【Pancrase305】ISAOと王座統一戦、正規王者ナザレノ・マレガリエ「PFLを経験し賢く、強くなった」
【写真】テル・チグレ、虎がトレードマークのフェザー級KOPナザレノ・マレガリエ (C)MMAPLANET
26日(日)に東京都江東区の新木場スタジオコーストで開催されるPancrase305のメインで、フェザー級キング・オブ・パンクラシスト正規王者ナザレノ・マレガリエと暫定王者ISAOが王座統一戦を戦う。
2年2カ月振りの来日となるマレガリエは、昨年はPFLで100万ドルを目指し戦ってきた。1勝1敗でプレーオフに進み、準々決勝でスティーブン・サイラーにドローもトーナメント脱落となったPFLでマレガリエは何を経験し、どのように成長しているのか。調印式直後に話を訊いた。
──再びパンクラスで戦うこととなりました。
「いつも言っているように日本が大好きだし、ずっと恋しかった。僕らとは本当に違う、日本の人達のことも大好きだからね。米国と違い、再び選手を尊敬しファイトを分かっている日本の皆の前で戦えることが嬉しいよ」
──昨年はパンクラスのベルトを保持したままPFLで戦いました。チャンピオンのまま他のプロモーションで年間に渡りファイトをするというのは、この世界では珍しいことですね。
「そうだね、今もパンクラスの王者でいることは幸せなことだよ(笑)。ただし、ベルトを返上しなければいけない状況だったとしても、また戻ってきてタイトルマッチで戦う権利を得るために試合を戦っただけだよ。そしてチャンピオンに返り咲くことになっていたはずだ(笑)。
何よりタイトルが掛かっていようが、掛かっていまいがファイトはファイト。ベルトの有無に関係なくケージの中に入って、拳を突き合わせる。そうなるとベルトも何も関係なく、ベストを尽くして戦うことが大切になってくるんだ」
──短期間での連戦、4人制ワンナイトTのプレーオフなどPFLのフォーマットは、シングルマッチの積み重ねの他のMMA大会とは別物です。そんなPFLで何を学ぶことができましたか。
「その通りで、凄く興味深いことが多かった。5、6週間の間隔で試合するのでKO負けすると、コミッションから許可が下りず試合をこなせなくなる。一つ一つの試合と違い、これから先を考えるというのは他にない経験だった。
それにプレーオフになると、2R制で19-19でドローでも初回を取った方が準決勝に進む。それで僕は負けなかったけど、先に進むことはできなかった」
──より不確定要素が多いゲームになります。
「そうだね、3Pでもう十分──これでプレーオフに進めるだろうとか、ノックアウトしないと先に進めないとか考えて戦う。こういう他にない経験をするとファイターとしてだけでなく、人間としても成長できるよ。
4カ月で3試合を戦う、こんなペースで戦った経験なんてなかった。それにファイトだけなく、準備期間もまるで違ってくる。オーバーワークになりやすいし、色々と考えることが多かった。そんな経験が僕をスマートなファイターにしてくれたんだ」
──PFLは2019年シーズンが始まっており、昨年出場していたファイターの出場もあります。ナザレノはPFLで戦い続けるという選択肢はなかったのですか。
「僕は準々決勝のドローで準決勝に進めなかった。PFLはセミファイナルに残ったファイターをピックしているんだ。僕はPFLで戦うと決めた時に『また日本で戦えるようになったら、タイトル戦を戦ってほしい』と言ってくれたパンクラスの人達のことが大好きだ。
PFLで戦ったのはビジネス、マネーだ。MMAは僕にとって仕事だからね。だから、またこうして日本に戻ってきてパンクラスで戦えることは嬉しくてしょうがないよ」
