【写真】88キロ級の本命は前回大会で世界的に名前を挙げたクレイグ・ジョーンズか(C)SATOSHI NARITA

28日（土・現地時間）と29日（日・同）の2日間、米国カリフォルニア州アナハイムにあるアナハイム・コンヴェンション・センターでアブダビコンバットクラブ(ADCC)主催の世界サブミッション・ファイティング選手権が行われる。

2年に1度、ノーギグラップリング世界最高峰の戦いが展開されるこの大会のプレビュー3回目は88キロ&99キロ以下級の見どころを紹介したい。

【88キロ級】
前回大会でレアンドロ・ロ、ムリーロ・サンタナを連覇して世界に衝撃を与えたオーストラリアのノーギ・スペシャリストのクレイグ・ジョーンズ、前々回大会でラファエル・ロヴァト・ジュニアやホムロ・バハウといったBJJレジェンドを下して3位入賞したロシア人レスラーのルスタム・チェシフに加え上述のベテラン、ムリーロ・サンタナ（ブラジル）らエントリーした88キロ以下級。

さらに16、17年、そして今年と柔術世界王者に輝いたガブリエル・アウジェス（ブラジル）、今年の世界柔術でルーカス・バルボーザを下して3位入賞を果たしたマテウス・ディニズ（ブラジル）、さらに強烈な絞め技を軸に一昨年、昨年と現在ノーギワールズを連覇中のジョッシュ・ヒンガー（米国）らの大物が初出場、初戴冠を狙っている。このヒンガーが台風の目になるようだと、この階級も一気に面白さが増すに違いない。

【99キロ以下級】
大本命は前回大会、初出場にて88キロ以下級を全試合一本勝ちで制した怪物ゴードン・ライアン（米国）か。怪物狩りの有力候補としては、17年のノーギワールズ覇者にして、昨年の柔術世界王者のルーカス・バルボーザ（ブラジル）、17&18年と2年連続柔術世界大会準優勝の実績を持つパトリック・ガウジオ（ブラジル）、11年のADCC世界大会を制したベテランのヴィニー・マガリャエス（ブラジル）、今年のパン大会王者フィリッピ・アンドリュー、昨年のノーギワールズ優勝のティム・スプリッグス（米国）と、準優勝のジャクソン・ソウザ（ブラジル）らが挙げられる。

しかし今回注目したいのは、今年4月の Kasai Pro 5大会にて、17年ADCC無差別級王者フィリッピ・ペナを内ヒールで仕留めて一躍注目の的となった「テックス」ことアーロン・ジョンソン（米国）だ。もともと強力なフィジカルと無類のアグレッシブさ──これが原因で元師匠のルーカス・レプリから破門を言い渡され、現在所属のユニティ柔術への移籍を余儀なくされたという──を誇っていたジョンソン。そこに昨年9月にユニティに加入したエディ・カミングス直伝の足関節が加わった今、世界のどの選手からも一本を奪う可能性を秘めた存在だといえる。ちなみにこのジョンソンは、昨年のノーギワールズの一回戦では石井慧を三角絞めで仕留めている。

ゴードンとジョンソン、米国人がブラジル人をリードする──グラップリング界の今、が見られる99キロ以下級だ。

PR

PR