【UFN157】体格差をスピードと精度で凌駕。なぜかスプリット裁定も魅津希がオクタゴン初勝利!!!!
<129ポンド契約/5分3R>
魅津希(日本)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
ウー・ヤナン(中国)
ウー・ヤナンの体重オーバーで、1階級上のフライ級よりもさらに重いキャッチウェイト戦で戦うこととなった魅津希──コール時にブーイングは起こらなかった。遠目の距離を取った魅津希が踏み込んでワンツー、ウー・ヤナンが左のサイドキックを見せる。魅津希はシングルで組み、パンチを入れて離れる。ローを蹴ったウー・ヤナンが、魅津希のステップインはサイドステップでかわす。ウー・ヤナンは左ジャブと蹴りで距離を保とうとするが、魅津希は右から左を当てる。関節蹴りを繰り返すウー・ヤナン、魅津希は前に出てパンチで距離を詰めようとする。やや体の伸ばし気味にパンチを伸ばす魅津希、ウー・ヤナンはカウンターを狙う。
魅津希の攻撃が当たってもリアクションはないが、精度で明らかにウー・ヤナンを上回っている。首相撲にパンチを返したウー・ヤナンの能動的な攻撃は少ない、クリンチでパンチを入れた魅津希は右をヒット、ローをかわして左を当てるなどしっかりと相手が見えていた。
2R、ジャブから右ストレートを当てた魅津希、ウー・ヤナンの前進に下がったところで左ミドルを当てられそうになる。ウー・ヤナンのパンチにテイクダウンを仕掛けた魅津希だが、ギロチンで捕らえられる。頭を抜いた魅津希、体格差があり組みは不利か。クリンチからエルボーを入れて離れたウー・ヤナンに対し、魅津希はすぐに右を当てていく。左ストレートを入れ、常に正面から攻撃する魅津希がクリンチ・エルボーを見舞う。離れたウー・ヤナンに右を入れ、近距離の打撃戦でも負けない魅津希は組まれても倒れずジャブをかわす。
組みを切ってパンチを当てた魅津希が、左フックをヒットさせる。完全にパンチの精度で上回った魅津希は、パワーで劣る部分を完全にスピードとタイミングで凌駕する。残り30秒で組んだウー・ヤナンが押し返されて離れると、魅津希がハイキックをかわして右、そしてワンツーを打って2Rが終わった。
最終回、頭を振って左ジャブを伸ばし、右につないだ魅津希はテイクダウン狙いを切って素早く距離を詰める。左チョッピング・フックを見せてから、左ジャブを当てた魅津希はウー・ヤナンのテイクダウン狙いに反応し、離れて左ジャブ。ウー・ヤナンが良いタイミングでダブルレッグを仕掛けても、魅津希は受け止めて離れる。左を当て、組まれても左腕を差し、右に差し替えてから左エルボーを打ち込むなど、魅津希は危なげない試合を続ける。
かなり削られてきたウー・ヤナンの左ジャブに対し、魅津希は右クロス。ウー・ヤナンのフックをダック、もしくはブロッキングで防いだ魅津希は、最後まで重心が上がらず戦いぬき、軸が乱れることがなかった。終盤に手数を増やしたウー・ヤナンとの打ち合いに応じ、やや劣勢になったが初回と2Rでポイントを取れている。最後まで戦う姿勢を見せた魅津希が──なぜかスプリットとなった試合で、UFC初勝利を挙げた。
「勝てなかったと思った」と英語で話した魅津希は、日本語で「どっちか分からなくて自信はなかったんですけど、勝てて言葉が出ないというか……。1年振りに母と再会して、日本から応援に来てくれて……本当に勝てて良かったです」と言葉を続けた。