この星の格闘技を追いかける

【ONE97】竹中大地─01─「タイガームエタイで練習している時に、レアンドロ・イッサ戦のオファーが」

Daichi Takenaka【写真】このタイミングでレアンドロ・イッサ、決して楽ではないが意味のあるマッチアップをビッグショーで用意された竹中(C)MMAPLANET

8月2日(金・現地時間)、ONE97「Dawn of Heroes」がフィリピンはマニラのMOAアリーナで開催され、竹中大地がレアンドロ・イッサと対戦する。

元修斗環太平洋バンタム級王者は負傷による1年8カ月の長期欠場後、戦いの舞台をONEに求め昨年2月のキム・デフォン戦でデビューを果たした。竹中らしい動きでバックを奪取し、スタンドでRNC。勝負あったかと思われた刹那、デフォンの前転で頭部からマットに直撃し反則勝ちとなった。

その後はファイトウィークに現地入りしてから、対戦相手の体調不良と計量オーバーで2度に渡り試合が流れた。今年の2月にマーク・アベラルドと対戦し、テイクダウンからコントロールで圧倒しながら下からのエルボーで唇をカット、ドクターストップで初黒星を喫した。

前回の勝利が反則勝ちで実に2016年6月から勝ち名乗りを受けていない竹中、レフェリーに腕を挙げられる瞬間を熱望する彼にイッサ戦に向け話を訊いた。


──2月のマーク・アベラルド戦で、初黒星を唇のカットによりTKO負けで喫しました。まずはあの試合について振り返ってもらえますか。

「極めなアカンかった試合でした。極めることができると思って戦って、取りそこなった。結果論ですけど、もっとパウンドを落としたり、他の手段があったかと思います」

──あれだけ圧倒していたのに、3Rに動きが落ちて止まるように見えました。

「僕としては動いていると思っていたし、スタミナが切れることもなかったです。3Rはテイクダウンを狙った時にアベラルドのヒジが後頭部に当たって……そこから動きも悪くなったとセコンドにも言われました。セコンドもその場でアピールして、試合後も抗議してくれたんですけど、映像では見えないところだったので裁定に変わりはないという感じでした」

──竹中選手自身はヒジが後頭部に当たったという感覚はあったのですか。

「試合中は必死だったので分かっていなかったのですが、試合が終わってから後頭部が痛くて……」

──TKO負けの要因となったエルボーも、唇をカットという不運でしかないような結果でした。

Takenaka「う~ん、唇だったから止められたというのはあると思います。言うてもしょうがないですけど、少しずれていたらとかは思いました……。ただしエルボーが後頭部に入ったのも、唇が切れたのも試合をしていれば起こることです。それも一本を取りに行って、取れなかったからです」

──1年間、試合が空いてしまったことでブランクを感じることはなかったですか。

「それは分からないです。傍から見てどう思われるかですけど、僕は感じなかったので」

──では5月にアベラルドが佐藤将光選手にTKO負けしたことについては?

「アハハハ。試合が決まった時点で佐藤選手が勝つと思っていました。分かっていた結果ですけど、やはりその相手に負けたことが悔しいです」

──かつては勝利している相手ですが、思うところはなかったですか。

「そこを意識することは別にないです。佐藤選手は厳しい試合をクリアしてきて、次はパンクラスとチャンピオン対決なんでしょうけど、僕と戦ったときよりずっと強くなっていると思います」

──対して、竹中選手はイッサ戦が控えています。良い相手を当ててもらっているかと。この試合のオファーはいつ頃にあったのですか。

「ちょうどプーケットのタイガームエタイで練習をしてきた時なので……5月の末にもらって、『やる』と答えました」

──タイガームエタイで練習をしてきたのですか!! そういえば竹中選手はONEが日本大会後にプーケットで開いたエリート・アスリート・リトリートに呼ばれていましたね。

「ハイ、負けてんのに呼ばれて……」

──青木選手や海外勢とロールをしたそうですね。

「青木選手のグラップリングをしているところが見られて嬉しかったです(笑)。ファン目線で青木選手の練習を見ていました。あとはアドリアーノ・モライシュとスパーをやらせてもらって……リラックスしたグラップリングだったのですが、凄く上手かったです」

──プーケット繋がりでタイガームエタイでは、どれぐらいの期間練習したいたのでしょうか。

「5月の中頃から末まで2週間ぐらいですね」

──タイガームエタイで練習しようと思ったのは?

「海外で練習したことがなかったので1度行ってみようと思っていて、タイガームエタイが行きやすかったからです。実際、宿もあるしご飯屋さんも近くにあって凄く安いですし。僕が行く前に白川ダーク陸斗君や金太郎も行っていて、『良い刺激になる』と聞いていたので」

──実際に練習をしてみていかがでしたか。

「練習量自体は日本にいるときの方が多いです。プロ練習は1日1回、朝はどこかのクラスに入る感じで。僕自身はグラップリングやキックのクラスに出て、プロ練に参加するような感じでした。それでも暑いし、密度の濃い練習もあり、日本にいるのとはまた違うなって。相手もロシアのフェザー級やライト級の選手、韓国のAngels Fightのチャンピオン、トップノイ・タイガームエタイとかいて、刺激になりました」

──手応えは?

「通用する部分はあるなって思いました」

──いや竹中選手が通用とかでは……ドミネイトしてもらわないと。

「いやぁ、ハハハハハ。ドミネイト……を意識するよりもトライしていたので、まぁ結局ドミネイトすることもあったんですけど(笑)。ただ、たまに短期練習に行くところやなって。基本、練習時間以外は何もやることがなくて暇だったんで(笑)。何日かいると飽きちゃいますね」

<この項、続く

PR
PR

関連記事

Movie