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【ONE95】再出発=クォン・ウォンイル戦へ、松嶋こよみ─01─「日本大会を重視することはない」

Koyomi Matsushima【写真】より視界がクリアになった感のある松嶋だ (C)MMAPLANET

15日(土・現地時間)、中国・上海のバオシェン・ティユウ・チュンシンで開催されるONE95「Legendary Quest」で松嶋こよみがクォン・ウォンイルと対戦する。

昨年9月に元ONE世界フェザー級王者、最恐ダゲスタン軍団のマラット・ガフロフにKO勝ちで衝撃のONE初陣を飾った松嶋だが、その試合で右の拳を負傷。そのうで、期待された日本大会の出場もなかった。

乾坤一擲の勝負に勝ち上がったものの、キャリア的に跳ねるモノがなかった8カ月を過ごし、松嶋は自らがONEで戦う意味を再確認できていた。


──今週末にクォン・ウォンイル戦が控えている松嶋選手です。昨年9月のムラット・ガフロフ戦というのは、なかなかある勝利ではないと思っています。あのタイミングで、あの相手にKO勝ち。しかし、負傷もあって大きなステップにできなかったという事実があります。

「そうですね。日本大会を見据えて練習を始めたときに、また拳をやってしまって。最初の手術から暫らくたって、まだ完調ではなかったのですが……そうしたらという具合で。それでも日本大会に出られるなら、出るつもりでいました。結果、日本大会の出場がなくなったので再手術をしたんです。

だから……なってしまったことはしょうがない。そういう風に自分のなかでは思っています。これだけ試合間隔が空いたことはなかったので、『戻って来られるのかな?』、『もうダメかもしれない』という想いになったこともありましたけど。そのなかでも練習は好きだし、続けてきたのでそういう不安を払拭する試合がしたいです」

──つまりは日本大会に出られていたら、手術はしていなかった。

「ハイ。それがなくなって期間が空いてしまうので、なら手術をしてしっかりと直そうと思いました」

──日本大会へのオファーがなかったことに関しては?

「普通に不思議な気持ちにはなりました。有名な選手が多く出ていて自分はそんなもんなんだ、まだ足りなかったんだと少ししてから思うようになりましたけど」

──格闘技は勝つと、見返りを求めてしかりです。ガフロフ戦に勝利したのだから、より上の相手、より良いスポットの当たる場を求めるのは当然です。

「タイトルマッチにならなくてもクリスチャン・リーだとか、ゲイリー・トノンが日本大会に出場するということで、その辺りと戦えるんじゃないかと思って準備はしていました」

──大会の特色というか、トノンは顔見せでフェザー級はタイトルマッチに絡むカードは組まれる余地はなかったですね。

「そうですね。トノンの相手も相手だったし。なので、もう日本大会前に手術をしたんです」

──そのような状況で日本大会を実際に見て、何か想うところはありましたか。

「いえ、会場には行っていなくて」

──そうったのですか!! それは悔しかったから?

「いえ別に家で視られるので、それで良かったです。その場にいたわけでなかったので分からないのですが、盛り上がっているのは伝わってきました。そして、ここで戦いたかったという気持ちにはやはりなりました。

でも日本大会が終わってからは、そんなことに拘る必要はなかったと気づきました。海外で強い選手と戦うためにONEと契約したのだから、何も日本大会を重視することはないって」

──確かにその通りですね。

「だから次の10月の日本大会に出たいという気持ちもなく、強い相手とどこでも良いから戦いたいです」

──日本でお世話になっている人の前で戦いたいという気持ちは当然あっても、そこを重視するあまりキャリアの構築に影響が出ると本末転倒ですしね。松嶋選手はご自身が言われたように日本大会に拘る必要はなくて良いかと本当に思います。

「ハイ。日本大会のために焦ったこともあったので、この経験ができて良かったです。焦ったことも勉強になりましたし、自分が何をすべきが再確認ができました。そこは経験しないと気づかなかったことかもしれないです。再手術をしたことで拳も完治しましたし、どこの国のどんな会場で戦っても試合は試合なので。そういう感じになれましたね」

──達観できていますね、まだ若いのに。

「いや、もう26歳だし若いとは思っていないです。年下で強い選手はいくらでも出てきている。危機感ばかりです」

<この項、続く

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