【UFC242】30-27でポール・フェルダーはあり得ない……スプリットでバルボーサが敗れる
<ライト級/5分3R>
ポール・フェルダー(米国)
Def.2-1:30-27.29-28.27-30
エジソン・バルボーサ(ブラジル)
バルボーサの右ローに対し、右スピニングバックフィストを繰り出したフェルダー。この攻防をもう一度繰り返し、互いにワンツーを近距離で見せる。ローを蹴って移動するバルボーサを追いかけ、中間距離でワンツーを続けるフェイダーが組んでケージ際でクリンチの攻防に。ヒザを腹に受けてから離れたバルボーサは右ローを2発蹴り込む、思い切り振るった左フックを空振りしたフェルダーが再び組んでクリンチ、エルボーを入れる。離れ場バルボーサは左ミドルを入れ、ここで前頭部をカットし流血が激しくなったフェルダーが、「ヘッドバットで切れた」とアピールしドクターチェックが入る。
再開後、左フックを打ち合ったフェルダーは、後ろ回し蹴りを見せるが標的を失ったような形で未遂に終わる。スイッチし強烈な左ミドルを蹴るバルボーサは、続いて右ミドル。フェルダーも左ジャブを当てたが、直後に右フックを打ち返したバルボーサが初回をリードした。
2R、またもローとスピニングバックフィストの交錯から、フックの応酬となりバルボーサがスピニングバックキックを繰り出す。ローから左ボディフックを入れ、このタイミングでダブルレッグでテイクダウンとバルボーサが試合をリードする。しかし、ガードを取ったフェルダーのエルボーでバルボーサの左目尻から大量の流血が見られる。返り血で胸が赤く染まったフェルダーが腕十字、バルボーサは立ち上がって腕を引き抜く。
立ち上がったフェルダーが右ストレートをヒット、ローにも左ジャブを合わせていく。バルボーサも左フックを打ち、フェルダーの強振には右回りのサークリングで対応するが、ボディフックを打ちこまれる。続くシングルレッグは切ったバルボーサがロー、距離を詰めてエルボーを狙うフェルダーをジャブで止める。残り30秒でフェルダーが狙ったダブルレッグも切ったバルボーサは、疲れこそ見られるがこの回も取ったか。
最終回、右ミドルから左フックを放つバルボーサに対し、フェルダーは接近戦のパンチ合戦では打ち負けないとばかりにワンツーフックを打っていく。間合いを取ったバルボーサは左ミドル、フェルダーは前に出て右ストレートを入れ、左ジャブを続ける。バルボーサもフェルダーの左ジャブに右をカウンターで合わせるが、手数が多いのはフェルダーだ。ここでバルボーサのスピニングバックフィストがフェルダーを捕え、ステップインにヒザを合わせる。
さらにスピニングバックフィストとスピニングバックフィストの交錯も、蹴りのバルボーサに分がある。フェルダーは前に出続け、ワンツー、右ストレート。ステップを多用するバルボーサはジャブも被弾し、打ち負けている印象を残す。残り90秒を切り、バルボーサは右ローを蹴り、フェルダーはクリンチを選択する。金網に押し込んでエルボーを放つフェルダーだが、バルボーサは首相撲から回って離れる。フックの打ち合いからバルボーサのダブルレッグを切ったフェルダーだが、残り20秒でケージに押し込まれ最後にバック&テイクダウンを許してタイムアップに。
互いに勝利をアピールし、ウィナーコールへ。最初のジャッジは30-27でバルボーサ、続くジャッジは29-28でフェルダー、最後のジャッジのスコアが30-27と告げられた時点でバルボーサは目を瞑りながらも安堵の表情を浮かべ、右手を挙げる。一方のフェルダーは腰に両手を当てて俯く──が、名前を呼ばれたのはフェルダーに。涙を流すフェルダーだが、観客はブーイング。バルボーサ陣営は信じられないという表情を浮かべ、実際に30-27でフェルダーはあり得ない裁定といえるだろう。