょうか。

「トリニダードだよ。前のジムのすぐ近くさ。今はトリニダードに2つのジムがある形で、プロの練習は新しいロケーションで行われているよ。新しいジムで練習するようになり、気分も新たに練習ができている。ケージのあるジムは、チームラカイがこれまでやってきたことのシンボルだ。僕らが流した汗の結晶だからね。10月13日に向けて、ハードな練習を新しくなったジムでもこなしているよ」

──東京ではビビアーノ・フェルナンデスの王座に挑戦します。ところで前回の反則負けでタイトルを失ったことについて、改めてどのような想いでいるのかを教えていただけますか。

「反則負けという裁定は残念でしょうがなかったよ。決してわざとやったわけでなく、MMAの戦いのなかでは自分も動くし、相手も動くから狙った場所に攻撃が入らないこともある。だから、あそこでビビアーノが戦えないとなっても反則負けというのは……ノーコンテスト、もしくはテクニカル判定であの時点までのスコアを集計するという形なら、納得できたけど……。反則負けという結果にはガッカリしたよ。

後頭部を狙ってエルボーを出したわけじゃない。ビビアーノが動いたから、後頭部に当たってしまったんだ。そういうことは試合中に起こり得ることだからね」

──そこに触れても何もならないのですが、ケビンから見てビビアーノはもう戦えないように感じましたか。

「ウッラー……、僕は戦えたと思っている。凄い勢いで叫んでいたし。でも、ビビアーノは立ち上がることはなかった。もう戦いたくなくなったんだと思ったけど……まぁ、僕には本当のところは分からないよ(苦笑)。

事実は一つ。反則のエルボーを一つ、僕が彼の後頭部に入れてしまったということだから。う~ん、続けられたと思うけどね……。あれだけ怒っていたし……まぁ、終わったことだからね。

とにかく、大会終了後にチャトリが自動的にダイレクトリマッチになると発表してくれたことは嬉しかったよ。過去3カ月、ビビアーノとの対戦に向けてハードな練習を積んできた。十分な自信をもって、ビビアーノと戦うことができる」

──ところで3試合連続ビビアーノとの試合が続き、通算で4度目の顔合わせです。

「ウッラー、ビビアーノと4度目の試合をして僕がチャンピオンだと証明しなければならない。それだけが僕のモチベーションだよ。次の試合で、僕とビビアーノの因縁を終わりにしたい。僕が勝って、5度目はないようにするよ」

──ここまで同じ相手と戦ってくると、互いのやるべきことも十分に理解できていると思います。そのなかで初めて戦った時から、3度目の対戦でビビアーノのどの部分が最も進化したと思っていますか。

「もうビビアーノのことは十分に理解したよ。弱点も分かった。もちろん成長している部分も。でも、それはケージの中で確認してほしい」

──では32歳のケビンはビビアーノの39歳という年齢をどのように捉えていますか。

「年齢というのは重ねるだけで、減ることはない。そして、スタミナには絶対的に影響してくるだろう。だからこそ、僕の方が若いというのはアドバンテージになる。そして、チームラカイにとって、スタミナというのは大きな武器だ。それこそハードな練習によって築き上げられたモノだから」

──8月にマニラでフィリピンのMMA史上、最大のショーというべきイベントが開催されました。そこでラカイ勢は1勝4敗という厳しい結果でした。さらにいえば1年前はチームにあった4本の世界のベルトは、今は1本だけです。

「ウッラー。あの大会に向けて、僕のチームメイトは本当に懸命に練習してきた。そして、小さなミスを犯して敗れた。またこの敗北を糧に強くなる。あの負けはチームラカイをさらに強くしてくれるよ。弱点を克服して、僕らはもっと強くなる。

ベルトが4本から1本になった……それもジョシュア・パシオが一度は失ったベルトを取り戻したからだ。そして10月13日は僕の番だ。3月に失ったベルトをチームに持ち帰る。東京大会という大きな舞台で試合ができることを僕は感謝している。そこで、自分がやるべきことをやるだけだよ。だから、また日本のファンが僕らを応援してくれることを願っているよ」

──ケビン、今日はありがとうございました。

「ありがとう。ところで今、東京の気温はどうなっているのか教えてくれないかい? 3月の東京は本当に寒くて、僕の人生であんなに寒い時に試合をしたのは初めてだったんだ。東京に行ってからの調整も難しかった。だから10月はどうなるのかが気になってしまって……」

──今年の3月は異様に寒かったですね。アレは私たちにもっても異常でした。今は20度から30度ぐらいで、朝夕は涼しくて過ごしやすいですよ。

「おお、それを聞いて安心したよ。ありがとう!!」

■ONE100 第1部対戦カード

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アンジェラ・リー(米国)
[挑戦者] シィォン・ヂィンナン(中国)

<ONEフライ級(※61.2キロ)ワールドGP決勝/5分3R>
デメトリウス・ジョンソン(米国)
ダニー・キンガド(フィリピン)

<ONEライト級(※77.1キロ)ワールドGP決勝/5分3R>
クリスチャン・リー(米国)
ザイード・フセイン・アサラナリエフ(トルコ)

<キックボクシング女子アトム級/3分3R>
ジャネット・トッド(米国)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
若松佑弥(日本)
キム・デフォン(韓国)

<ムエタイフライ級/3分3R>
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
ダレン・ローラン(フランス)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
岡見勇信(日本)
アギラン・タニ(マレーシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(タイ)
リカ・イシゲ(タイ)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
仙三(日本)
リト・アディワン(フィリピン)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
プー・トー(ミャンマー)
ユン・チャンミン(韓国)

<68キロ契約/5分3R>
スノト(インドネシア)
クォン・ウォンイル(韓国)

■ONE100 第2部対戦カード

<ONE世界ライトヘビー級(※100.01キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ブランドン・ベラ(米国)

<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
[挑戦者]ケビン・ベリンゴン(フィリピン)

<ONE Super Seriesムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者]ロッタン・シットムアンノン(タイ)
[挑戦者]ヴァウテウ・ゴンカウベス(ブラジル)

<ONE Super Series キックボクシング・フェザー級ワールドGP決勝/3分5R>
ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)
サミー・サナ(フランス)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アージャン・ブララ(カナダ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ホノリオ・バナリオ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
山口VV.芽生(日本)
ジェニー・フアン(台湾)

<修斗✖パンクラス王者対抗戦ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
猿田洋祐(日本)
北方大地(日本)

<修斗✖パンクラス王者対抗戦バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ハファエル・シウバ(ブラジル)

<修斗✖パンクラス王者対抗戦ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
エルナニ・ペルペトゥオ(ブラジル)
手塚裕之(日本)

<修斗✖パンクラス王者対抗戦ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
松本光史(日本)
久米鷹介(日本)

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