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【CJJW】寝技で掌底有り柔術に出場=所英男─01─「今成さんや金原さんにビンタしてもらって」

Hideo Tokoro【写真】41歳、破天荒なチャレンジ精神は健在──所英男(C)MMAPLANET

26日(日・現地時間)、カリフォルニア州ロングビーチのサンダースタジオで開催されるコンバット柔術ワールズに、日本から所英男が出場する。

コンバット柔術は10th Planet柔術のエディ・ブラボーが、プロモートするノーポイント&サブオンリーのEBIから、男子は寝技で掌底打ちが認められたルールを採用したコンバット柔術に特化することなり大会が開かれている。

今回はコンバット柔術世界バンタム級王座を賭けて16人のファイターが参戦する。なぜ所英男が今、このトーナメントに出場するのか、そしてコンバット柔術とは何なのかを尋ねた。


──もう今週末、ロングビーチでEBIならぬコンバット柔術ワールズに出場する所英男選手です。改めて、なぜグラウンドでは掌底有りのコンバット柔術の大会に出ようと思ったのでしょうか。

「コンバット柔術のバンタム級のトーナメントがあることをSNSで知り、QUINTETと10th Planetの関係が凄く良いので、エディ・ブラボーさんに出場できないか打診してもらったらOKが出たんです」

──つまり所選手の方から出たいと。

「ハイ。そうです」

──う~ん、なぜ所選手のように名前もある選手が、10分✖1Rの16人のワンナイト・トーナメントに出たいと思うようになったのか……。

「クインテットの無差別というカテゴリーで負けまくって、3回失神してニッキー・ライアンにも秒殺されました。グラップリングなら無差別でもなんとかなるという考えでいたのですが、それが厳しくて。自分の階級でやってみたいという気持ちになったんです。

バンタム級で寝技を戦えばどうなるのかと考え、同時に2年近く試合から遠ざかっているMMAでもまだ戦いとたいと思って練習しているので、この寝技で掌底有りというのは中間にあって、今の自分が挑戦するのにちょうど良いかと感じました。タイミング的にも本当に良かったというのもあります」

──判定がなく、時間切れになるとEBIと同様にスパイダーウェブ(※腕十字を仕掛け、掛けられた方は腕をクラッチする状態)やバックマウント&シートベルト・ポジションからRNCの攻防で、極めるかエスケープを争うタイブレーク制も用いられているのでしょうか。

「ハイ。2分間のなかでどちら先に極めるか、エスケープを成功させるかを交互に攻め合うというもんを3回やります。さすがにここで、掌底はないです(笑)」

──なるほど(笑)。以前EBIからオファーがあった日本人選手が、ファイトマネーがなく一本勝ちするごとに賞金を獲得するというプロポーサルで断ったことがありました。

「あぁ……僕は一応それほど多くないですが、ファイトマネーは出ます。あんまり賞金のことは考えていなかったのですが、一本勝ちでボーナスが出ていくというのは同じですね」

──今日が木曜日(※23日の夜にインタビュー)で、試合が現地の日曜日ですがまだ日本におられるのですね。

「ハイ、LAには土曜日の朝に着きます」

──?! ハハハハ。スミマセン、思わず笑ってしまいました。現地入りが、試合前日ということですか。

「そうですね、スケジュールがそうで。それほどファイトマネーがもらえるわけではないので、前入りをするのは控えました(苦笑)」

──アハハハ。土曜日に到着して、計量はどのようになっているのでしょうか。

「計量は当日なんです」

──所選手がバンタム級で戦う時は、水抜きをしていますよね。

「ハイ。ただ、今回は当日ですし……早めから体重を落としてきました。当日計量自体がアマチュアの時から経験がなくて、あの時は減量もしていなかったので初めてみたいなものですね。だからこそ、前もって準備をしていました」

──以前、エディと話をしていた時に『グラップリングはビジネスになっていない。皆、パッションでやっている』と言っていました。プロ・グラップリング大会はなかなかビジネス的には厳しく、セコンドの旅費が出ないという大会もあります。

「そうですね……自分の場合も1人で行きます。以前からLAに練習へ行くとお世話になっていた前田桂さんが今は名古屋で日沖選手とstArt Japanをされているのですが、今回も色々と甘えてしまって……。向こうで前田さんの知り合いの日本人の方と、米国人でマチャド柔術の黒帯の方がサポートしてくれることになっています」

──そこまでして出るトーナメント、なかなかこのルールに則した練習をすることもないでしょうが、どのように準備をしてきましたか。

「もう僕の場合はMMAと同じでやってきました。掌底がある寝技はパウンドがあるのと変わりないと思っていますし」

──確かトーナメントに出るバレット・ヨシダがパチパチと掌底を落とすスパーリングの様子を動画サイトにアップしていましたね。

「バレットさん、やっていましたね(苦笑)。僕の場合は今成さんとか、金原さんにビンタしてもらってはいました」

──えっ……。

「かなり愛の鞭で……(笑)。僕も叩きたいのですが、叩けなくて2人の愛情をしっかりと受け止めました」

──ダメージは大丈夫ですか(苦笑)。

「それは大丈夫でした。本当にMMAに近くて、殴られそうになると立って組みに行ったり、反撃でビンタしたり、そういう風に練習してきました」

──反撃でビンタ……。もうそうなると、やはり「どこが柔術なのだ?」となりますよね(苦笑)。エディの言うところの「柔術の技を打撃ありの試合で使う」というコンバット柔術の理想もなかなか実現が難しそうです。

「試合映像を見ると、打撃に慣れていないのか掌底を当てられて気持ちが折れている選手とかいました。それに今回の出場メンバーを見ると、かなりMMAをやっている人が多そうだし、掌底が行き交うかと思います」

──出場メンバー16名の名前はあっても、トーナメント表は見つからなかったです。

「まだ決まっていないと思います。ちょっと確認してみます。余りにも人が多くて、僕も戦績だけを見ていて。MMAをやっているなとか、EBIで勝っているんだとか。それでもジオ・マルチネスと戦いという気持ちでいました」

──そのジオの名前が……。

「ハイ、なんか急に消えてしまって……。ただ、もうチャレンジするだけなのでバレットさんとだけはやりたくないですが、それ以外の選手は誰と当たっても頑張るだけです」

<この項、続く

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