──記者会見ではタイトル戦に集中して、今後のことは考えていないと発言していましたが、実際にパンクラスとONEは提携しており、チャンピオンがONEと契約するという発表もありました。「その話は素晴らしいことだよ。ただし、試合前に次の一歩に関して考えたくないんだ。僕は日曜日に戦う。そこに人生の全てを掛ける。勝ったら、次のことを考えるよ。ONEで戦えるかもしれない、良いことだよね。でも、ソコを考えることで集中力を失いたくない」
──PFLで戦っている時はとはまるで違いますね。
「その通りだ(笑)。ホントに別物だよ。どちらが良い悪いでなく、やはり1試合ごとに集中するほうが戦いやすい。ただし、あの経験が僕を強くしてくれた。パンクラスから1月後にもう1試合と言われても、今の僕なら応じることができるよ(笑)。そして、あの少しでも早く勝った方が優位になるPFLのフォーマットで戦ったことで、5分✖5Rの試合での僕はより強く、賢くなったといえるだろう」
──自信満々だと。
「自信がなければ、試合は受けないよ(笑)。ISAOは頭が良くて経験も豊富だ。でも、自分の試合ができると断言できる」
──ナザレノは相手を自分のコントロール下におく戦いをしますが、ISAO選手は1秒、1発に掛けた戦いも得意にしています。
「だからこそ、集中力が大切になってくる。スピードがあって、とてもデンジャラスな相手だから我を忘れたような試合にだけはしない。最後の一瞬まで気を抜かないで戦うよ」
──落ち着いて戦う必要があると。
「落ち着いて……というのとも違うんだ。試合前にどれだけ試合展開のこと考えて準備をしてきても、まるで違うことが起こる。それがファイトだから。大切なことは、そうなった時にどう集中力を維持して戦えるのか。100万の展開を準備しても、100万1個目の試合展開を相手が用意してくる。そこに対処できないと、MMAは戦えない」
──素晴らしい心構えですね。では日曜日の試合に向けて、日本のファンに一言お願いします。
「タイトル戦の機会を与えてくれたパンクラスに本当に感謝している。日曜日、ISAOがベストを尽くして戦うことは分かっている。僕も同じように戦う。そして勝つ。全ての準備はしてきた。立ち技でも寝技でも、ファンに喜んでもらえる試合をするよ。ありがとう」
■Pancrase305 対戦カード
<フェザーKOPT/5分5R>
[正規王者]ナザレノ・マレガリエ(アルゼンチン)
[暫定王者]ISAO(日本)
<フライ級/5分3R>
マモル(日本)
小川徹(日本)
<フェザー級/5分3R>
田村一聖(日本)
摩嶋一整(日本)
<ウェルター級/3分3R>
近藤有己(日本)
郷野聡寛(日本)
<バンタム級/5分3R>
福島秀和(日本)
春日井たけし(日本)
<バンタム級/5分3R>
大橋悠一(日本)
ディションバイ・ベキトベック(キルギス)
<バンタム級5分3R>
米山千隼(日本)
JOEY BOY(グアム)
<フェザー級/3分3R>
杉山和史(日本)
川那子祐輔(日本)
<ストロー級/3分3R>
宮沢雄大(日本)
リトル(日本)
<バンタム級/3分3R>
坂野周平(日本)
花レメ紋次郎TK(日本)
<ライト級/3分3R>
友實竜也(日本)
山本雄希(日本)
<フェザー級/3分3R>
渡辺謙明(日本)
加藤泰貴(日本)
<バンタム級/3分3R>
前田浩平(日本)
宮川峻(日本)
<バンタム級/3分3R>
工藤修久(日本)
関原翔(日本)
<バンタム級/3分3R>
後藤丈治(日本)
聖王DATE(日本)
<ネオブラッドTフェザー級1回戦/3分3R>
齋藤拓矢(日本)
葛西和希(韓国)
<ネオブラッドTバンタム級準決勝/3分3R>
永井佑虎(日本)
平岡将英(日本)
<ネオブラッドTバンタム級準決勝/3分3R>
山本敦章(日本)
上野惇平(日本)
<ネオブラッドTフライ級準決勝/3分3R>
赤崎清志朗(日本)
下田洋介(日本)
<ネオブラッドTフライ級準決勝/3分3R>
猿飛流(日本)
三澤陽平(日本)