【ONE97】スクランブルゲーム、ポジション奪取で上回ったマクラーレンがスプリットでキンガドに下る
【写真】ニータップを決めたキンガド(C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET
<フライ級(※61.2キロ)ワールドGP準決勝/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
Def.2-1
リース・マクラーレン(豪州)
まず右ハイを見せたキンガドは、ニータップを狙ったマクラーレンに右フックを当てる。大きな振りのパンチを見せるキンガドをダブルレッグで倒したマクラーレンは、ハーフから草刈りも潰され、マウントを奪われる。足を戻しつつ、下からエルボーを入れたキンガドをマニラのファンが大キンガド・チャントで後押し。マクラーレンは頭を跨いで腕関節を狙う。キンガドは腹ばいになり、シングルでリバーサルに成功し、上を取ると即腕十字へ。これがすっぽ抜け、スクランブルでバックを制したマクラーレンが時間をかけてRNCを狙いつつバックグラブを維持する。
手首を掴んでディフェンスするキンガドは、アゴの上からの絞めはヒジを押して解除。残り1分、パームトゥパームの絞めも凌いだキンガドがついに胸を合わせることに成功し、三角を止めて立ち上がる。マクラーレンもそのままスタンドに戻り、クリンチでロープに押し込んで初回が終わった。
2R、フックを見せてローを蹴るキンガドは、組んできたマクラーレンにローを入れるが、そのまま組みつかれて倒される。シングルから立ち上がったキンカドが当たりの浅い後回し蹴りを見せ、テイクダウンを止めただけで、怒号のような声援が沸き起こる。右を当ててダブルに成功したマクラーレンは、マウント奪取。キンガドは腰を押して、ヒップエスケープで足を戻す。
スクランブルでバックを許したキンガドは、ガードを取るとマクラーレンがしっかりと抑える。右腕を差して、リバーサル成功したキンガドに対し、マクラーレンがギロチンを狙う。頭を抜いたキンガドに足関スイープで体を入れ替えサイドを取ったマクラーレンは背中を見せて立ち上がろうとしたキンガドに両足をフックする。極められないが、劣勢のままキンガドは最終回を迎えることとなった。
最終回、ダブルレッグを内股で切り返したキンガドが上になるが、マクラーレンがスイープ狙いからスタンドへ。その瞬間にアッパーを入れたキンガドはニータップでテイクダウンを奪う。立ち上がったマクラーレンが逆にダブルレッグを決めると、マウント奪取。ハーフで右腕を差すキンガドにエルボーを落としたマクラーレンがアナコンダチョークへ。
キンガドは背中をつけて防ぎ、シットアップからダブルレッグでリバーサルに成功する。スクランブルでバックにキンガドが回ると、マクラーレンが胸を合わせる。小外掛けでテイクダウンし、パウンドを入れるキンガドがパスに成功。サイドでワキ腹にヒザをいれたキンガドが、パンチを落とす。残り10秒で立ち上がりロープにキンガドを押し込んだマクラーレンは、疲労困憊の表情をタイムアップ直後に見せた。
バックグラブというクリーンなポジション奪取で長時間過ごしたマクラーレンと、終盤にパンチやヒザをサイドから落としたキンガド。ジャッジの判断は割れ、キンガドが判定勝ちを収めた。「凄く嬉しい。もう1試合でワールドGPが終わる」とキンガドは話した。