【UFC240】近距離スイッチのホロウェイに対し、エドガーは待ちの無限ループ・ステップしかないのか……
【写真】エドガーを相手に圧倒的に優位と思われるホロウェイだが、ライト級で戦い敗れた影響は?(C)
27日(土・現地時間)、カナダ・エドモントンのロジャー・プレイスで開催されるUFC240「Holloway vs Edgar」。メインでUFC世界フェザー級王者マックス・ホロウェイがフランキー・エドガーを相手に3度目の王座防衛戦を行う。
この両者は昨年3月に対戦予定だったが、ホロウェイの負傷欠場で試合が流れた経緯がある。その9カ月後にホロウェイはブライアン・オルテガを一方的に攻め続け防衛に成功も、今年の4月に暫定ライト級王座をダスティン・ポイエーと争い、打ち負けている。フェザー級ではリーチの差を生かし、相手の攻撃を受けることなく勝ってきたホロウェイが、ライト級ではその利点が無くなっていたことで、ストロングポイントがより鮮明になった。
対するエドガーはホロウェイ戦が飛ぶと、代替マッチのオルテガ戦で初回KO負けを喫し、4月にカブ・スワンソンに判定ながら圧勝し早々の復活、ジョン・チャンソン戦のキャンセルを経て挑戦権を手にした。因みに27歳の王者に対し、37歳となった元ライト級王者は過去に暫定王座決定戦と世界挑戦の2試合でジョゼ・アルドに敗れ、この階級ではベルトを巻いたことがない。
エドガーにとって3度の正直──となるべくホロウェイへのチャレンジだが、厳しい戦いが予想される。ライト級時代に、そのスピードをいかし、横8の字=無限大ループ(∞)のステップを踏みつつテイクダウンに結びつけていたエドガーも、今や彼のコーチであるマーク・ヘンリーが「テイクダウンディフェンスが向上した」ことで戦い方を変える必要性が出てきた。
スワンソン戦のエドガーは、常にプレッシャーを当て近距離で強い打撃を入れるようになっていた。その打撃に反応することで組んでバックに回るというスタイルを再構築したエドガーだが、公称ではわずか2センチながら実際には相当のリーチ差があるホロウェイを、この戦い方で切り崩すのは困難だ。
これまでステップを使い、相手を混乱させてパンチを当ててきたエドガーだが、スワンソン戦で見せたような近い距離で圧力を掛けるには、ホロウェイのジャブと蹴りという防御壁を打ち破る必要がある。しかし、体格で上回るホロウェイは正面に立って、対戦相手の迷わせる打撃の持ち主だ。
サウスポーでは右ジャブ、左のストレート、そして左ミドルやハイキック。オーソでは逆に左ジャブ、右ストレート、右の蹴りを上中下に散らすだけでなく、ジャブの踏み込みで右のスピニングバックキックを蹴り込む。加えて、どちらの構えだろうが蹴った後に軸足を入れ替えて、上記の攻撃を左右の構えからスピーディに繰り出す。この変幻自裁のスイッチに対戦相手は、反撃はおろか防御を取ることもできない。
エドガーがこの制空権の中に入れるとすれば、打撃の圧力でなく組みの圧力に掛って来るが、やはり両者の体格差が問題になる。動いて相手を混乱させてきたエドガーだが、今回は動きながら待つという戦い方が必要だ。以前のような無限ループのステップで、最後は攻撃に出るのではなく、あくまでもつかまらないように戦いホロウェイを誘い出す。勝ち気に早ったホロウェイの攻撃が粗くなれば、エドガーの攻撃が当たる可能性が高くなる──、あるいはいきなりの踏み込みで右を打ち抜くか。本当に厳しい挑戦になるエドガーだ。
■ UFC240対戦カード
<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
【王者】マックス・ホロウェイ(米国)
【挑戦者】フランキー・エドガー(米国)
<女子フェザー級/5分3R>
クリス・サイボーグ(ブラジル)
フェリシア・スペンサー(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ジョフレイ・ニール(米国)
ニコ・プライス(米国)
<ウェルター級/5分3R>
オリヴィエ・オバメルシエ(カナダ)
アルマン・ツァルキャン(アルメニア)
<ミドル級/5分3R>
クリシュトフ・ヨッコ(ポーランド)
マフクアンドレ・バリユー(カナダ)
<女子フライ級/5分3R>
アレクシス・デイヴィス(カナダ)
ヴィヴィアニ・アロージョ(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
ハキーム・ダラドゥ(カナダ)
堀江圭功(日本)
<フェザー級/5分3R>
ギャビン・タッカー(カナダ)
チェ・スンウ(韓国)
<フライ級/5分3R>
アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)
デイヴィソン・アルカントラ(ブラジル)
<女子フライ級/5分3R>
ギリアン・ロバートソン(カナダ)
サラ・フロタ(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
カイル・スチュアート(米国)
エリック・コク(米国)
<ヘビー級/5分3R>
ジアコモ・レモス(ブラジル)
タナー・ボーザー(カナダ)