【ONE97】松嶋こよみの挑戦を受けるフェザー級王者マーチン・ウェン「違うレベルに達することができた」
【写真】ライト級王者クリスチャン・リーが、チャンプ・チャンプ対決を望めば受けると言うウェン。ただし、階級はフェザー級限定とのこと(C)MMAPLANET
8月2日(金・現地時間)、フィリピンはマニラのMOAアリーナで開催されるONE97「Dawn of Heroes」のメインで松嶋こよみの挑戦を受けるONE世界フェザー級王者マーチン・ウェン。
ライト級をも制し、2つのベルトを手にした男は、バンタム級でのチャレンジを終え、フェザー級で戦うことに専念すると、いよいよもってその強さがずば抜け始めた。
その裏にはフロリダのハードノックスでのトレーニングが存在する。今回もフロリダでキャンプを張ったウェンが、松嶋戦に向け、ゆるぎない自信とその根拠を話してくれた。
──記者会見で松嶋選手とフェイスオフを行ったばかりです。今の心境を教えてください。
「僕は全ての対戦相手を尊敬している。皆、過去の試合で勝ってランキングを上げタイトル挑戦権を得ている。それは彼らの日々の努力の成果だからね。コヨミも同じだろう。そういう彼に対して、僕がやるべきことはこの手をレフェリーに挙げてもらうために何がなんでも勝つということだよ」
──松嶋選手がクォン・ウォンイルに勝った時に彼が次の防衛戦の相手になると思っていましたか。
「正直に言えば、その可能性はあるけどもう1試合挟むかと思っていた。ただ、ONEチャンピオンシップが彼を挑戦者に選んだのだから僕は戦うだけだ。これまでも、そうしてきたようにね」
──今日の会見でチャトリCEOが彼のことをレスラーだと言い、ONEの中継でマイケル・シアベロは空手家だと紹介しています。そんな松嶋選手のことをどのような選手だと分析していますか。
「僕はコヨミのことはONEで戦い始めるまで知らなかった。そして2試合で挑戦権を得るまで上がってきた。そうだね、これまで戦ってきたこと全てを使って勝利を目指すのは当然だけど、僕にとって彼はこれまで戦ったことがないタイプの選手だ。そして彼にとっての僕もそうだろう。まぁ、金曜日の夜は彼の全てを見極めて、KOを狙うよ」
──マーチンも松嶋選手もマラット・ガフロフに右でKO勝ちしています。
「コヨミは力のある打撃の持ち主だ。そして、非常に落ち着いて相手を見ている。僕を相手にして、近づいてきてパンチを放つことができるなら、より一層彼のことを尊敬するよ。そして、その瞬間──どちらが世界のベストが証明されることになるだろうね」
──一番警戒を要するところはどこでしょうか。
「コヨミはレスラーでパワフルなストライカーだ。特に彼のレスリング能力は高い。そこはしっかりと準備してきたよ」
──今回もフロリダのハードノックスでキャンプを張ってきたのですか。
「そうだよ。8週間半、ただ身体的に厳しい練習をしてきただけでなく、良いメンタルをキープできた。ONEとは違う場所で戦うハングリーなファイター達との練習は、僕を強くした。最高にハードなトレーニングを行い、そのパートナーたちとは家族のような心の交流がある。世界で最高のコーチング・スタッフの指導を彼らと共に受ける。ミックス・マーシャルアーチストとして、違うレベルに達することができたよ。誰ももう僕を止めることはできない」
──同じような体格の選手だと、誰とよく練習してきたのですか。
「ハードノックスにはあらゆる体格のファイターが揃っている。ショーン・ソリアーノ、ニック・レンツ、ロビン・ファン・ロスマーレン、皆が自分だけの最高の武器を持っている。そんな彼らと練習することで、僕の武器も磨くことができた。
そうそうアダム・ボリッチがアーロン・ピコ戦のためにキャンプをしていて、終盤の3週間で僕は合流したんだ。彼は次のベラトール・フェザー級GPではダークホースだけど、将来的には必ず世界王者になるだろう。アダムは僕よりリーチが長く、遠い距離も得意としている。彼と練習することで、僕の対応力は上がったよ。
このタフな環境を求めて、僕はフロリダでトレーニングをしている。イージーなことは誰にでもできる。でも、それでは何も得ることはできない。ハードノックスは世界で最高の練習環境だよ」
──8週間半の間、家族とは離れ離れだったのですか。
「そうだよ。家族は豪州にいた。でもテクノロジーの進化に感謝している。毎日のように顔を見ながら話すことができる。ただし、一緒にいられないことほど辛いことはない。全てを犠牲にしても僕は強くなって、世界のベルトを守りたいんだ。そして、この環境が僕をよりハングリーにしてくれた。それもワイフの理解と、サポートがあって成し得ることができる。だから本当に彼女には感謝しているよ」
──ところでハードノックスには日本のUFCファイターである佐藤天選手も所属しています。
「タカシはコヨミとも練習していたから、彼の顔を見るたびでに『コヨミのことを教えれてくれよ』って話しかけていたんだ(笑)。もちろん、タカシから何かを得たいわけじゃない。彼をからかうことが楽しくてね」
──では、4月にジャダンバ・ナラントンガラグを破ってからマーチンが最も進化した部分はどこだと捉えていますか。
「打撃もレスリングも当然のように成長している。ヘンリー・フーフトによって、これまで持っていた僕の全てのスキルがシャープになり、進化した。その結果、一番成長した部分は自信を得ることができたことだと思っている。全ての技をスムーズに使うことができるようになってきたんだ。それは自信がついたことで、精神的に安定しているからだと思う」
──いやぁ、いよいよ強さに磨きが掛かったということですね。では最後に日本のファンに一言お願いします。
「日本の皆、いつもAbema TVを通して応援してくれてありがとう。皆には申し訳ないけど、金曜日は僕の手が挙げられてコヨミは負けることになる……でも、しっかりと僕らの試合を見てほしい」
■ONE97対戦カード
<ONE世界フェザー級選手権試合(※70.3キロ)/5分3R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]松嶋こよみ(日本)
<Super Seriesムエタイ・世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者]ジョナサン・ハガディ(英国)
[挑戦者] ロッタン・ジットムアンノン(タイ)
<ライト級 (※77.1キロ)ワールドGP準決勝/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
エディ・アルバレス(米国)
<フライ級(※61.2キロ)ワールドGP準決勝/5分3R>
デメトリウス・ジョンソン(米国)
和田竜光(日本)
<フライ級(※61.2キロ)ワールドGP準決勝/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
リース・マクラーレン(豪州)
<Super Series ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ロドレックP.K.センチャイムエタイジム(タイ)
クリス・ショウ(英国)
<フライ級(※61.2キロ)ワールドGP補欠戦/5分3R>
ジェヘ・ユースタキオ(フィリピン)
若松佑弥(日本)
<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アージャン・ブララ(カナダ)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ホノリオ・バナリオ(フィリピン)
パク・デソン(韓国)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
レアンドロ・イッサ(ブラジル)
竹中大地(日本)
<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ジェイムス・ナカシマ(米国)
岡見勇信(日本)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドワード・ケリー(フィリピン)
シエ・ビン(中国)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ポンシリ・ミートサティート(タイ)
ミャオ・リータオ(中国)
<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
サマラ・サントス(ブラジル)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
スノト(インドネシア)
ムハメド・アイマン(マレーシア)